メンテナンスしやすくリフォームにおすすめ!金属サイディング6つの特徴

軽量で耐久性や耐凍性が高い金属サイディングは、外壁におすすめの建材です。そんな金属サイディングが外壁材に適している理由やリフォーム費用の相場をご紹介。外壁リフォームをお考えの方は、金属サイディングを候補の一つとして考えてみてはいかがでしょうか?

金属サイディングとは金属製の外壁材

金属サイディングとは、メッキ塗装された金属板に断熱材が裏打ちされた厚さ15mm以上の外壁材のことを指します。外壁材として優れた特徴やその種類などについて見ていきましょう。

金属サイディングの表面材は四種類ある

金属サイディングの中でも表面材に使用されている金属の違いによって、大きく4種類に分けられます。それぞれの特徴や使用されている金属は以下の通りです。

表面材の種類特徴
塗装ガルバリウム鋼板アルミニウム55%を含んだ亜鉛合金メッキ鋼板。
アルミニウムの耐久性と亜鉛の防食作用が特徴で、
従来の亜鉛メッキに比べてさびにくい。
塗装溶融亜鉛めっき鋼板融解亜鉛メッキに焼き付け塗装を施した鋼板。
アルミニウム合金塗装板加工がしやすくサビや腐食にも強い。
軽量でもあり建物への負担が少ない。
塗装ステンレス鋼板さびにくく耐久性が高いのが特徴。
加工しやすいため外壁材によく使われている。

金属サイディングは工場の製造ラインで大量に生産されています。新たな塗装仕上げが不要で仕上がりが均一なのは共通しています。

金属サイディングの特徴とは

それでは金属サイディングの主な特徴やデメリットなどをご紹介していきます。お住いの地域によって、外壁材として適しているかどうかが変わりますので注意しましょう。

軽量で耐震性に優れている

金属サイディングは軽量で耐震性に優れているというメリットがあります。セメントや繊維質を混ぜて作った窯業系サイディングと比べると、四分の一ほどの軽さです。アルミ製の金属サイディングならさらに軽く、八分の一ほど。

これにより柱や梁にかかる重量が少なく、建物への負担を軽減できます。地震の際に建物にかかる荷重を軽減でき、外壁のひび割れや脱落もありません。また施工方法は、片側をはめ込む施工方式のため横揺れに対しても柔軟です。

断熱性が高い

さらに金属サイディングは断熱性が高い特徴があります。表面材である金属板には硬質プラスチックフォーム製の断熱材が裏打ちされています。

この素材には気泡が密に入っており、気泡に熱を閉じ込めることで室内の温度を一定にする役割があります。いわば外壁材と断熱材が一体化している構造で、これは他の外壁材には無い大きな特徴です。

また既存の外壁の上から金属サイディングを張る場合は、さらに断熱効果がアップします。既存の壁の上から胴縁(どうぶち)という枠組みを設置し、その上からサイディングを施工。結果として既存外壁との間に空気の層が生まれ、夏涼しく冬暖かな室内空間になります。

耐凍害性があり寒さに強い

金属サイディングには「耐凍害性(たいとうがいせい)」が高いというメリットが挙げられます。寒い地域で問題となる「凍害」とは、外壁の中にしみこんだ水分が凍結し膨張や破裂を繰り返して徐々に外壁材が劣化していく現象のこと。モルタル造りや窯業系サイディングの外壁材に良く起こる問題です。

その点金属サイディングは水分をはじいて内部に浸透させない性質があるため、凍害に強く寒冷地の外壁材としておすすめです。北海道や東北地方では金属サイディングの出荷実績が全体の4割を占めているほど普及しています。

意匠性があり防音性にも優れている

金属サイディングにはデザインが洗練されていて、防音性が優れているという特徴もあります。高級感のある自然石調やメタリックな雰囲気のものまでさまざま。表面加工や色展開も豊富で、好みに合わせて自由に選べます。

また断熱材部分の硬質プラスチックフォームは、音の吸収にも効果的。室内の音を外に漏らさず、道路や外の騒音を低減させてくれますよ。重ね張り工法を採用すればさらに防音性がアップしますので、防音性が気になる方におすすめです。

メンテナンスしやすく工期が短い

金属サイディングは他の外壁材と比べるとほぼメンテナンスいらず。また施工に際しても軽量で取り付けしやすいため工期が短く、結果として費用を抑えられます。特に重ね張りリフォームでは既存の壁の上から施工するので、住んだままで工事ができますね。

