部屋別・収納方法や費用相場とは?収納力アップの5つのリフォーム法も教えます!

収納場所が少なくて家の中がいつも片付かない…とお悩みの方はいませんか?そんな方には収納を増やすリフォームがおすすめ。収納のポイントやリフォームの注意点もご紹介しますので、収納リフォームをする際の参考にしてください。

収納リフォームのポイントとリフォーム方法とは?

収納リフォームには、収納力を上げるためのコツや住宅の種類別のリフォーム方法があります。こちらではすっきりと物が片付いた家にするための大切なポイントを解説していきます。

失敗しない収納リフォーム5つのポイント

収納リフォームを成功させるにはこれからご紹介する5つのポイントに注意して計画しましょう。家事の効率がアップすること間違いなし!の収納術です。

毎日使うものはワンアクションで出し入れできるように

毎日必ず使うものは「ワンアクション」つまり一つの動作で出し入れできる場所に収納しましょう。例えば調理の時に使う包丁などは引き出しを開ける、扉を開けるだけですぐに取り出せることが重要。そしてワンアクションで取り出せるということは、ワンアクションで戻せるということにも繋がります。

この戻しやすいということが収納上手への近道。というのも物を出す時は必要に迫られていますが、戻すときはそうではありません。戻すのが少しでも面倒だと感じてしまうと「後で戻せばいいか」と戻す作業を先延ばしにしてしまうことも。

この積み重ねが部屋が散らかってしまう主な原因となりますので、戻す作業もワンアクションで楽にすることが大切。頻繁に使う物や毎日必ず使うものはワンアクションを心掛けて収納場所を決めましょう。

分散収納と集中収納を分ける

分散収納と集中収納を分けることも収納リフォームを計画する上で重要です。分散収納とはそれぞれの部屋で使うものをその部屋に収納するという方法です。例えばトイレで使うトイレットペーパーはトイレの中の棚に収納するなど。

収納場所が限られている分、収納する物を厳選することが大切になります。また収納扉などを開けた際に一目で見やすく、取り出しやすく収納するようにしましょう。物のサイズによって奥行きを決めたり、開口部を広めにすると収納しやすくなります。

一方の集中収納とは、大きな収納スペースに人が入って物を出し入れするような収納方法を指します。集中収納には次のような収納の種類があります。

  • ウォークインクローゼット
  • シューズクローク
  • 土間収納
  • 納戸
  • パントリー
  • 収納付きユーティリティ

集中収納は大量のストック品や季節物、たまにしか使わない物などを収納しておくのに便利で、内部の棚などをシンプルに造れば比較的安くリフォームが可能。ただし人が出入りする通路が必要となるため、他の居住スペースが圧迫される場合があります。

分散収納と集中収納はそれぞれにメリットやデメリットがあります。家族の行動パターンや住宅の間取り、予算などに応じてそれぞれの収納方法を使い分けることが、収納リフォームを成功させる秘訣です。

物によって収納の奥行や高さを決める

収納する物の重さやサイズ、使う頻度に応じて収納する場所の奥行や高さを決めることが収納リフォームをポイントになります。収納リフォームを検討しているのであれば、どの場所にどの位のサイズ・重さのものを収納するか?まで考えた方が良いでしょう。

奥行きのない物を収納するのであれば、薄い壁面収納やトレイを利用した扉収納がおすすめ。奥行きのあるキッチン家電などは、手前に皿を置くスペースを作るとより使いやすくなります。できれば将来的に使う予定の物まで想像して、それに合ったサイズの収納スペースを確保するようにしましょう。

さらに物には使う頻度や重さによって、収納に適した場所が違います。こちらは使用頻度や重さで見る適切な収納場所です。

物の重さや使用頻度収納に適した場所
軽い・ほとんど使わない棚の最上段
毎日使う目線から上
重い・時々使う目線より下
重い・ほとんど使わない最下段

このように使用頻度や重さに応じて収納する高さを決めると、より収納が使いやすくなるはず。このように物にはそれぞれ適した収納場所というものがあり、効率よく生活する上では物に応じた収納場所を決めることがポイントになります。

見せる収納と隠す収納のバランス

見せる収納と隠す収納のバランスを間違うと見た目がゴチャゴチャしたり、逆に殺風景な部屋になってしまいますのでご注意ください。

見せる収納とは文字通り、パッと見て見える場所に物をしまう収納方法です。一目でどこに何があるか分かり、取り出しやすいのが大きなメリット。一方でテイストや色を厳選しないとゴチャゴチャした印象になってしまいます。見せる収納をする時には、テーマカラーや材質などを決めてインテリア性の高いものだけを収納することをおすすめします。

