色やサイズが豊富で水が染み込みにくいタイルは、浴槽にピッタリの内装材です。今回は浴槽にタイルを張ることのメリットや、適切な交換時期を解説していきます。浴槽タイルの交換時期や費用相場もご紹介しますので、浴槽タイルを交換しようかお悩みの方はぜひ参考にしてください。
浴槽タイルのひび割れや隙間はそのままにしてはダメ!
「お風呂のタイル、ひび割れているけど少しだけだからまだ直さなくてもいいか」とそのままにしている方はいませんか?実は浴室のタイルは、ほんの少しのひび割れでもすぐ補修をすることが必要です。そのままにしておくと、家の構造自体に悪影響を及ぼすこともありますのでご注意を。
浴槽に張ってあるタイルは固く、物を落とすと欠けやすいという欠点があります。そのため割れたり欠けているタイルが発生することも多いのではないでしょうか?しかしこれを放置しておくと家の構造部分にまで影響を及ぼしてしまうため、早急な補修や張り替えが必要になります。
とは言ってもいきなり張り替えとなると、大きな費用がかかることも考えられます。そこで補修で済む場合やDIYで直す方法などを見ていきましょう。専門業者に張り替えをお願いするポイントなどもありますので、しっかりと覚えておきましょう。
補修か張り替えかを決める基準は?
ではタイルを補修か張り替えかを決める判断基準はどこなのでしょうか?実はタイルには補修で大丈夫な場合や部分的な補修が必要な場合、大幅な張り替え工事が必要な場合があります。
- タイル目地の汚れや劣化→目地補修材による修理
- タイルと浴槽の隙間→コーキングによる補修
- 一部のタイルの表面の欠け→タイル張り替え
- タイルのひび割れ→接着剤による補修・タイル張り替え
このように、目地の劣化や浴槽との隙間が生じた場合は補修でも問題ありません。ただしタイルに欠けやひび割れが起こっている時にはタイル自体を新しいものと張り替える必要があります。
またタイルの張り替え工事では、今まで張っていたタイルを剥がす必要があり大規模な工事になることも。一緒に水栓や浴槽自体を交換するタイミングとも考えられますので、専門の業者に見てもらって判断しましょう。
タイルの補修はDIYでできる?
それではタイルの補修は自分でDIYで出来るのでしょうか?主なタイルの状態とDIYでの補修方法を見ていきます。
タイルの状態 | DIYによる補修方法 |
タイルのひび割れ | タイルの色と合うエポキシ系接着剤で埋める |
目地の割れ・浮き | ドライバーなどで取りタイル用目地セメントを注入、はみ出ているセメントはふき取る |
タイルと浴槽の隙間がある | コーキング剤を流し込む |
タイル張り替え | 既存タイルを割り剥がし、下地処理後新しいタイルを張る |
軽微なひび割れや隙間ならDIYでも可能ですが、何枚にも及ぶタイルの張り替えでは注意が必要です。特に端部分のタイル張り替えの際にはサイズ調整なども発生するため、DIY初心者では難易度が非常に高くなります。
万が一補修に失敗した際にはプロに頼むことになるため 、DIYの腕に自信のない方はあらかじめ専門業者に依頼することをおすすめします。
こんな時はプロにタイル張り替えを依頼すべき!
それではどんなタイルの状態の時に、プロに張り替えを頼むべきなのでしょうか?下地やタイルが以下のような状態の時は、プロに張り替えをお願いしましょう。
- タイルが浮いている
- 下地がひび割れしている
- タイル自体が劣化している
下地自体に深いひび割れがある場合は壁や床の内部まで、水が入ってしまう可能性が高いため、速やかな張り替えが必要です。またタイルが浮いているのは、長期間放置していたため、すでに下地自体が劣化し始めていることも考えられます。
また目地の補修は素早くキレイに仕上げなければいけないため、タイル張り替え工事の中でも難しい作業の一つです。きっちりと補修をするならやはりプロの手にお任せするのが一番。
特に築20年以上たっている住宅の場合は浴室タイル自体が劣化しており、力を入れてないのにタイルが割れたりということが発生します。下地までヒビが入っている可能性もあるため、全面的にタイル張り替えが必要に。
そのような場合もやはりリフォーム専門業者に依頼しましょう。同時に他の部分も劣化していることがあるので、プロの目でチェックしてもらうことをおすすめします。
浴槽をタイルにするとこんなメリットがある!
浴槽をタイルにすることで得られるメリットについてご説明していきます。そこにはタイルならではの特徴や長所が満載です。
色やデザインが豊富にあるのでオリジナリティが出せる
タイルの一番のメリットは色やデザイン、形が豊富にあるということ。そのためオリジナリティあふれる浴室が作れますよ。またタイルは組み合わせも自由自在なので、デザインにこだわりたい方や自分だけの浴室を作りたい方におすすめです。
また浴槽によく使われる人工大理石やステンレスなどの異なる素材との組み合わせが楽しめるのもタイルならでは。じっくりとタイルを吟味して、浴室のアクセントになる模様や色を作り出してみては?
