キッチンやトイレ、玄関の床をタイルに貼り替えたいと考えている方はいませんか?色や柄が豊富で組み合わせ次第ではオリジナリティを出せるタイルは、おしゃれな部屋にピッタリの建材です。部屋別のタイルの選び方やリフォームする際の費用相場などをご紹介していきますので、部屋に合ったタイルを上手に選んでタイル貼り替えリフォームを成功させましょう。
床をタイルに張替えたい!部屋別タイルの選び方とは?
部屋に合ったタイルを選ぶには、まずタイルの種類や特徴をよく理解しなければいけません。タイルの持つメリットを最大限に生かせる場所で、デメリットを解消する工夫を上手に取り入れましょう。
まずはタイルの種類を知ろう!
タイルの種類は大きく分けて5種類あります。それぞれに原料や製造過程が異なり、特徴もさまざま。床リフォームをしたい部分にはどんなタイルがピッタリなのか予想してみましょう。
タイルの種類 | 特徴 |
陶器タイル | 陶土や石灰などを1000度~1200度で焼いたタイル。 細かい穴がたくさん開いている多孔質が特徴。 水廻りに使用するには釉薬を用いた耐水性の高いものがおすすめ。 |
せっ器タイル | 粘土や長石を1200度前後で焼いたタイル。 劣化や耐候性に強く、釉薬の有無で印象を変えられる。 |
磁器タイル | 石英や長石を原料として1200度以上で焼き上げたタイル。 緻密で硬いうえ、吸水性がほとんどないので水廻りにおすすめ。 |
石材タイル | 大理石や御影石などの天然石を四角くカットして貼り合わせる。 重厚感や高級感が出る一方で冬場は冷たくなるため保温対策が必要。 |
フロアタイル | 塩化ビニル素材の床材で、タイルのように一枚づつ床に貼っていく。 部分補修しやすく色や柄のバリエーションが豊富。 ただし目地部分から剥がれてしまう、水が染み込む場合がある。 |
一般的に「タイル」と呼ばれるものは陶器タイル・せっ器タイル・磁器タイルの3種類になります。粘土や長石などを原料にして成型後、釉薬などを表面に塗って1200度ほどの高温で焼き上げます。釉薬を塗らないタイルは「素焼タイル」と呼ばれ、テラコッタタイルなどが代表的。
石材タイルは大理石のような天然の石をタイルのように四角にカットして貼り合わせて施工していきます。世界に二つとない天然石が持つ模様を楽しめ高級感が出せると、玄関などでよく使用されています。
最後のフロアタイルは塩化ビニル樹脂で作った人工の床材。本物そっくりのフローリング柄や石柄が人気で、比較的価格が安いのが魅力です。部分的に補修が可能ですが貼り合わせた目地部分から水が染み込むことがあるため、目地に防水加工を施すことをおすすめします。
床タイルにおすすめのタイルの特徴とは
では床タイルにおすすめなタイルの特徴とはどんな点でしょうか。タイルのメリットやデメリットを解消する方法について見ていきましょう。
タイルのメリット
タイルのメリットは何といってもデザイン性や意匠性の高さです。光沢のある素材感はインテリアに高級感を与え、テラコッタ調のような素焼のタイルは天然素材の温かみを感じさせてくれます。
またタイルは種類や色、形が多種多様で滑りにくい加工や表面のひんやり感を軽減させてくれる機能面でも充実。そのため使用する部屋に合ったタイルを選ぶことができます。
そしてタイルは色褪せや変色がほとんどなく耐久性が高いのもメリット。表面がツルツルした施釉タイプのタイルは汚れを弾いたり水が染み込むのを防いでくれます。また炎や熱にも強い特徴を持つことから、耐火建材としてキッチン壁にも使用可能になっています。
タイルのデメリット
一方のデメリットではタイルならではの素材感ゆえ、冬場の足元が冷える傾向にあります。夏場は素足で歩くとひんやりとして気持ちがいいのですが、冬場の寒い朝などはとてもスリッパなしでは歩けないほど冷たくなります。
そこで床暖房とセットで施工したり、ストーブの位置を変えながらなるべく足元が暖かくなる対策が必要となります。