隠す収納というのは扉や引き出しなどの中にしまうことでスッキリ見せられる収納方法のこと。見た目がうるさくならずに部屋の中の物をしまえるのがメリットですが、隠す収納ばかりにすると殺風景な部屋になってしまいます。またどこに何をしまったのか分からなくなることがあるため探すのに手間取ったり、しまうのが面倒になってその辺に置きっぱなし…ということも考えられます。

隠す収納を成功させるには物の置き場所を固定して、なるべくワンアクションで取り出せるように工夫しましょう。 また見せたくない物やインテリア性が低いものを隠す収納にすることで部屋がおしゃれな印象に。このようにアイテムによって見せる収納と隠す収納のを上手に組み合わせると、ワンランク上の収納上手になれるでしょう。

デッドスペースは収納力アップの強い味方

デッドスペースを有効活用することで、収納力アップにつなげられます。家の中を見渡すと思わぬところにデッドスペースがあります。例えば壁の厚みや屋根裏、床下や階段下など。

そこに収納スペースを作れば、思わぬ大容量収納に生まれ変わります。こちらは主な家の中のデッドスペースをその特徴です。

デッドスペース特徴
階段下2階建て以上の住宅におすすめの収納場所。
日用品のストックや掃除機などのたまに使う物の収納に便利。
屋根裏あまり重い物や大きい物の収納には向いていない。
断熱対策を施さないと夏場は高温になることも。
床下キッチンで保存食材などを収納するのに便利。
湿気対策が必要で、よく使う物には向かない。
厚壁の中壁の一部に穴を開けて収納を作る方法。
奥行きが浅いため見せる収納やディスプレイにおすすめ。

ご自分の家の中を良く見まわしてみて、収納にリフォームできる場所がないか探してみましょう。

住宅別のリフォーム方法をご紹介

お住いの家がマンションか一戸建てかによって、おすすめの収納リフォーム方法が異なります。その住宅ならではの注意点などもありますので、リフォームの際には気を付けましょう。

一戸建てのリフォーム方法

木造一戸建ての住宅は、下地への施工や増築リフォームなどもやりやすくなります。また階段下や屋根裏といったデッドスペースを有効活用した収納リフォームが可能です。ただし梁や構造壁などの家全体を支える部分を撤去することができないのでご注意ください。

一戸建ては間取り変更や収納の増築リフォームなども問題なくできるため、工事金額が際限なくかかってしまう場合も。そのためあらかじめスペースや予算を決めて、なるべく小さなリフォームにする努力が必要になります。

中古の住宅をリフォームする際には、壁の下地や床板の下といった見えない場所に劣化が見られることも。場合によっては希望する収納リフォームができないこともありますので、リフォームの前には業者に確認してもらいましょう。

マンションのリフォーム方法

マンションのリフォーム方法では注意点があります。リフォームが可能な室内であっても穴をあけたり壊すことが出来ないコンクリート製の「共用壁」というものがあります。そのため収納リフォームをできる箇所が限られてしまう場合も。

またマンションの構造上、どうしても梁や柱が出っ張っていることでデッドスペースが発生してしまいます。このデッドスペースを逆に活用して収納リフォームするという方法もあります。隙間を利用した壁面収納を作ったり、厚い壁を凹ませて壁埋め込み収納を作ることが可能ですので、デッドスペース収納をぜひ検討してみましょう。

マンションでのリフォーム工事では、構造に影響がある共用部分を触る場合もあるため、事前に管理規約を確認したり管理組合に相談することをおすすめします。また近隣へ工事の音が響く恐れもあるため、工事の前には挨拶をして了解を取っておくようにしましょう。

部屋別・収納リフォームの費用相場を解説

では部屋別の収納リフォームにはどんな種類があり、費用相場はどの位になるのでしょうか?

玄関の収納リフォーム

玄関は家の中でもそれほど広いスペースを取っていないので、十分な収納場所を確保できないことがあります。しかし玄関には靴や傘、レジャー用品やスポーツ用品など収納したい物はたくさん。そのため壁面いっぱいの収納や土間収納といった大容量収納がおすすめです。

玄関収納には腰位の高さのカウンタータイプから下部に足がないフロートタイプ、床から天井までが収納になっている壁面収納など種類がさまざま。玄関が広いお宅や玄関わきにスペースが取れる家では、シューズクロークを新設することもできます。

玄関では広さや予算、間取りに応じた収納リフォームを考えましょう。玄関収納にかかる費用の相場はこちらです。

工事内容費用相場
カウンタータイプ収納設置5万~10万円
カウンター+吊戸棚設置10万~23万円
コの字型収納設置15万~25万円
フロートタイプ収納設置15万~40万円
壁面収納設置15万~40万円
シューズクローク新設30~60万円

