キッチンにある様々な食品やキッチン家電を収納するのに便利なパントリー。パントリーを新たに造るリフォームは、今主婦の間で最も人気のあるキッチンリフォームの一つです。今回はパントリーを設置する際の注意点や、使いやすくするための秘訣などを詳しくご紹介していきます。
パントリーとは?種類や設置場所などを解説!
パントリーってどんなものを収納するの?と疑問の方も多いのではないでしょうか。パントリーの種類や収納に適したものが分かることで、パントリーリフォームがより具体的にイメージできるようになります。
そもそもパントリーって何?
そもそもパントリーとは中世のヨーロッパのお城などでパンを貯蔵するための場所として誕生しました。現代でもキッチンの近くに設置して、食品や調味料などを収納するスペースとして重宝されています。
日本語では「食品庫」と訳されますが、今や食品や家電を収納するだけでなくカウンターや机を設置して作業台とするなど、パントリーの新しい役割や使い方が広まりつつあります。
パントリーには二種類ある
パントリーには設置方法やスペースの広さによって二種類に分けられます。どちらの種類がご自宅に適しているか、考えながら選んでみてください。
パントリーの種類 | 詳細 |
壁面設置タイプ | 既存のマンションや一戸建てにリフォームしやすい。 比較的省スペースで費用が抑えられる。 |
ウォークインタイプ | 新築戸建てにおすすめのパントリー。 キッチンをスッキリ見せたい方におすすめ。 |
キッチンの奥などの壁沿いに棚を配置した壁面収納タイプのパントリーは、比較的狭いスペースにも設置が可能です。そのためマンションや一戸建てのキッチンリフォームをする際によく取り付けられるタイプです。
一方のウォークインタイプとは、人が歩いて中に入れるほどの広さがあるパントリーのこと。新築の戸建て住宅で人気のパントリーで、食品だけでなく食器棚や冷蔵庫なども収納出来るタイプもあります。キッチンにとにかく物を置きたくない、キッチンをスッキリ見せたいという方におすすめのパントリーです。
パントリーに収納できるモノとは?
パントリーに収納出来るのはどんな種類のモノなのでしょうか?パントリーには基本的に「常温保存できるか」を判断基準にすると良いでしょう。例えば次のようなモノの収納にパントリーは向いています。
- 根菜類
- お米
- 缶詰
- レトルト食品
- インスタント食品
- 飲料やお酒
- 使用頻度の低いキッチン家電
- 防災グッズ
- 保存食
- 調味料
根菜類や食品のストックなどは常温で保存が可能なのでパントリー収納に向いています。調味料は未開封であれば保存できますが、一度開封してしまうと常温では劣化してしまいますので冷蔵庫などで適切に保存しましょう。
また賞味期限が短いものはパントリーに収納してしまうとその存在自体を忘れる原因に。食品ロスをなくすためにも賞味期限の短いものはなるべく別で保管することをおすすめします。
パントリー設置におすすめの場所
パントリーを設置するにはおすすめの場所があります。家事動線や玄関からの動線を考えながらこのような場所に作ることをおすすめします。
- キッチンの隣
- キッチンの奥側
- 玄関とキッチンの間
特に重い水や食品を運ぶには、玄関から近い場所にパントリーがあると運びやすくなります。キッチン側からもアクセスできれば、使い勝手がさらにアップするでしょう。
またお米などを宅配で注文した時には玄関に近い場所にパントリーがあると、宅配業者が配達した時に荷物をそのままパントリー内まで持ってきてくれることもあります。わざわざ玄関先から家の中に運び入れる手間も省けるので、おすすめです。
使いやすいパントリーにリフォームするための6つのコツ
より使いやすいパントリーにするには、棚やドアを工夫することが求められます。こちらでは取り入れたい6つのコツをご紹介していきます。
棚を可動式にすると収納する物を仕分けられる
パントリー内部の棚を可動式にして高さを自由に変えられるようにすると、収納する物ごとに仕分けられたり、デッドスペースができないなどのメリットがあります。こまごまとした調味料や食品は棚を低めに設定して、キッチン家電や大きな鍋などはその物に合った高さに変えることも可能に。
パントリーを有効に使うには、床から天井までを収納スペースにするのがおすすめ。そこで可動式の棚があれば、家族のライフスタイルによって変化する物の収納にも対応できます。
動線や日当たりを考えて場所を決める
家事動線や日当たりを考えてパントリーの設置場所を決めるのも重要です。先ほどパントリーには二種類あるとご説明しましたが、家の間取りやキッチンの位置によって使いやすいパントリーが異なります。場合によっては移動の際の動線の邪魔になることも考えられるため、パントリーの設置場所は十分に考慮しなければなりません。
またスペースを広く取りたいばかりにキッチンから遠い場所に設置してしまうと、足りない食材を取りに行くのが面倒になることも。
さらにパントリーは食品を保存する場所という性質上、温度や湿度の管理も大切になります。基本的には日があたる南や西側は避けて設置するようにしましょう。南側は一日中日が当たりますし、西側は西日によって室内の温度が上昇してしまいます。
最もパントリーに適した場所は日が当たりにくい北側ですが、あくまでも使い勝手や家事動線の良さを最優先にして、日当たりに配慮した場所に設置するようにしましょう。
棚の奥行は深すぎると取り出しにくい
パントリーの棚の奥行は深すぎると奥に置いたものが取り出しにくくなるデメリットがあります。奥行きがある棚はたくさんのものが置けると思いがちですが、逆にどんどん物を置いてしまい、奥に何を置いたか分からなくなったり、取り出すのが面倒で賞味期限が切れてしまう恐れも。
もしパントリーに棚を設置するなら、奥行きは30~45㎝までにすることをおすすめします。適度な奥行で大きなものを収納できますし、動線の邪魔にもならないので近くを通っても体にぶつかる心配がありません。
換気のことを考えて対策をする
パントリーには通常窓は設置しません。そこで換気や湿気のことも考えたドアを設置したり対策が必要になります。食品を保存している場所であるため、湿気によるカビの発生は衛生面でも問題があります。そこで次のようなことに心がけましょう。
- 除湿器を設置する
- 換気扇を付ける
- 換気ができる窓やドアを付ける
上記のような対策をしてパントリー内の湿度が80%を上回らないように注意しましょう。
角のデッドスペースには回転式の棚を付ける
パントリーの角部分はデッドスペースになりがちです。そこでスペースに余裕がある場合は、回転式の棚を設置することをおすすめします。手で簡単に回せるような回転式の棚なら、奥に置いた食品も回転させて簡単に取り出せるでしょう。
奥行がある角だからこそ、工夫して大容量のパントリーにリフォームしてみませんか?