従来の外壁材は10年に一度ほどの塗装塗り替えリフォームが必要となりますが、金属サイディングは15~20年に一度ほどでOK。またサイディング同士をつなぐシーリングは外に露出していないため、頻繁な打ち直しが必要ありません。

キズや塩害でサビが発生する場合も

金属サイディング唯一の欠点としては、傷や塩害によってサビが生じてしまうということ。特に潮風が吹き付ける海岸付近では、塩分を含んだ空気が表面につくとサビの原因となってしまいます。同様に酸性雨が多い地域でもサビによる劣化が起こってしまいます。

また物がぶつかって表面の塗膜が剥がれると、そこから水分が浸透してサビの原因にも。そのようなサビを防ぐにはガルバリウム鋼板などの比較的サビに強い材質を選ぶか、こまめな塗装をおすすめします。また表面に傷が付いていないかこまめにチェックして補修することも、金属サイディングを長持ちさせる秘訣です。

メーカーによっては10年保証が付いている

金属サイディングの中には、メーカーによる保証が付いている商品があります。メーカーや商品によって保証期間や保証内容は異なりますが、10年程度の保障が付いていることが多いようです。これは万が一の安心につながるとともに、耐久性に自信があることの現れとも言えます。

金属サイディングと他の外壁材との比較

外壁材として多くの住宅で使われているサイディングには、金属製の他にも窯業系や木質系、樹脂系などの種類があります。それぞれのサイディングの特徴や耐用年数を比較してみましょう。

特徴金属系
サイディング
窯業系
サイディング
木質系
サイディング
樹脂系
サイディング
重量
デザイン性
耐久性
耐震性
耐火性
耐凍性
耐用年数15年10年10年30年

上の表を見ていくと、金属サイディングはどの項目も平均以上となっています。塗装塗り替えの指標となる耐用年数も、窯業系や木質系に比べると長いことが分かります。

金属サイディングの施工方法は二種類

金属サイディングの特徴が分かったところで、施工方法を見ていきましょう。金属サイディングの施工方法には、サイディングの張り方によって「縦張り」と「横張り」の二通りがあります。

施工方法特徴
縦張り雨水が縦方向に流れ落ちるため防水性が高い。
横張り意匠性が高いが接続部分に水がたまりやすく通気性の確保が必要。

商品によってサイディングを張る方向が決まっている「縦張り専用」や縦張り・横張りのどちらにも対応する「縦横兼用」があります。意匠性やそれぞれの特徴を考えながら、業者とよく相談して決めるようにしましょう。

もう一つの施工方法は外壁を金属サイディングへリフォームする場合の工法です。こちらも二種類あり、それぞれに特徴があります。

リフォーム方法特徴
カバー工法既存の壁に金属サイディングを重ね張りする方法。
劣化がかなり進んだ外壁のリフォームにおすすめ。
張り替え工法既存の外壁材を撤去して新しく張り替える工法。
新築のような外観になるが、撤去処分費用が余分にかかる。

それぞれにメリットやデメリットがあるため、業者と相談しながらどちらの工法が適しているか決めましょう。

金属サイディングのメーカーや商品の特徴

金属サイディングは多くのメーカーから販売されています。主なメーカーの代表ブランドの種類や機能はこちらです。

メーカー名商品名特徴
旭トステム外装Danサイディングモルタル風や積石風、レンガ調などの
バリエーションが豊富。
耐食性に優れたガルバリウムやスチールなどを使用。
ケイミューはる・一番デザインや色が豊富で、深い造形が特徴。
フッ素焼付塗装で色褪せにくいのも魅力。
アイジー工業IGサイディング断熱材の表面にはガルバ鋼板を表材として使用。
建物のスタイルに合わせたスタイルで和風洋風問わず使える。
日鉄日新製鋼建材グラジェットG縦張り横張り兼用の商品やメタル調のカラーが人気。
フッ素樹脂塗装には塗膜変色15年保証付き。
YKK APアルカベールアルミ製のサイディングは耐震性に優れている。
クオリティジェット塗装により天然石の風合いを再現。

金属サイディングのメンテナンス方法とその費用相場・日数とは

金属サイディングは他のサイディングと比べてもメンテナンス周期が長く、あまり手がかからない材質として知られています。そうはいっても定期的な点検や必要に応じた補修は長持ちさせるには必要。こちらではメンテナンス方法やその費用相場、日数などについて解説していきます。