カウンターと吊戸棚がセットになった玄関収納は10万~23万円が相場、姿見などを設置できるコの字型収納は15万~25万円ほどになります。壁面収納は幅や仕様によって15万~40万の幅があります。

シューズクロークはウォークインタイプとウォークスルータイプの二種類がありますが、30万~60万円前後かかります。通路や扉の箇所、棚の造作や壁の仕様によって費用が上下しますので、業者に見積もりを取って金額を確認しましょう。

廊下の収納リフォーム

廊下にも収納を作ることができます。特に廊下に多い収納リフォームは、天井までの高さを活用した壁面収納。収納容量を多く取れ、下駄箱としても利用可能です。奥行きを短くすることで通行の邪魔をせずにディスプレイ棚のようにも使えます。

特にマンションでは壁埋め込み収納がおすすめ。マンションの間仕切り壁は7㎝ほどの厚みがあり、中が空洞になっているため壁をくり抜いて収納を付けられます。壁面よりも手前に出ないので、通行の妨げならずに収納を作れます。

工事内容費用相場
壁面収納設置15万~40万円
壁埋め込み収納棚設置10万~15万円

廊下に壁面収納を設置する場合は15万~40万円ほどの費用がかかります。また壁埋め込み型収納は10万~15万円でリフォームができます。

リビングの収納リフォーム

家族が揃うリビングは、どうしても物が増えて散らかりやすい部屋でもあります。しかしテレビやソファ、テーブルなどを置いているため収納スペースが限られているという難点もあります。

そこでおすすめなのがテレビ台を兼ねた壁面収納。テレビの上というのは意外とデッドスペースになっている場所。そこに天井までの壁面収納を取りつければ、大容量で見た目に統一感のあるリビング収納になること間違いなし!

とはいえお客さんが来る場所でもあるので、見せる収納と隠す収納のバランスを考えながら、見た目や素材にこだわってリフォームをしましょう。他にも和室をクローゼットにする方法や小上がり和室を作って、畳の下を収納にする方法などがあります。

工事内容費用相場
壁面収納設置30万~60万円
壁埋め込み型収納棚設置10万~30万円
和室をウォークインクローゼットに35万~50万円
小上がり和室を新設15万~30万円
PCコーナー付き収納設置20万~30万円

リビングに壁面収納を設置した場合は30万~60万円ほど、小上がり和室を新設すると15万~30万円前後かかります。また続き間になっている和室をウォークインクローゼットにリフォームすると35万~50万円、パソコンコーナーも兼ねた収納を設置すると20万~30万円ほどの相場になります。

キッチンの収納リフォーム

調理器具や食材、キッチン家電などがあるキッチンは、多くの方が収納リフォームをしたい場所でもあります。しかし調理スペースも必要となるため、それほど多くの収納スペースを確保できません。そこで今あるキッチンや食器棚の収納力を生かしながら、使いやすく収納力のあるリフォームを考えましょう。

工事内容費用相場
食器棚新設20万~50万円
吊戸棚設置5万~13万円
背面収納棚設置20万~50万円
カウンター設置5万~10万円

キッチンの収納リフォームでは、食器棚や背面収納棚の新設が20万~50万円前後、吊戸棚の設置工事が5万~13万円ほどとなります。またカウンタータイプの収納を設置する場合は5万~10万円が相場となります。

和室の収納リフォーム

最近の建売住宅ではリビングに接した和室がある家が多くあります。また古くからの住宅にももちろん和室はあるでしょう。そのような和室に収納を新しく設置したり、押し入れや床の間を収納にするリフォーム方法がおすすめです。

工事内容費用相場
押入れをクローゼットに変更10万~20万円
襖を外して見せる収納に5万~15万円
床の間をクローゼットに変更10万~20万円

押入れや床の間といった和室によくある場所をクローゼット等にリフォームする際の相場は、それぞれ10万~20万円前後。押入れの襖を外して見せる収納にリフォームする場合は5万~15万円ほどかかります。

洗面所・トイレの収納リフォーム

洗面所やトイレには掃除用具や日用品などを入れる分散収納におすすめの収納スペースを作りましょう。洗面所やトイレは他の部屋と比べても狭い場所ですが、便器の上部や壁面などのデッドスペースを利用すれば、ストック品やそこで使い物を入れて置ける収納へリフォームできます。

工事内容費用相場
吊戸棚を設置3万~5万円
収納棚を新設5万~20万円
洗面化粧台交換5万~20万円

洗面所やトイレに吊戸棚を設置する場合は3万~5万円程度、収納棚を新設するには5万~20万ほどかかります。また収納力の高い洗面化粧台へ交換するには、グレードによって5万~20万円の費用がかかります。