余裕があるならデスクやカウンターをプラス
パントリーのスペース的に余裕があるなら、カウンターや作業台を追加で取り付けてみましょう。洗濯物を畳んだりアイロンがけをする家事スペースとしてはもちろん、パソコンや読書スペースとしてもおすすめ。
調理時間の合間などに書き物や調べものも出来るので、作業効率もアップすること間違いなし!家事室にもなるパントリーがあれば、家事もきっとはかどることでしょう。
パントリーリフォームにかかる費用相場をご紹介!
では実際にパントリーをリフォームするにはどの位の費用がかかるのでしょうか?一般的にパントリーのスペースが広ければ広いほどリフォーム費用も高額になります。
パントリーのリフォームのみを行うと割高になりますので、キッチンのリフォームと一緒にするケースが多いようです。この場合はパントリーの設置場所を比較的自由に決められる、使い勝手が良くなるなどのメリットがあります。
工事内容 | 費用相場 |
壁面タイプのパントリー | 10万~15万円 |
ウォークインタイプのパントリー | 20万~50万円 |
パントリースペースの増築 | 100万~140万円 |
パントリーのリフォーム工事では壁面タイプを設置する場合は10万~15万円、それより広いウォークインタイプなら20万~50万円が相場となります。既存のキッチンにパントリーのスペースが取れない場合は、その部分だけを増築することになりますが100万~140万円と高額になるでしょう。
パントリーリフォームの注意点とは?
パントリーリフォームをする際にはいくつかのポイントに注意してプランニングしましょう。パントリーの使い勝手にも大きく関わりますので、ぜひ参考にしてください。
扉は開け閉めしやすい開き方を選ぶ
もしパントリーのドアを毎日開け閉めして換気ができるなら、ドア付きのパントリーを設置してはいかがでしょうか?ドアを閉めれば中が見えないようになるので、キッチンをよりスッキリ見せられます。
その際には前後にスペースが必要になる開き戸ではなく、壁に引き込む引き戸タイプのドアがおすすめ。両手に荷物を持っていても楽に扉を開けられ、開閉に場所を取りません。クローザー機能付きなら力を入れて閉めても最後はゆっくり閉じるので、小さい子供が指を挟むこともありません。
間口が狭い場合は引き出しで対応
パントリーに思うようなスペースが取れず内部の間口が狭くなった場合は、棚よりも引き出しを設置するとよりたくさんのモノを収納できます。重い物を中に入れても力を入れず引き出せ、奥のモノも簡単に取り出せるので便利。
ただし引き出しの中に食品をしまいっぱなしにしておくと湿気がこもる恐れがあります。食品の在庫チェックを兼ねて、時々引き出しを開けて換気をするようにしましょう。
湿気やカビ対策を忘れずに
パントリーに収納するのは主に食品類。窓などの開口がないパントリーでは湿気やカビが発生しないように注意をしましょう。窓を付けないパントリーには換気扇や除湿効果のある壁紙などを利用して、湿気がこもるのを防げます。
また出入りに楽でリフォーム費用を安く抑えられるメリットがあるのは、入口ドアを設置しないアイデア。これなら湿気や匂いも内部にこもらないので、安心して食品を保存できそうです。
キッチンまわりをスッキリするにはパントリーがおすすめ
食品だけでなく食器やキッチン家電をまとめて収納出来るパントリーは、主婦であれば欲しい設備です。もしスペースに余裕があるなら、作業机やカウンターを設置して家事スペースやパソコン机として使ってみては?家事効率がアップするだけでなく、より毎日の生活を充実させてくれるはず。
またパントリーは家事動線や既存の間取りを考えて配置することが大切。パントリーに設置する棚や引き出しは収納するモノの種類やサイズを考えて効率よく配置しましょう。自分なりに使いやすいパントリーへリフォームできれば、あなたの家での家事もきっと楽しくなることでしょう。