日々増えていく様々な物をしまうには、階段下収納を作ってみてはいかがですか?扉を設置すれば見た目がすっきりしますし、DIYで収納力を増やすことも可能。ただし設置する際の注意点や使用できる面積に制限がある場合がありますので、これからご紹介するポイントに気を付けてリフォームしましょう。
階段下収納を新しく作るには?階段下収納のリフォーム法
2階建て以上の住宅にお住いの方は、階段下スペースを利用した収納を作ることができます。どんな階段に収納が作りやすいか?階段下収納のメリット・デメリットは?という疑問にお答えしていきます。
階段の形状によって作れる収納が異なる
実は階段の幅や勾配によって作れる収納の形や容量が異なります。こちらでは階段の形状に応じた収納リフォーム方法をご紹介していきます。
間口が狭く勾配が緩やかな階段
間口が狭くて勾配が緩やかな階段は、収納にできるデッドスペースが少ないということになります。少しでも家の収納を増やしたい方は、少しだけでも壁を取り払い、棚を設置するリフォーム工事がおすすめ。
扉を設置したり棚をいくつも作る大掛かりなリフォーム工事に比べると費用を抑えられるのが大きなメリットです。間口が狭いということで奥行きが比較的浅く、収納したものが取り出しやすいのも良い点になります。
間口が広く急こう配の階段
階段の間口が広く勾配が急な階段はデッドスペースが生まれやすいため、大きさのある階段収納を作れます。全面に扉を設置して、中のものが見えないようにすることも可能。
また奥行きがあるので、キャスター付きの棚などを設置すれば奥のものも簡単に取り出せます。ただし階段下には窓がないため、奥に行くにつれて暗くなってしまいます。そこで照明器具なども取り付けて、収納を使いやすくする工夫が必要となります。
階段下収納の特徴とは
では階段下収納にはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?階段下収納をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
階段下収納のメリット
階段下収納の一番のメリットは、デッドスペースである階段下を有効利用できるということ。そして階段の勾配や形状によっては、思いがけないほどの大容量収納に生まれ変わらせることが可能になります。
部屋の間取りによっては近い部屋に関する物を収納でき、作業動線が良くなります。階段近くにどんな部屋があるかで中にしまうものをこのように変えられます。
階段に近い部屋 | おすすめの収納 |
玄関 | アウトドア用品 ゴルフバッグなどのスポーツ用品 季節もののブーツやサンダル |
キッチン | 保存食 使用頻度が低い調理器具 缶詰などの防災食 |
子供部屋 | 工作作品 教科書・通知表 卒業アルバム おもちゃ |
またお子様が小さいうちは階段下をおもちゃも収納出来る子供部屋として使い、成長するに合わせて収納として利用方法を変えるというアイデアもおすすめ。
階段下を上手に活用すれば、クローゼットや部屋の中には普段使う物のみを入れられますので、洋服選びやアイテム選びがスムーズに行えるのもメリットです。
階段下収納のデメリット
階段下収納のデメリットは、階段下という形状による使いにくさが挙げられます。階段の形状によっては間口を思うように取れない場合があります。大きなものを出し入れする際には入口が狭いと出し入れしにくくなるのもデメリット。
また収納の奥行が深すぎると奥に入れたものが取り出しにくかったり、取り出すのが面倒で結局しまい込んだままになってしまうことも。収納方法を考えないと使いにくい収納となる場合があります。
さらに階段下に筋交いなどの構造物が入っている場合は、思うように収納へリフォームできないことがあります。筋交いを撤去してしまうと家の構造強度を下げてしまう原因に。なるべく構造に影響しない部分の階段下をリフォームする必要があるため、リフォームの前には専門家に調査してもらってください。
階段下収納をリフォームする際の費用相場とは
では階段下収納を作る際の費用相場について解説していきます。工事の手順に沿って費用をご紹介していきますので、必要な工事内容のみを合算して合計金額を算出するようにしましょう。