洋室の収納リフォーム

子供部屋や寝室といった洋室では洋服や勉強道具、趣味の物をしまう収納リフォームがおすすめ。スペースに余裕があるなら、大容量のウォークインクローゼットを新設しましょう。2~3畳ほどのスペースでリフォーム出来ますし、かさばる物なども一か所に収納できます。

寝室でパソコンをする方には、デスクも兼ねた壁面収納へリフォームしてみては?ベッドで読む本や趣味の物などもディスプレイできますので、寝室を居心地の良い空間にしてくれるでしょう。

工事内容費用相場
ウォークインクローゼット新設35万~60万円
壁面収納設置30万~50万円

洋室にウォークインクローゼットを新設した場合の費用相場は35万~60万円ほど、壁面収納を設置した場合は30万~50万円前後かかります。

デッドスペースの収納リフォーム

今まで使っていなかった屋根裏や床下などのデッドスペースは収納スペースにピッタリです。現在の居住スペースを狭めずに新しく収納を作ることができるので、リフォーム時の物の移動も最小限で済みます。

とはいえ場所によっては湿気や気温上昇が気になりますので、適切な対策が必要となります。また床面積が増える場合は新たに確認申請が必要となることもありますので、事前に業者に確認しましょう。

工事内容費用相場
床下収納新設10万~15万円
屋根裏収納新設(6畳)30万~50万円
階段下収納新設6万~15万円
壁埋め込み収納設置10万~30万円

デッドスペースの収納リフォームの相場は、床下収納では10万~15万円前後、6畳の屋根裏収納では30万~50万円となります。また階段下収納は6万~15万円ほど、壁埋め込み型収納は10万~30万円で設置できます。

収納リフォームをする際の注意点とは?

最後に収納リフォームをする際の注意点をチェックしていきます。収納リフォームを成功させるためにも、よく覚えておいてください。

DIYで棚を設置するには強度に注意

費用をなるべく抑えようとDIYで収納棚などを作る際には、棚の強度に気を付けて設置しましょう。ストック食品や本、おもちゃや洋服などをまとめて収納する場合、一定の耐荷重がないと棚がグラついたりしてしまいます。

強度の高い棚を作るにはまず必要な寸法をしっかり図って材料を切り出すことが重要です。寸法がズレてしまうと棚にゆがみやズレが生じて強度を下げる原因に。

さらに乗せるものの重さに応じた対策が必要となります。棚の強度や耐荷重を上げるための主な対策はこちらです。

  • 補強金具を取り付ける
  • 背板を設置する
  • 外枠や棚板の接合方法を変える
  • 補強材を追加する
  • 可動棚を減らして固定棚を増やす

棚を作ったら一度軽く揺すって、グラグラしないか確認してみましょう。グラグラしていれば棚の強度が不足していることになります。この状態のまま物を乗せてしまうと棚板ごと外れてしまったり、棚自体が壊れてしまう恐れがあります。

高い場所に重い物は厳禁

収納リフォームのポイントでもご紹介しましたが、重い物を上に収納するのは厳禁。地震などで揺れた拍子に棚から落ちて、近くを歩いている人や寝ている人に当たると大けがをする恐れがあります。また人がいなくても周囲の物が壊れる可能性が高いため、高い場所には落ちても影響が少ない軽いものを入れるようにしましょう。

本棚では百科事典や全集などを、食器棚では大きくて重い器などを下段に入れてください。落下防止になるだけでなく、家具の重心が下がることで家具自体が倒れることを防いでくれます。「重い物は下に入れる」これを大原則として、収納場所を考えましょう。

マンションでのリフォームは管理規約を確認

マンションでリフォームする場合は管理規約を必ず確認してください。収納リフォームではマンションの構造に当たる共用壁をいじる場合がありますし、壊していい場所と壊してはいけない場所があるため。

なるべくならリフォームを依頼する業者と一緒に管理組合などに相談すると、リフォーム可能な箇所が分かるのでおすすめです。マンションによってはリフォームの規模の大きさに関わらず届け出をすることが義務付けられている場合があります。お住いの管理規約をよく確認して、スムーズなリフォーム工事ができるようにしましょう。

場所やモノに合ったリフォームで収納力アップを目指そう

収納リフォームをする際には、収納する物や場所に合ったリフォームをすることが求められます。また収納にはいくつかのポイントがありますので、収納上手を目指す方は参考にしてください。

リビングやキッチンはもちろん、階段下や壁面といったデッドスペースにも収納を作ることができますので、広い納戸やクローゼットを新設できないというお宅におすすめ。収納リフォームを成功させて、家の中をスッキリと過ごしやすく片付けましょう。