家を風雨から守ってくれる外壁には定期的なメンテナンスが必要。特に外壁塗装は見た目を変えてくれるだけでなく、外壁自体の寿命も伸ばしてくれます。そんな外壁塗装に関する基礎知識や費用相場、注意点などをご紹介していきます。
外壁塗装に使う塗料の基本を押さえておこう!
外壁塗装の費用を解説する前に、外壁塗装に関する基礎知識を見ていきましょう。塗料の種類や色選びのポイントなど、塗料を選ぶ際の参考にしてください。
外壁塗装に適した塗料とは?
外壁塗装に使われる塗料には実に様々な種類があります。塗装は外見をキレイに見せる役割だけでなく、外壁の塗膜性能を維持して外壁から家の構造を長持ちさせるという役割も持っています。そこで耐久性や防汚性のある塗料が外壁の塗装にはおすすめとなります。
塗装によく使われる種類ごとの特徴や機能はこちらです。
塗料の種類 | 特徴 |
アクリル系塗料 | プラモデルの塗装によく使われる塗料で、安価で軽量なのが特徴。 耐久性や撥水性が低く紫外線にも弱いため外壁塗装に適さない。 |
ウレタン系塗料 | 塗料が柔らかいため密着度が良く、凹凸部分への塗装に向いている。 価格の割に紫外線に強く、アクリル系塗料より耐久性が長い。 |
シリコン系塗料 | 汚れや紫外線に強いため、現在最も外壁に使われている塗料。 特に水性タイプは刺激臭が少なく環境にも優しい。 |
フッ素系塗料 | 塗料の中では耐用年数が長く高層ビルにも使用されている。 ただし一回の塗装費用が高額なため費用対効果考える必要がある。 |
ラジカル制御系塗料 | 2010年代に誕生した新しい塗料。劣化の原因とされるラジカルの 発生を抑える働きがあり、耐久性が高いのが特徴。 |
光触媒塗料 | セルフクリーニング機能を持ち、耐久年数が長い塗料。 汚れと塗膜の間に隙間を作り、雨水によって分解した汚れを流す。 |
無機塗料 | セラミック塗料とも呼ばれ塗料の中にセラミック(磁器)を含む。 意匠性が高く断熱効果もあるので、省エネにはおすすめ。 |
このように塗料には種類ごとに様々な特徴や機能を持っています。外壁にどんな機能を持たせたいかによって塗料を選んでみてはいかがでしょうか。
塗料ごとの耐用年数や㎡単価とは
では塗料ごとの具体的な耐用年数は㎡当たりの単価はどの位なのでしょうか。上にあげた7種類の塗料について解説していきます。
塗料の種類 | 耐用年数 | ㎡当たりの単価 |
アクリル系塗料 | 5~8年 | 1,200~1,600円 |
ウレタン系塗料 | 8~10年 | 1,800~2,000円 |
シリコン系塗料 | 10~15年 | 2,000~2,500円 |
フッ素系塗料 | 15~20年 | 3,000~4,000円 |
ラジカル制御系塗料 | 10~15年 | 2,500~3,000円 |
光触媒塗料 | 15~20年 | 4,200~5,000円 |
無機塗料 | 20~25年 | 4,500~5,500円 |
この表から耐用年数が長くなるにしたがって、費用相場も上がることが分かります。現在住宅の外壁塗装に最も使われているのがシリコン系塗料で、全体の70%近いシェアを占めています。15年は再塗装の必要が無いため、トータル的にコストパフォーマンスが良いと人気となっています。
外壁塗装に使う塗料の色選びのポイント
外壁塗装に使う塗料の種類が決まったら次は色を選んでいきましょう。外壁の色は家の外観の雰囲気を決める上でとても重要です。小さな色見本では実際に塗装した時とのイメージの違いが生じることもありますので、できるだけ建物に塗装した感じが分かる資料を見て決めるようにして下さい。
色の系統 | 見た目の印象 |
ホワイト系 | 清潔感があり周囲との色なじみが良い。 汚れが目立ちやすいため、少し色を加えるのがポイント。 |
ブラック系 | 重厚感があり、単色だとスタイリッシュな印象に。 熱を吸収しやすく表面温度が高くなる。 |
ブラウン系 | 明るいブラウン系はナチュラルな印象。 暗いブラウンは落ち着いた印象になる。 |
クリーム系 | 膨張色のため家が大きく見える効果がある。 温かみがあり、優しい印象になる。 |
原色系 | 家廻りとの統一が難しく、色褪せが目立ちやすい。 彩度を抑えたりツートンにすることでオリジナリティが出せる。 |
上記のように外壁の色によって家の印象が変わります。10年以上は同じ色となるわけなので、外壁の色選びは慎重にしましょう。
外壁塗装のタイミングや手順・工法とは?
