ウッドデッキは屋外に設置するものでありながら、リビングルームのように使えるとリフォーム人気が高まっています。今回はウッドデッキの素材の選び方や費用相場、リフォームする際の注意点などをご紹介。ウッドデッキのリフォームをお考えの方はぜひ参考にしてください。
ウッドデッキリフォームをするには?素材の選び方やメンテナンス方法をご紹介

ウッドデッキとは木製のテラスのことで、建物の前に掃き出し窓などを出入口にして設置するエクステリア設備を指します。地面より高く、建物内の床と同程度に作られることが多いため子供の遊び場やBBQの場所、洗濯物干しやガーデニングなど様々なスペースとして便利に使われます。
ウッドデッキの素材は天然木と人工木の二種類
ウッドデッキの素材は天然の木材と人工木の二種類があります。それぞれに特徴や風合い、費用などが異なります。ウッドデッキの素材を選ぶ際の決め手にしましょう。
天然木の種類と特徴
天然木を使ったウッドデッキのメリットは何といっても自然の風合いや手触りを感じられること。また年月が経つごとに味わいが出てくるのも天然木の魅力の一つといえます。価格については木の種類に応じて大きく異なりますので注意が必要です。
実は天然木には、針葉樹を用いたソフトウッドと広葉樹のハードウッドの二種類があります。それぞれ異なる特徴を持っているため、メジャーな木の種類と共にご紹介していきます。
素材の種類 | 木の種類 | 特徴 |
ソフトウッド | レッドウッド レッドシダー サーモウッド アコヤ スギ ヒノキ SFP・合板 | 柔らかいため加工しやすい 優しい木の風合いが特徴 腐りやすいため防腐加工等が必要 節が多く比較的安価 |
ハードウッド | ウリン イペ クマル マニルカラ セランガンバツ アマゾンジャラ | 赤道直下で育つ木材から作られる 硬くて重い広葉樹が使われる 節がなく反りや狂いが少ない 無塗装でも20年以上腐らない 高級感があるが価格は高め 木の中に油分を多く含むためつやがある 加工に手間がかかるため施工費が高い |
このようにソフトウッドは価格が安く加工がしやすい一方で、腐りやすくシロアリなどが発生しやすいため耐用年数が短い傾向があります。
ハードウッドはそれとは逆に硬くて重い材質で反りや狂いがないほか、腐りにくいというメリットが。しかし表面が硬いため施工に手間がかかったり、森林保護により伐採が制限されているという問題があるため価格が高いのがデメリットです。
それぞれに相反する特徴を持っているため設置する場所や予算、ウッドデッキの材質に求めるものに応じて選んでみてはいかがでしょうか。
人工木の種類と特徴
人工木というのは樹脂と木粉を混ぜ合わせ、熱や圧力をかけて成型する建材のことを指します。見た目はまるで本物の木材のように見えますが、樹脂を混ぜ合わせているため白アリ被害や腐食がほとんどないのが特徴。
人工木のメリット・デメリットはこちらです。
メリット | デメリット |
・経年劣化しにくく耐久性が高い ・腐りにくくメンテナンスがほぼいらない ・日差しによる変色が少ない ・白アリによる被害がない ・生産量が安定しており品質が均一 ・カラー展開が豊富でオプションが多彩 | ・価格が高めで施工費がかかる ・天然木に比べると安っぽく見える ・熱を吸収しやすく夏場は暑くなる ・施工方法が複雑で手間がかかる ・DIYで塗装はできない |
人工木はメンテナンスがほぼ必要なく、オプションやカラー展開なのが一番の特徴です。そのためメンテナンスに時間やお金を掛けたくない方に特におすすめ。ただあくまで人口の木のため、本来の風合いや自然の温かみは天然木に劣ります。
ウッドデッキのメンテナンス方法とタイミングを解説
上でも少し解説してきましたがウッドデッキは材質や劣化状況に応じたメンテナンスが必要となります。特にソフトウッドを使っている場合は、こまめな塗装や防腐処理などのメンテナンスを行いましょう。
ウッドデッキのメンテナンス法
天然木は特に定期的なメンテナンスが必要となります。防水や防腐のために塗装を施している場合は、1~3年に一度の塗り直しをしなければなりません。また表面の色褪せや剥がれの場合も塗装で対応可能です。ただし木材そのものの劣化が始まっている場合は部材の交換が必要となります。
天然木の中でもソフトウッドは価格が安いことから初期費用はそれほど掛かりませんが、メンテナンスの手間や費用を考えるとトータルのコストは同程度となる場合があります。とはいえ定期的に適切なメンテナンスを行うことで、寿命を延ばすことができます。
人工木の場合は汚れが付いた状態を放置しておくと、その部分からカビが生えてくることがあります。デッキブラシを使った水洗いなどで汚れなどを定期的に落としましょう。もしカビが生えた場合はサンドペーパーで研磨してこすり落としてください。
メンテナンスの時期やタイミングについて
ウッドデッキのメンテナンスは次のような症状が現れた際に行いましょう。
- 色褪せ
- 汚れ
- 表面の剥がれ
これらの劣化は時間が経つにつれて複合的に表れてきます。劣化はウッドデッキの材質や設置場所によって時期やスピードが異なります。半年に一度など定期的にチェックして、上記の症状が現れたら塗装などのメンテナンスをおすすめします。