またタイルは硬い性質から長時間立ちっぱなしでいると足の裏やひざに負担がかかることがあります。特に毎日使うキッチンなどでは、家事作業に支障をきたすことも。もしタイルを採用する目的が見た目重視なら、踏み心地が柔らかくタイル風のプリントも豊富なクッションフロアをおすすめします。
タイルのデメリットの最後は、材料代が他の床材に比べて高額なためリフォーム費用がかさむことが挙げられます。とはいえ耐久性が高くお手入れがしやすいタイルは、長い目で見るとランニングコストがほとんどかかりません。もしタイルか他の床材かで悩まれている方は、初期費用とランニングコストをトータルで考えてみてはいかがでしょうか。
部屋別床タイルの選び方を解説
様々なメリットを持つタイルですが、施工する場所によってどんなタイルを選ぶと良いのでしょうか?こちらではタイルを床によく使用する玄関・キッチン・お風呂・トイレの4か所にふさわしいタイルの選び方についてご紹介していきます。
玄関には水に濡れても滑りにくいタイル
玄関には雨の日に濡れた靴でも滑りにくく汚れが付きにくいタイルがおすすめ。特に小さな子供や高齢者がいるご家庭では、表面がザラザラとした滑りにくいタイルを採用しましょう。こちらは玄関におすすめのタイルの種類と特徴です。
タイルの種類 | 特徴 |
ファインスレート | 表面にデコボコが付いていて滑りにくい加工がされている。 見た目は砂岩調でどんな玄関にも合わせやすい。 |
テラスタイル | 住宅のテラス部分に用いられるタイル。 滑りにくく汚れが付きにくい加工が特徴。 |
メタリックタイル | メタリック(金属)調の質感を持つタイル。 独特な雰囲気を作り出せるので個性を出したい方におすすめ。 |
家の顔でもある玄関は訪問客の目に触れるため、高級感や拡張の高さを演出してくれる大理石などもおすすめです。玄関で主に使用されるこれらのタイルは掃除がしやすく汚れも付きにくいメリットがあります。
キッチン床には掃除がしやすいタイルがおすすめ
油はねや水弾きが心配なキッチンの床には、汚れが落としやすく掃除がしやすいタイプがおすすめです。タイルは元々油や洗剤などの薬品にも強いのが特徴。油が跳ねてもシミになりにくく、薬品が付着しても色落ちや劣化しにくい床材です。
さらに防汚機能が付いたタイルなら、普段の掃除でお手入れOK。フローリングのように定期的にワックスなどを塗る必要がなく、キレイな状態を長く保てるタイルはキッチン床にピッタリです。さらにタイルは硬い素材のため、包丁や鍋を落としても傷が付きにくいメリットもあります。
お風呂床は壁とのカラーを考えて
お風呂の床にタイルを貼り替える際には、お風呂の壁と色を合わせてみましょう。浴室の壁や床のタイルのカラーは一色のグラデーションか同系色にするとまとまりが出ます。壁と床の色を変える際には、床タイルの色をワントーン暗くすると空間に統一感が生まれます。
また素足で歩くお風呂の床には冬でもひんやりしない「サーモタイル」がおすすめ。心地よい踏み心地で水が濡れても滑りにくく、冷たく感じないので洗面所やトイレなどにもよく採用されています。
トイレには抗菌機能のタイルを使おう
トイレの床には菌が繁殖しにくい抗菌機能があるタイルを使いましょう。銀イオンやセラミックで表面を加工したタイルで、表面に付着した菌の繁殖を防いでくれます。建築建材メーカー各社が独自の抗菌技術により様々な商品を販売しているので、様々なカラーバリエーションからも選べます。
トイレの床には磁器タイルやせっ器タイル、フロアタイルなどを採用すると良いでしょう。特に磁器タイルなどは表面がツルツルしているため耐水性や防汚性が高いのがメリット。タイルの冷たい感触が苦手な方は、クッションフロアかフロアタイルがおすすめです。
床タイルを張り替える際のリフォーム費用とは