外壁塗装は使っている外壁材の種類によって塗装頻度が異なります。また外壁現れる劣化症状によっても外壁塗装をすべきかの判断ができます。こちらでは外壁塗装の時期やタイミング、工法や手順についてご紹介していきます。
外壁材別メンテナンスの時期について
外壁に使われている材質は主にモルタル・サイディング・タイル・ALCパネルの4種類。サイディングにも材質別に4種類があり、それぞれの耐用年数や塗装頻度はこちらです。
外壁材の種類 | 耐用年数 | メンテナンス頻度 | 塗装頻度 |
モルタル | 30年 | 5~10年 | 5~10年に一度 |
窯業系サイディング | 10年 | 7~10年 | 10年に一度 |
金属系サイディング | 15年 | 10~15年 | 10年に一度 |
樹脂系サイディング | 30年 | 10~20年 | 10年に一度 |
木質系サイディング | 10年 | 7~10年 | 10年に一度 |
タイル | 40年 | 10~15年 | 必要なし |
ALCパネル | 60年 | 10~15年 | 10年に一度 |
ただし外壁がタイルやレンガ造りの家は外壁塗装が必要ありません。というのもタイルやレンガは塗装なしで30年~50年ほどの耐用年数があるためです。
一方で台風が多い地域や海岸近くなどの塩害が発生しやすい場所では、外壁のサビや傷みが発生しやすいため上記のタイミングよりも短いスパンで塗り替えが必要になることもあります。
外壁にこんな症状が出たら塗装のタイミング
新築から10年以上経つと、外壁に様々な劣化症状が現れてきます。これは紫外線や風雨、塩害などによって外壁表面の塗膜が剥がれたり劣化することで発生します。
この劣化症状をほおっておくと外壁内部や家の構造部分にまで影響を及ぼす恐れが。これからご紹介する外壁の症状を発見したら、なるべく早めに塗装などのメンテナンスを行いましょう。
劣化の症状 | 詳細 | 外壁の種類 |
ヘアクラック | 塗膜の劣化により細かいひびが入る | モルタル サイディング |
クラック | 乾燥によるモルタルの収縮やゆがみでひび割れる ひび割れした部分から水が浸入し雨漏りの原因に | モルタル ALCボード |
チョーキング | 紫外線や熱により塗膜の樹脂が分解され劣化する 白いチョークのような粉が吹いて指で触ると白くなる | モルタル 窯業系 サイディング ALCボード |
シーリングの ひび割れ | シーリングの劣化やサイディングの反りにより 目地や接合部にひびが入る | サイディング |
サビ | サイディング鋼板を保護しているメッキの腐食により発生 | 金属系 サイディング |
色褪せ | 紫外線や熱により塗膜が劣化して本来の色が薄くなる 劣化の初期段階で放置すれば塗膜が剥がれる | サイディング |
カビ・コケの発生 | 表面に根を張り広がることも。美観を損ねる原因に | モルタル サイディング |
塗膜の浮き・剥がれ | 塗膜が剥がれ下塗りや下地が露出 劣化の進行を早めるため高額な補修費用がかかることも | サイディング ALCパネル |
外壁塗装ではサイディングの継ぎ目や目地を埋めるシーリングの打ち直しも行います。これは雨水が染み込まないためにも大切なメンテナンスです。
塗装工法は三種類
外壁塗装で用いる工法は主に3種類あります。それぞれに塗装範囲やメリット・デメリットが異なりますので覚えておきましょう。
塗装工法 | 特徴 |
刷毛工法 | 細かい部分を塗るのに適している工法。 仕上げ塗装や微調整の際に使われる。 塗装面積が狭いので、広い面を一気に塗装する場合は向かない。 |
ローラー工法 | ローラーを転がしながら広い面を一気に塗装できる。 隅部分や細かい部分の塗装には向かない。 |
吹き付け工法 | 塗料を機械にセットして噴射することで外壁を塗装する工法。 広い面を一気に塗装できるが飛び散りや凹凸部分の塗りムラに注意。 |
外壁塗装の工程・手順はこちら
外壁塗装はどんな手順でどのような工事をするのでしょうか?外壁塗装工事が始まると、家の外側にぐるっと足場が組まれて家の中にいても何だか落ち着かない状態になります。今やっている工事が工程のどの部分なのか分かることで、「あと何日ほどで工事が終わるな」と目途が付けやすくなります。
期間 | 工程 |
1日 | 足場の設置 |
半日~1日 | 高圧洗浄 |
半日~1日 | 塗装前の養生・飛散防止ネット張り |
半日~1日 | 下地処理 |
1日 | シーラーによる下塗り |
各1日 | 塗料による中塗り・上塗り |
1日 | 点検・手直し |
1日 | 足場撤去・片付け |
ただし途中で雨が降ると工事がストップしたり、塗料が思うように乾かずに日数が伸びることもあります。このように外壁塗装の工程は天候に大きく左右されますので、スムーズに工事を終えるには時期や季節も重要になります。
外壁塗装には適切な時期がある?