壁解体にかかる費用
階段下収納を作るにはまず、階段下の壁を撤去することから始まります。壁を撤去するには家の構造や強度、法律に詳しいプロのリフォーム業者に依頼することが求められます。専門家に強度計算をしてもらい、家の強度に影響の出ない範囲で解体しましょう。
工事内容 | 費用相場 |
壁解体工事 | 3万~5万円 |
階段下収納リフォームに伴う壁解体工事にかかる費用は3万~5万円が相場です。
下地造作や内壁施工の費用
壁を解体した後の床や内壁を整えるための費用も必要となります。こちらはどの程度まで仕上げるかによって相場金額が変わります。床や壁を簡単な合板張りのみで済ます場合もありますが、部屋のように使いたい時には壁にクロスを貼ったり床をフローリング敷きにすることも可能。
普段使わない物をしまうための場所であれば最低限の工事でも構いませんが、将来部屋として使う可能性があるならクロスやフローリングで内装を整えておきましょう。
工事内容 | 費用相場 |
壁石こうボード+クロス貼り | 2万~3万円 |
壁合板ボード張り | 5千円~1万円 |
床フローリング張り | 2万~3万円 |
床合板ボード張り | 1万~2万円 |
階段下収納の壁を合板張りにする場合は5千円~1万円、床を合板張りにするには1万円~2万円ほどの費用となります。壁に石こうボードを張りつけクロスを施工するには2万~3万円前後かかります。さらにフローリングを床に張りたい場合も2万~3万円程度の費用がかかります。
扉を設置する費用
廊下からの見た目をスッキリさせ、ホコリなどが入らないようにするには収納に扉を設置するリフォームが有効。ただし扉の開閉方法によって廊下が歩きにくくなったり生活動線に支障が出ないことを確認する必要があります。
他にも入口部分にカーテンレールを設置してカーテンを取り付けるという方法もありますので、予算や使いやすさによって選ぶようにしましょう。
最近ではあえて扉やカーテンを設置せず、見せる収納として使うアイデアもあります。この方法は空間を広く見せるのに適していますが、しまう物の色やテイストを厳選しないと雑多な印象を与えてしまうことがあります。
工事内容 | 費用相場 |
扉設置工事 | 3万~5万円 |
カーテン設置工事 | 1万5千円~2万円 |
階段下収納に扉を設置する際の費用は3万~5万円が相場です。カーテンを付ける場合は、カーテンとレールあわせて1万円程度+開口枠工事で5千円前後かかります。
棚や照明を取り付ける費用
階段下収納の中に物をしまいやすいように棚を設置したり、中のものがよく見えるように照明器具を取り付ける工事もあります。棚は合板か化粧板かという材質によって価格が変動します。また入れる物によって高さが変えられる可動棚やキャスター付き移動棚なども便利なのでおすすめ。
照明器具の設置はできれば内装工事と同じタイミングで行いましょう。というのも照明器具を後付けしようとすると配線を壁に入れ込んで通す作業が非常に大変になるため。配線むき出しのままでも使えますが、見た目や安全面からもあまりおすすめできません。
工事内容 | 費用相場 |
棚設置工事 | 1万~3万円 |
照明器具設置工事 | 2万~3万円 |
階段下収納の棚設置工事にかかる費用は1万~3万円前後が相場です。照明器具設置工事は照明代プラス配線工事費で2万~3万円ほどになります。
階段下収納の総額では、ウォークインクローゼットのように扉付きで内装工事や照明器具が付いたもので10万~15万円ほどが相場となります。壁や床を合板仕上げにして照明なしの棚のみの収納であれば6万~10万円ほどでリフォーム可能です。
階段下収納をリフォームする場合の注意点
階段下収納をリフォームする際にはいくつかの注意点があります。安全に使いやすい階段下収納を作るためにこれからご紹介する点に気を付けましょう。
階段や構造の強度に気を付ける
階段は一日に何度も家族が行ったり来たりする場所ですので、階段自体の強度を落とさないように工事をする必要があります。特に階段下の壁や内部にある筋交いは家の強度を保つのに重要な役割があります。これをむやみに撤去してしまうと階段の強度が低下するばかりか、家全体の構造に悪影響を及ぼす恐れも。