またウッドデッキの材質によってメンテナンスの周期や耐用年数が異なります。
材質 | メンテナンス周期 | 耐用年数 |
ソフトウッド | こまめに水洗い 防水処理(五年に一回) 再塗装(年一回) | 10~15年 |
ハードウッド | 再塗装(1年~5年に一回) | 20~30年 |
人工木 | 汚れたら水洗いする | 20~30年 |
交換のサイン
ウッドデッキの耐用年数が来る前でも、これからご紹介する症状が見られたら交換のタイミングです。
- 腐った部分から釘の頭が飛び出している
- ウッドデッキ全体が揺れる
- 床がたわんでいる
- 節が抜けたり穴が開いている
- 一部が腐っている
天然木のウッドデッキは一部分が腐り始めると、 他の部分も目に見えて劣化し始めます。床が抜けたり手すりが落下する危険もあるため、なるべく早めに交換を検討してください。
ウッドデッキの便利なオプションをご紹介
ウッドデッキには取り付けると便利になったり安全性が増すオプションがたくさんあります。ウッドデッキをリフォームする際に一緒に設置してみてはいかがでしょうか。
オプション | 詳細 |
ステップ | 庭とウッドデッキをつなぐアイテムで使い勝手が広がる。 |
フェンス | 子供の転落防止やプライバシー保護に有効。 |
屋根 | 雨の日の洗濯物干しや日よけに便利でプライバシー空間を確保できる。 ウッドデッキの温度上昇や劣化を防ぐ。 |
点検口 | ウッドデッキ下に雨水枡がある場合に開閉できる。 |
床下囲い | ウッドデッキの床下に猫などが入り込むのを防ぐ。 |
ウッドデッキのリフォームはDIYでできる?
ネット通販やホームセンターなどではDIY用の組み立てキットが販売されているので、素人でも簡単にできるのでは?と考える方もいるのではないでしょうか?
確かにプロで使うような道具を準備して、説明されている手順通りに組み立てていけば初心者でも形にはなるかもしれません。ただし土台を水平にしたり、まっすぐ柱を立てていかないと本体のバランスが悪くなってしまいます。ウッドデッキ本体に隙間やガタ付きがでる可能性が高く、子供やペットが遊ぶ場所としては決して安全とはいえません。
またDIY初心者がウッドデッキを作れるような道具を揃えると、大変な費用がかかることも。そのためDIYを何度もしている慣れた人や道具を使いこなせる人以外には、ウッドデッキのDIYはおすすめできません。
ウッドデッキをリフォームする場合の費用相場とは

ウッドデッキリフォームをプロに依頼した場合、どの位の費用がかかるのでしょうか?こちらではウッドデッキのメンテナンスや新設、交換にかかる費用の相場を見ていきます。
塗装メンテナンスにかかる費用
塗装メンテナンスにかかる費用はウッドデッキの面積や、補修をする場所に応じて変わります。通常ソフトウッドは1年~3年に一度の塗装が必要となります。劣化が一部分のみの場合は部分塗装、全体的に劣化が及んでいる場合は全面塗装というように劣化の広がりに応じた補修を行うと費用を節約できます。
工事内容 | 費用相場 |
塗装工事 | 5万~10万円 |
塗装によるメンテナンス工事にかかる費用は一部分なら5万円前後、全体に及ぶ場合は10万円ほどかかります。
部分補修やオプション取付にかかる費用
ウッドデッキ本体が破損した場合は部分補修が必要となります。また手すりや屋根などのオプション設置の費用も参考にしてください。
工事内容 | 費用相場 |
部分補修 | 2万~7万円 |
屋根設置 | 10万~15万円 |
手すり設置(1m当たり) | 4万~5万円 |
階段設置(1段当たり) | 2.5万~3万円 |
部分補修の費用は2万~7万円が相場。手すりを設置する場合は使用する材質によって異なりますが1m当たりで4万~5万円ほど、階段は一段当たり2.5万~3万円になります。屋根も一緒に設置するには材料代がかかるため10万~15万円前後が費用としてかかります。
ウッドデッキ交換の費用
既存のウッドデッキが耐用年数になり交換する際の費用相場は、次のような内訳になります。
本体価格+施工費用+撤去費用+諸経費
工事内容 | 費用相場 |
ウッドデッキ交換 | 15万~45万円 |
ウッドデッキの交換・設置の費用は15万~15万円前後です。安価なソフトウッドと高価なハードウッドでは全体で30万円ほどの開きがあることになります。
ウッドデッキ新規設置にかかる費用
ウッドデッキを新しく設置したいという場合は本体価格と施工費用が主な内訳になります。安いソフトウッドで10万円前後で購入できる場合がありますが、人工木のウッドデッキは20万~70万円ほどと高額になります。
ウッドデッキの施工費は1㎡当たり3万円前後かかります。もちろん屋根や手すりといったオプションを追加すればそれだけ費用が上がります。材質やデザインにこだわったウッドデッキでは、リフォーム費用の総額が100万円を超えることもあります。
工事内容 | 費用相場(㎡当たり) |
ウッドデッキ新設(天然木) | 5万~8万円 |
ウッドデッキ新設(人工木) | 8万~10万 |
天然木のソフトウッドを使用した場合、ウッドデッキ新設にかかる費用は㎡当たり5万から8万円が相場です。人工木では8万~10万円前後と少し高めになります。
ウッドデッキリフォームに関する5つのポイントとは?