では外壁塗装に適した時期はいつになるのでしょうか?一般的に外壁や屋根の塗装に適しているのは、比較的雨が少なく気温が穏やかな春(3~5月)や秋(9~11月)です。その時期は依頼するお客さんも多いため、工事が集中する傾向にあります。
逆に外壁塗装に向かない季節は冬や夏です。これには塗料を使用する条件が、塗料メーカーによって決められているため。主に以下の天候の時は工事がストップすることがあります。
塗料の使用条件 | 理由 |
外気温が5度以下 | 塗料の乾燥時間が長くなったり重ね塗りできなくなる。 外気温が低いと塗料の伸びが悪くなり品質にも悪影響。 |
雨が降っている | 乾く前の塗料に雨水が付くと流れ落ちたり重ね塗りが剥がれやすい。 塗料の硬化が遅くなり、耐久性や見た目に影響する。 |
湿度が80%以上 | 空気中の水分によって塗料の硬化が阻害される。 |
このように塗料は外気温や湿度に大きく影響を受けます。特に水分が乾く前の塗料に付着すると、塗料が乾燥しにくくなったり重ね塗りが出来ず工程が大幅にずれてしまうことも。
またお盆前の7月や正月前の11月に工事が増えることもあります。外壁塗装を考えている場合は、余裕をもって工事を依頼するようにしましょう。
外壁塗装の費用相場や日数を解説!
外壁塗装の工程や基礎知識を知ったところで、実際に費用や日数がどの位掛かるのかを見ていきます。ご自宅の外壁の面積を求められれば、一層細かい費用の目安を得られますので一緒に計算してみましょう。
建坪別の費用相場とは
ここでは建坪別に外壁塗装の費用相場を解説していきます。まず初めに建坪からおおよその外壁の面積を算出しましょう。 外壁面積は次の計算式で求められます。
外壁面積=坪数×3.3×係数(1.1~1.8)
上記の「係数」とは実際に塗装を施す面積を実数の値に近づけるためのものです。窓の数やベランダの有無など、家々によって異なる塗装をしない箇所に応じてこの係数を変えていきます。例えばベランダなどがある場合は係数を1.5、火塗装部分を含めた外壁の面積を算出するには係数を1.8にするなど。
つまり外壁面積を出すには、坪数に3.3を掛けて延べ床面積(㎡)を算出し、そこに係数を掛けるということになります。そして上記の計算式を基に出した、坪数ごとの費用相場はこちらです。
坪数 | 外壁面積(㎡) | 費用相場 |
20坪 | 73~112㎡ | 40万~70万円 |
30坪 | 110~170㎡ | 60万~100万円 |
40坪 | 145~225㎡ | 80万~130万円 |
50坪 | 180~280㎡ | 100万~160万円 |
60坪 | 220~340㎡ | 120万~200万円 |
70坪 | 255~390㎡ | 140万~230万円 |
80坪 | 280~430㎡ | 160万~260万円 |
一般住宅の平均的な坪数は30~40坪です。上記の表から見ると費用相場は60万~130万前後ということになります。
次に坪数30坪(塗装面積119㎡)にかかる外壁塗装費用の内訳を見ていきましょう。塗装代には塗料代と人件費が含まれています。
工事内訳 | 単価 | 合計 |
足場代 | 600~800円/㎡ | 71,000円~95,000円 |
高圧洗浄 | 200~300円/㎡ | 24,000円~42,000円 |
養生費 | 300~500円/㎡ | 42,000円~60,000円 |
飛散防止ネット | 300~500円/㎡ | 42,000円~60,000円 |
シーリング | 700~900円/㎡ | 83,000円~107,000円 |
塗装代 | 1,700~5,500円/㎡ | 200,000円~660,000円 |
産廃処分費 | 20,000円/一式 | 20,000円 |
合計 | 482,000~1,044,000円 |
上記の他に雨どい交換やベランダ防水工事が追加される場合は、工事費用が高くなります。
外壁塗装にかかる日数は?