タイル床の貼り替えリフォームの相場は施工する広さや使用するタイルによって費用が大きく異なります。こちらは部屋別にかかる貼り替え費用の相場です。
工事内容 | 費用相場 |
玄関床のタイル貼り替え | 10万~20万円 |
キッチン床のタイル貼り替え | 50万~200万円 |
お風呂床のタイル貼り替え | 6万~12万円 |
トイレ床のタイル貼り替え | 5万~10万円 |
比較的狭いトイレ床では5万~10万円、お風呂床は6万~12万円が相場。玄関床は使用する範囲が広かったり、単価の高いタイルを使用すると10万~20万円前後かかります。キッチン床は施工する範囲が広く、ダイニングと続き間の場合は床の取り合いなどを考える必要があるため、50万円以上かかる場合があります。
床タイル貼り替えリフォームをする際の注意点
床タイルを貼り替えるリフォームの際には、これからご紹介するポイントに注意しましょう。
床下の点検や補修工事も同時に行う
既存の床材を撤去してタイルを貼り替える場合、床の下地や土台部分に劣化が見つかることがあります。湿気による腐食やシロアリによる傷みなどで、これを放っておくと家の土台や構造に悪影響を与えることも。
もしリフォーム費用の予算に余裕があるなら、床材を剥がしたタイミングで床下の点検や補修工事を行ってみてはいかがでしょうか。タイルに貼り替えるついでに床下の補修工事ができれば数万~10万円程度で収まります。しかし床下の補修工事のみを単独で行うとなると20万~50万円前後かかることも。
費用の面でも十分節約になりますので、床下を点検する良いチャンスだと考えて床下の補修工事も同時に行うことをおすすめします。
DIYでの貼り替えはすすめしない
床をタイルに貼り替えるリフォームは業者に依頼した場合、費用は決して安くありません。とはいえDIYで床タイルを貼ることはあまりおすすめできません。
タイルを床に貼る工事では、しっかりとした下地作りや均一な隙間でタイルを貼っていく技術が必要になるため。特に下地作りは仕上げのキレイさを左右する重要なポイントになります。素人では下地を均一に仕上げて曲がらないようにタイルを貼ることが難しいでしょう。
またタイルと他の床材との高さを合わせたり、境目を自然に仕上げるのにも熟練の技術がいります。もし床材を剥がして下地が劣化していた場合は、適切な補修作業を行わなければならないため、住宅やリフォームに関する専門知識がないと工事がストップしてしまう可能性も。
結局プロに頼むことになると余分な時間だけでなく余分な費用も掛かってしまうので、よほどDIYに慣れている方や腕に自信がある方以外はタイルを貼り替えるリフォームをDIYですることは避けましょう。
掃除の手間を考えるなら大判サイズがおすすめ
掃除の頻度や手間を省きたいなら、なるべく大きめのタイルを選びましょう。タイル自体は汚れが付きにくくツルツルしているので掃除もしやすいのですが、タイルとタイルの隙間にある「目地」が汚れやすいのがデメリットになります。
特に目地の汚れは染み込みやすく落としづらいので、汚れが付着したら使い古しの歯ブラシに洗剤を付けて軽くこすり落としましょう。とはいえ毎日目地の掃除をするのも難しいので、目地がなるべく少ない大判タイルで施工するのがおすすめ。目地の部分が少なくなることで目地の汚れが目立ちにくくメンテナンスしやすいのが利点です。
床タイルの貼り替えリフォームは実績のある業者に依頼しよう
キッチンや台所の床を彩り存在感を発揮するには、デザイン性が高くて種類が豊富なタイルがおすすめ。使用する部屋に合った滑りにくい加工や汚れが付きにくい機能のタイルがありますので、用途や部屋の役割に応じたタイルを選ぶようにしましょう。
タイルを床に貼る場合は下地の処理が必要だったり、床下に傷みや腐食が見つかった場合は適切に補修をしなければなりません。そのため慣れた方以外はDIYで貼り替えせず、必ず知識のある専門業者に依頼しましょう。