耐久性が高く水垢やカビが楽に取れる
浴室に使われるのは、吸水性が1%未満と低い磁器質タイルがほとんどです。焼き上げる前に釉薬をタイル表面に塗っているので、ツルっとしておりカビや汚れが付きにくいのが特徴。水垢やカビなどが発生しやすい浴室でも掃除がしやすいというメリットがあります。
しかしタイルの目地部分にカビが付いたり汚れてしまうことが考えられます。そのため目地の少ない大判のタイルなら、目地の手入れも楽ですよ。タイルにしたいけど毎日の掃除が大変という方におすすめです。
保温性があるのでお湯が冷めにくい
タイルを浴槽に使うと保温性がありお湯が冷めにくいというメリットがあります。追い炊き機能が付いている浴槽では、追い炊きの回数を減らせるため節約にもなります。
特に「サーモタイル」と呼ばれるタイルは、タイル内部の断熱層により保温性がさらにアップ。 寒い地域の方や浴室のひんやり感が苦手な方は、このような機能のタイルを採用してみては?
破損しても補修しやすい
タイルは一つが欠けても、その部分だけ張り替えられるので補修しやすいという特徴があります。簡単な補修ならDIYでも可能なので、費用を抑えられますね。ホームセンターなどではタイル工事に必要な道具や材料が揃えられますので、手軽に補修ができます。
浴槽タイル張り替えの費用相場や安く抑えるコツは?
それでは浴槽のタイル張り替えにかかる費用相場はどの位になるのでしょうか?浴槽のタイルは、見つけたら素早く補修や張り替えをすることが重要。早めに対処するためにも、あらかじめ費用相場を知っておきましょう。
タイル張り替えや部分補修にかかる費用とは
浴槽のタイル張り替えや部分補修にはどのくらいの費用がかかるのか見ていきましょう。部分的な補修・在来工法の張り替え・ユニットバスでの張り替えについて費用を細かく解説していきます。
部分補修の費用
タイルの一部分のみが欠けている時やひび割れが発生した時の費用はタイルの枚数に応じて変わります。補修するタイルの枚数が多くなればなるほど費用がかかり、全面張り替えとそれほど差がなくなってしまうことも。
タイル部分補修内容 | 費用相場 |
目地補修 | 2万円~ |
タイルひび割れ補修 | 3万円~ |
タイル部分張り替え | 3万円~ |
いざタイルを剥がしてみて、タイル以外に不具合が生じていた場合の追加工事費用はこのようになっています。
追加工事内容 | 追加工事費用 |
タイル下地材交換 | 3万円 |
タイル下地補強 | 3万~5万円 |
タイル廻りや配管の点検・リフォーム | 5万~8万円 |
タイル張り替え工事はタイルを剥がしてみないと下地の状態が分からないため、結果として全面張り替えとそれほど費用が変わらなくなることを覚えておきましょう。
在来工法のタイル張り替え費用
在来工法の浴槽のタイル張り替え工事は、部分的であっても全面張り替えであっても実はあまり費用に差がありません。それは人件費が同じ位かかってしまうためです。一般的な浴室サイズである0.75坪の全面タイル張り替え費用はこちら。
工事内容 | 費用相場 |
既存タイル解体撤去 | 約5万円~ |
床タイル施工(材工共) | 約6万円~ |
壁タイル施工(材工共) | 約10万円~ |
床と壁では料金に差があるのは、難易度に違いがあるため。平面である床は比較的張りやすいのに対し、壁は垂直になっているため重力がかかりタイルが張りにくくなっています。
上記の金額は選ぶタイルのグレードやリフォーム内容によって変動します。床と壁の両方を張り替えるときや、使うタイルが高級である場合は20万円以上かかることもあります。
ユニットバスのタイル張り替え費用
ユニットバスの床や壁をタイルにしようと思ったら、メーカーのオプションにリフォーム用の壁材があることを確認しましょう。在来工法と違い、ユニットバスにはそのままタイルを張ることができないためです。
もしユニットバスメーカーでタイルを取り扱っていない場合は、ユニットバス事交換工事が必要となりますのでご注意ください。ではユニットバスのタイル張り替え費用を見ていきましょう。
工事内容 | 費用相場 |
既存壁パネルの解体・撤去 | 約5万円~ |
タイルパネル取付工事 | 約5万円~ |
シーリング工事 | 約1万円 |
ユニットバスでのタイル張り替え工事の費用相場は、合計で11万円前後です。高グレードや高機能のタイルを使用すると、それだけ費用が上がります。また小さいサイズのタイルを使うと、張る作業に手間がかかるため費用が高くなる傾向があります。
モザイクタイルなら工事費が安くなることも
もしタイル張り替え費用を少しでも抑えたいなり、モザイクタイルを選んでみては?モザイクタイルはシート状になっているため、普通のタイルと比べても材料費や施工費がかかりません。
材料費は3千円、施工費は2千円程度安くなりますので、トータルで5千円ほど安くなります。色のバリエーションが豊富で様々なトーンがあるので、どんな浴室にも合いますよ。
浴槽のタイル張り替えにかかる日数は?