先ほどもご紹介しましたが外壁塗装工事は、足場設置~高圧洗浄~塗装3回~足場解体という手順で進みます。一般的な戸建て住宅では10日~2週間程度の工事日数がかかるということになります。ただし雨が降るなどの天候不順に見舞われると工程が伸びることがありますので、余裕をもって考えておきましょう。
外壁塗装の費用を抑えるポイントを解説!
一軒の住宅で60万~120万ほどかかる外壁塗装工事を少しでも安くするにはどうしたらいいのでしょうか?ここではトータル的に費用を抑える秘訣や、お得な補助金制度などをご紹介していきます。
屋根塗装や太陽光パネルと一緒にする
外壁塗装工事の費用を抑えるには、一緒に屋根塗装工事や太陽光パネル設置工事を行いましょう。無理にこれらの工事を行う必要はありませんが、いつかやろうと思っているのなら一時にした方がお得になるという方法です。
屋根塗装や太陽光パネル設置工事はどちらも足場を組んで作業をします。この足場代を浮かせることで結果的に費用を抑えられるという仕組みです。
屋根塗装の場合、外壁を塗装しようかと考える時期というのは屋根の劣化も始まっていることが多くあります。同じタイミングで同じ耐用年数の塗料を塗ることで、二回目以降の塗装工事も一緒に行えます。
耐用年数が長い塗料を使用する
耐用年数の長い塗料を使うことで、次の工事までの期間を延ばしトータルの塗装費用を抑えるという方法もあります。塗料というのは耐久性と費用がほぼ比例しています。一度の塗装にかかる費用が安くても、5~8年ごとに塗り替えが必要になってはトータルで高くついてしまうことも。
その点でも最長で25年の寿命がある無機塗料やフッ素塗料なら、長く外壁を保護してくれます。外壁塗装にかかる費用のうち、塗料代が占める割合は全体の20~30%ほどです。そこまで全体の工事費用に大きな影響を及ぼさないため、予算の許す限りなるべく高耐久の塗料を選ぶことをおすすめします。
工事の閑散期に余裕をもって依頼する
外壁塗装工事には春秋の繁忙期とそれ以外の閑散期があります。この閑散期に工事を依頼することで工事費用を抑えることも可能です。業者が忙しい時期は値引きをしなくても工事の依頼が殺到するのに対し、閑散期には値引きをしてでも仕事を得たいという業者の実情があります。
そこであえて工事の閑散期に依頼することで、値引きをしやすくするという訳です。しかし気候が安定しない時期や、寒い時期は工期が伸びやすいというデメリットも。 そのため費用の安さと工期の長さをよく考えて工事時期を決めましょう。
火災保険や自治体の補助金制度を活用
住宅の火災保険や自治体の補助金制度を使うことで、工事費用を抑えることができます。
住宅の火災保険に関しては、自然災害や火災などによって外壁塗装が必要な場合に保険金がおりる可能性があります。保険の種類ごとに補償対象が変わりますので、まずは自宅がどんな保険に入っているのかを確認しましょう。
保険の種類 | 補償対象 | 備考 |
火災保険 | 火災・落雷・破裂・爆発・ 風災・ひょう・雪災 | 自己負担額の設定によって 保険金が下りない場合も |
総合保険 | 火災・落雷・破裂・爆発・ 風災・ひょう・雪災 水漏れ・物体の落下・飛来・衝突など | 自己負担額の設定によって 保険金が下りない場合も |
上記のように台風や水漏れ、雪害によって保険金が使えることがあります。ただし経年劣化によるサビやコケの発生、クラックなどは対象外となりますのでご注意ください。
次に自治体の補助金制度についてご説明していきます。遮熱塗料や断熱塗料といった省エネ効果がある塗料を使ってリフォームした場合、10万~30万円の補助金を受けられる制度があります。これは「省エネ住宅改修補助金」や「住宅リフォーム助成金」といった名称で、各自治体ごとに定められています。
この補助金制度は塗料の種類やリフォーム方法などの適用条件が細かく決められています。また年度ごとに予算が決められているため、先着順や抽選で補助金が受けられないということも。外壁塗装リフォームが決まったら、なるべく早めに自治体のホームページで詳細をチェックしましょう。
外壁塗装をする際の注意点とは?