決して素人が知識のないままリフォームを行わず、必ず家の構造や強度に詳しいプロに依頼しましょう。特に階段下は内部の構造が見えない場所でもあります。図面や現状などを確認しながらの工事となりますので、慎重に進めなければなりません。
湿気対策やカビ対策が必要
階段下という場所は窓や換気口などがないため湿気が溜まりやすいという特徴があります。その湿気をそのままにしておくとカビが生えて人体に悪影響を及ぼしたり、中にしまったものが劣化する原因に。
特に部材として使用している木材や石こうボードなどは水分を吸収しやすい性質があります。収納として使うだけでから内部はむき出しでもいいと、何も対策を施さないとしまった洋服や靴にカビが生えたり変色してしまいます。
そのような換気の悪い階段下収納には水分を吸着する壁紙がおすすめ。王手の壁紙メーカー各社から販売されている機能性壁紙は、吸湿や放湿といった湿気を一定に保つ効果を持っています。湿気によって劣化しやすいものを収納する場合は、吸湿性のある壁紙を貼るなどの対策を施しましょう。
収納に使える面積は床面積の1/2まで
屋根裏収納や床下収納などの小屋裏収納が複数ある場合、建築基準法では作っても良い面積が定められています。小屋裏とは「小屋組み」によってできる三角の形状をした空間のことで天井裏や床下、階段下が当てはまります。
この小屋裏はそれぞれがある階ごとに面積を合算して、その階の床面積の1/2以下になることが決められています。これをオーバーしてしまうと新たな「階」としてみなされ、床面積が増えて固定資産税が増額される場合が。
このようなことが発生しないよう、階段下収納の他にもいくつか小屋裏収納があるお宅では面積についても気を付けてリフォームしましょう。
階段下収納をもっと便利に使うには?DIYアイデア3選
階段下収納をより便利に使うために、DIYでもできる利用方法をご紹介していきます。ホームセンターなどで気軽に購入できるざいりょうがほとんどなので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
高さを変えられる可動式の棚を設置
階段下収納の内部には、可動式の棚を設置して収納力アップを目指しましょう!可動式の棚なんて作るのが難しそうと思われる方もいるかもしれませんが、ホームセンターにある材料や道具で簡単に可動棚を作ることができます。
「ロイヤルチャンネルサポート」と呼ばれる棚柱を収納内部の壁にネジで固定します。後は専用棚受け金具(ブラケット)を好きな高さに設置して、棚板を乗せれば完成。
ただしロイヤルチャンネルサポートを取り付ける壁には下地が入っていることを確認してください。電動工具なども一緒にホームセンターで購入すれば、もっと簡単に壁に設置できるのでおすすめです。
階段下の形ピッタリのキャスター付き棚
階段下の形に合うように棚を制作し、下部にキャスターを取り付ければ奥行きのある階段下でも探しやすく取り出しやすい収納になります。棚の手前側には引っ張り出すのに便利な取手を付けると、さらに便利に使えます。
狭い場所にもたっぷり収納でき、階段下のスペースを最大限に活用できるのでぜひお試しください。
間接照明やカーテンで隠れ家風に
階段下の照明を間接照明にしたり、入り口部分にカーテンを取り付けるだけでも雰囲気のある小部屋になります。階段下に高さがある場合は、天井から吊り下げられるペンダントライトや白熱灯に変えるのもおすすめ。
逆に高さがない狭い場所では間接照明で広がりのある空間に見せることができます。併せておしゃれなカーテンを入り口付近に取り付ければ、ちょっとした勉強スペースや趣味の部屋としても便利に使えそうです。
階段の形状に応じて使いやすい収納にリフォームしよう
階段下収納を成功させるには、自宅の階段の形状や内部の構造を確認することが大切。さらに可動棚やキャスター付きのラック、照明器具や扉などを設置するとより使いやすい階段下収納にリフォームできます。
湿気対策をキチンとしながら、奥行きのある階段下でも便利な収納に生まれ変わらせましょう。DIYでも可能な収納術を参考にしながら、なるべく費用を掛けずに階段下をリフォームしてみてはいかがですか。