ウッドデッキリフォームをする際には、いくつかのポイントを押さえて素材やオプションを選びましょう。
メンテナンスのしやすさで素材を選ぶ
ウッドデッキはメンテナンスのしやすさや手間のかからなさで選ぶことをおすすめします。ウッドデッキは外に設置していることから太陽や外気、風雨によって劣化しやすくなっているため。ウッドデッキは一度設置したらOKという訳ではなく、適切なメンテナンスで寿命を延ばしてあげることが重要となります。
一番メンテナンスが必要なのがソフトウッド(天然木)のウッドデッキ。防腐や防水のために数年に一度の塗装が必要なほか、水洗いや劣化のチェックをしなければなりません。
一方の樹脂デッキは塗料が樹脂に練りこまれていることから、表面が剥げるということがありません。塗装というメンテナンスが必要なく、たまに水洗いで汚れを落とす程度となります。
ウッドデッキのメンテナンスに手間や時間を掛けられない、コストを掛けたくないという方はメンテナンスいらずの素材を選ぶことをおすすめします。
使い方に応じてオプションを検討
オプションは、ウッドデッキで何をしたいか?という基準で選びましょう。ウッドデッキ商品の多くは、便利で快適になるオプションが多数展開されています。予算に糸目をつけないという方以外は、ウッドデッキをどう使いたいかによってオプションを選ぶと余計な費用を抑えられます。
家族でBBQをしたい方は屋根やテーブルセットがあると便利ですし、のんびりした時間を過ごしたい方は寝転がれるベンチなどがおすすめ。漫然とオプションを選ぶのではなく、目的を考えたオプション選びをすると良いでしょう。
ウッドデッキに屋根を付ける場合はサイズや材質が重要
ウッドデッキに屋根を設置する際は、そのサイズや材質選びが重要になります。屋外のウッドデッキでは日差しや紫外線を避ける目的で屋根を付ける方も多いのではないでしょうか。
ウッドデッキに屋根がなく雨風に当たりっぱなしだと天然木はメンテナンスが必要となり、人工木でも熱を吸収して表面が暑くなってしまいます。
いずれの場合も屋根があった方が便利に使えることは間違いありませんが、ウッドデッキ本体と同素材の屋根を付けると見た目に圧迫感が出て、接している部屋に日の光が入らないなどのデメリットがあります。
もしたまにウッドデッキを使用する程度なら、布製のオーニングやサンシェードがおすすめ。付け外しが容易で適度に日光や風を通してくれるため、部屋が暗くなることもありません。
尚、ウッドデッキの屋根は後付けすることもできますので、サンシェードなどを試してみて、どうしてもしっかりした屋根が欲しい時に設置してみてはいかがでしょうか。
駐車場の上に付ければスペースの有効活用になる
ウッドデッキを後付けできるような広い庭がないという方には、駐車場スペースの上にウッドデッキを設置するアイデアがおすすめ。車を風雨から守れますし、ウッドデッキスペースも増設可能になります。この場合は2階に新しく出入りするための場所が必要となりますが、1階から直接行けるはしごや階段を設置することもできます。
設置費用は車一台分のサイズで100万~200万円前後、平均すると150万円ほどになります。確かに高額ではありますが、カーポートとウッドデッキを別で取り付けることを考えれば決して割高という訳ではありません。
ただし小さい子供やペットを遊ばせる際には、転落防止のフェンスや手すりを高めに設置することも忘れずに。
安全性や目隠しを考えて手すりを設置
ウッドデッキにはなるべく安全性に配慮した目隠しにもなる手すりを設置するようにしましょう。とくに子供やペットは段差が小さくても、転落してけがをする恐れがあります。
とはいえ高すぎる手すりではせっかくの解放感が損なわれる恐れも。家族の身長を考えながら圧迫感を感じさせないデザインの手すりを選ぶようにしましょう。
また手すりは道路からや隣の家からの視線を遮ってくれる目隠しの役割もあります。「ウッドデッキを設置したいけど、周りからの視線が気になる」という方におすすめ。手すりも屋根と同様、後付け可能ですので周りからの視線がどの程度なのか確認してから取り付けを考えても良いでしょう。
メンテナンス性や使いやすさを考えてウッドデッキをリフォームしよう
第二のリビングとして人気のウッドデッキには材質によって様々な特徴やメンテナンス時期があります。またメンテナンス方法も手軽にできる水洗いから、全面的な交換までさまざま。
また後付けできる屋根や手すりなどのオプションも、ウッドデッキを使いやすくするリフォームにはおすすめ。メンテナンスのしやすさや費用に応じたウッドデッキを選んでリフォームしてみてはいかがでしょうか。