最後に外壁塗装をする際の注意点について見ていきます。これは依頼する業者の選び方にも大きく関係しますので、リフォームを成功させるためにもぜひ参考にして下さい。
工事を依頼する前に相見積もりを取る
外壁塗装を依頼する前には、なるべく早めに業者を3社ほどピックアップして相見積もりを取りましょう。これは費用を抑えることにも繋がりますので、面倒がらずに行ってください。相見積もりを取ることで適切な工事内容かをチェックできますし、価格の相場を知ることができます。
相見積もりを取ることは、何より優良な業者を見分ける手段にもなります。優良な業者は、外壁の現状に応じて適切な工事を適切な金額で提示してくれます。また工事内容や使用する塗料の種類、数量などを細かく記載した見積もりを提出するのも優良な業者です。
もし値引きを希望するなら思い切って業者に交渉してみましょう。その際には別業者の相見積もり金額といった根拠のある価格で、10万円以下に抑えることをおすすめします。
安すぎる見積もりの業者には注意
相場よりも安すぎる工事金額を出す業者には注意が必要です。外壁塗装業者の中には大幅な値引きや安すぎる工事見積金額を提示する業者もいます。というのも塗装工事には定価というものが存在しないためです。
外壁の面積はその家の窓の数などによって大きく異なりますし、立地条件によって足場設置費用も変動します。そこで必要な工程を省いたり、塗料をきちんと3度塗りせずに塗料代を浮かせることで、安すぎる工事価格につられたお客さんをゲットしようという悪徳業者が出てくるのです。
また塗装工事は仕上がりだけ見ても、素人にはそれが正しい手順で既定の量の塗料を使ったかを判断できません。場合によっては数年で塗膜が剥がれてしまうなどの不都合が生じてしまうこともあるため、業者選びは安いかどうかよりも、適正金額かを判断基準にしましょう。
急かされたからと焦って契約をしない
外壁塗装工事を決める際には、業者に急かされたからといって焦って契約をしないように気を付けましょう。業者に「すぐに工事をしないと大変なことになりますよ」「今契約すれば格安で工事ができます」と言われても絶対にその場では一人で判断せず、他の業者と比較したり家族と相談するなどの考慮期間を設けてください。
良心的な業者であれば再度連絡しても丁寧に対応してくれるはずですし、逆にすぐ契約を迫る業者はあまり良い業者とは言えません。外壁はたとえ劣化していても少しずつ変化していくものであり、一か月程度で住めなくなるほどになることはほとんどありません。外壁塗装は焦らずじっくりと考えてから業者を決めましょう。
予算がないからとDIYでするのは危険
外壁塗装にかけるお金がないからと、自分で塗装をするのは避けてください。外壁塗装工事というのは足場の設置や下地処理、塗装など様々なプロが分業することで効率よく工事を進めています。いくら時間があるからと、素人がDIYで出来るほど簡単な工事ではありません。
特に塗装工事は塗りムラなく全体を均一な厚さに塗料を塗る技術が求められます。それは塗料の性能を最大限に引き出すのに必要な技術だからです。プロが塗ったら10年の耐久性がある塗料でも、素人が塗ると剥がれや塗りムラが発生して数年で再塗装ということも。
また危険を伴う作業でもあるため、 軽微な修理以外は専門の業者にお任せすることをおすすめします。