タイルの張り替え工事にかかる日数は、DIYで行う場合と比べて大幅に短縮できます。
- 全面張り替え…2日〜3日
- 部分補修…1日〜2日
浴室の全面張り替えであっても2、3日程度で完成します。もっと確実な日数が知りたい方は、現場調査の際にリフォーム会社にお尋ねください。
浴槽タイルはどう選ぶ?ポイントを5つご紹介!
新しくタイルを張り替える際、どうせなら機能性が高いおしゃれなタイルを選びたいですよね。ここではタイルの選び方やタイルの張り方についておすすめな方法をご紹介していきます。
寒い地域なら耐凍害仕様のタイルがおすすめ
夜間に室内でも水が凍る寒い地方にお住まいの方は、耐凍害仕様のタイルが良いでしょう。浴室で使用している場合、タイルの素地部分の隙間に水が入り、その水が凍ると体積が約1割も膨張してタイルが割れてしまう恐れがあります。特に寒い地方では浴室内でも水が凍るため、このような現象が起こりやすくなります。
タイルの凍結を避けるためには、「他凍害性適正マーク」の表示があるタイルをおすすめします。水がかかりやすい浴室内の壁面などは、耐凍害に対応したタイルを使うようにしましょう。
床は滑りにくく冷えにくいタイルを選ぶ
浴室床のタイルは滑りにくくヒヤッとしないタイルがおすすめです。ただでさえ転倒事故が起こりやすい浴室では、ツルツルしたタイルでは危険です。そのため床タイルを選ぶ際には適正表示が「浴室向き」となっているかをしっかり確認しましょう。
浴室向きのタイルの中には表面がざらざらしたものがありますが、子供や高齢者などの肌が弱い方にとっては皮膚が痛くなることも。その場合はタイルを実際触ってみて、肌当たりを確かめることが必要です。また機能タイルの中には、寒い気温でも表面が冷たくなりにくい物もあります。
快適にお風呂を楽しみたいなら、そのような機能があるタイルを選んでみてはいかがでしょうか。
カビの発生を抑えたいなら抗菌効果のある大きいサイズのタイル
先ほどもご説明しましたがカビは目地部分に多く発生します。これを防ぐには目地の少ない大きなタイルや抗菌効果のあるタイルがおすすめ。特にカビが発生しやすい浴室では、お手入れが大変な目地部分を減らすことを考えましょう。
タイルの中には銀イオンで細菌の繁殖を抑制する抗菌タイルがあります。この効果は半永久的で、匂いやヌメリなどの発生も同時に抑えてくれますよ。
バスタブの色を考えて壁と床のタイル色を決める
タイルの色を決める場合には、浴槽の色や全体のバランスを考えて決めましょう。壁と床のタイルの色は同系色でそろえ、壁よりも床の色を暗めにするとより落ち着いた雰囲気になります。
床の色を黒にするととてもシックな印象になりますが、半面水垢の汚れが目立ったり、髪の毛が落ちていても気づきにくいなどのデメリットが。いつも清潔な状態を保ちたいなら、白っぽい明るい色がおすすめです。
個性を出したいなら壁の一面のみ色を変える
浴室に個性を出したいなら、四面ある壁の一面の色を変えてみましょう。浴室で人気の色は清潔感のある白ですが、壁全部を白一色にしてしまうと無機質な印象となることも。そこで一面のみ違う色のタイルを張ることをおすすめします。
浴槽に入って目を向ける方向の壁を柄タイルにしたり、ボーダータイルを張っても良いでしょう。またタイルを組み合わせてラインを入れたり全く別の色をアクセントカラーとして選んでみましょう。お気に入りのタイルを張ることで、バスタイムがもっと楽しくなるかもしれませんよ。
タイル工事を安くしたいなら実績のある会社へ依頼する
浴槽のタイル張り替え工事を安くしたいなら、工事実績の豊富な専門業者に依頼することをおすすめします。材料のタイルを安く仕入れられるだけでなく、下請けに仕事を出さない分、人件費も抑えられます。
また業者を選ぶ際は相見積もりを取って内容を確認しましょう。相見積もりを取ることで費用の相場や必要最低限の工事内容が知れますよ。なおかつ安い業者に頼むことができるので一石二鳥です。
浴槽のタイル工事を安くしたいなら、タイル工事の実績が豊富で、アフターサービスにも対応してくれる専門業者に相見積もりを取りましょう。