自分でお手入れする場合の方法や注意点

金属サイディングを普段自分でお手入れする方法はただ一つ、定期的に水をかけて汚れを落とすだけです。とくにガルバリウム鋼板はメンテナンスがほとんどいらないのが大きなメリット。

雨が降った後などに泥はねを見つけたら、ホースの水をかけて汚れを落としましょう。半年や一年に一度でもいいですが、海岸近くや酸性雨が降る地域では一か月おきなどに頻度を上げることをおすすめします。

高圧洗浄機で外壁についた汚れを落とす

金属サイディングのメンテナンス法として、外壁の汚れを高圧洗浄機を使って業者に作業をしてもらう方法があります。年に一度を目安に、環境や実際の汚れ具合を確認して定期的に行います。作業にかかる費用の相場はこちらです 。

工事内容費用相場
(㎡単価)(200円)
洗浄費用3万円~7万円
足場費用10万円~20万円
   合計13万~27万円

メンテナンスにかかる日数は、足場工事も含めて1日から2日程度です。

シーリングの補修や打ち直し

窯業サイディングほどではありませんが、金属サイディングでもシーリングの打ち直しは必要になります。

工事内容費用相場
(m単価)(500円~1,200円)
シーリング工事10万円~
足場費用10万~20万円
   合計20万~30万円

足場工事も含めての工期は1日から3日程度必要となります。

塗装の剥がれを見つけたら外壁塗装

金属サイディングの表面に剥がれや破損を見つけたら、外壁全体に塗装をし直しましょう。いくらメンテナンスがいらない金属サイディングとはいえ、15年に一度は塗装の塗り直しが必要となります。工期は壁の広さにもよりますが、おおむね二週間程度です。

工事内容費用相場
(㎡単価)(2,000円~4,000円)
塗装工事70万~100万円
足場費用10万~20万円
   合計80万~100万円

但しそこで注意が必要になります。ガルバリウム鋼板をはじめとする金属サイディングの塗装はとても難しく、経験のない業者に頼んでしまうとせっかくの質感が台無しになることも。

金属サイディングの塗装リフォームを行う場合は、必ず工事履歴があるか確認してからにしましょう。

重ね張り工法による費用や日数

既存の外壁の上から金属サイディングを重ね張りする工法は、断熱性や防音性を高めるのに有効。張り替えの相場は1㎡当たり4,000円~7,000円前後です。工期は2週間前後かかります。

工事内容(200㎡)費用相場
サイディング本体価格140万円~
シーリング工事10万円
施工費・諸経費60万円
   合計210万円~

張り替え工法による費用や日数

既存の外壁を全て撤去して、新しく金属サイディングを張る工事では、壁の撤去処分費が余分にかかります。そのため工期も2週間から3週間ほど、余裕をもって設定しましょう。

工事内容費用相場
既存外壁撤去・処分50万円
サイディング本体価格140万円~
シーリング工事10万円
施工費・諸経費60万円
   合計260万円~

金属サイディング工事はどこに依頼する?費用を抑える秘訣も

実際に金属サイディングで外壁リフォームをしたい時は、どんな業者に依頼すればいいのでしょうか?金属サイディングならではの施工方法から、おすすめの業者をご紹介していきます。

地元の板金業者や専門業者を探す

金属サイディングを最も多く施工しているのは、金属板金業者です。素材が金属ということもあり、実際に工事をするのは板金職人だからです。そのため他の外壁材に比べて工事業者の数が少ないのがデメリットになります。

リフォーム費用を安く抑えるためには地元の板金業者に直接依頼するのがおすすめ。実績があり腕のよい板金工事業者を見つけられれば、外壁リフォームもきっと成功するでしょう。

ハウスメーカーに紹介してもらう

もし現在住んでいる住宅を新築で購入したのであれば、家を建てたハウスメーカーに業者を紹介してもらうという方法もあります。ハウスメーカーでは通常、工事の箇所ごとに各専門業者に依頼しています。その業者を教えてもらえるのであれば安心して工事を任せられるはずです。

金属サイディングは塗装工事とセット

外壁の金属サイディング工事は塗装工事とセットで行うことがほとんど。したがって塗装工事も出来る専門業者を選べば工事費用を抑えられます。

外壁を金属サイディングで行う際には、サイディングが張れない窓の木枠や軒天、破風板に塗装を施す必要があります。そこで社内に塗装を行う職人がいれば、新たに塗装会社に工事を依頼せずに済みます。