洋服がいっぱいで収納出来る場所がない!という方には、ウォークインクローゼットのリフォームがおすすめです。家族の人数によるウォークインクローゼットの広さや設置したい場所、リフォーム費用を抑える秘訣などもご紹介していきます。すっきりした家にするために使いやすいウォークインクローゼットを作りましょう。
ウォークインクローゼットリフォームの基礎知識を解説!

ウォークインクローゼットとはそもそも人が歩いて入れる収納部屋のことで、2畳から3畳ほどの広さが一般的。英語では「Walk-In Closet」と書き、「WIC」と略して表すこともあります。
そんなウォークインクローゼットの種類や適した広さなどの基礎知識について詳しく解説していきます。
ウォークインクローゼットの収納方法による種類
ウォークインクローゼットには収納方法によって、主に3種類に分類できます。それぞれに収納に適したものや特徴が異なりますので、どんなものをどのように収納したいのか?によって選んでみましょう。
収納方法 | 特徴 |
ハンガータイプ | ハンガーパイプを主としたウォークインクローゼット。 シャツやコート、スーツなどを掛けて収納したい方におすすめ。 壁面クローゼットと同じように洋服が見やすく選びやすい。 下のスペースをどう活用するか考える必要がある。 |
収納棚タイプ | ウォークインクローゼットの壁全体に収納棚を設置したタイプ。 洋服よりも靴やバッグの収納に適している。 一方で場所を取るためスペースが狭くなることも。 |
ユニット収納棚タイプ | 市販品のユニット収納棚を設置したウォークインクローゼット。 組み合わせやコーディネイトが自在で使い勝手が良い。 |
ウォークインクローゼットのレイアウトによる種類
次にウォークインクローゼットの内部レイアウトごとの種類を見ていきましょう。レイアウトによる種類は4種類。ウォークインクローゼットにできる場所の広さによって可能なレイアウトが異なりますので、スペースに応じてレイアウトを決めるようにしましょう。
レイアウト | 特徴 |
I型 | 一列に並べて収納するウォークインクローゼット。 比較的省スペースで設置可能で費用も抑えられる。 収納している洋服が見やすく選びやすいが大物収納には向いていない。 |
Ⅱ型 | 向かい合う壁の二面が収納スペースになっているタイプ。 2畳ほどのウォークインクローゼットに向いている。 |
L型 | 収納スペースがL字に設置されているタイプ。 比較的小さな2畳未満のクローゼットでも収納量をアップできる。 |
コの字型 | 収納スペースを最も広く確保できるレイアウト。 壁面すべてに棚やパイプが設置されるためある程度のスペースが必要。 |
ウォークインクローゼットリフォームに適した面積
ウォークインクローゼットの適切な広さは、家族構成や家族の人数で変わってきます。広すぎても狭すぎても使いにくくなってしまうので、家族の人数や持ち物の多さによってウォークインクローゼットの広さを考えてください。
家族構成 | 適した面積 |
夫婦2人 | 2畳前後 |
夫婦2人+子供2人 | 3畳~4畳 |
4人家族以上 | 4畳以上 |
夫婦二人の場合は、Ⅱ型のレイアウトで壁の左右にそれぞれの洋服などを分けて置くと管理しやすくなります。2畳ほどのスペースでも十分ですが、3畳以上のウォークインクローゼットを設置できると、寝室にタンスなどを置かなくても十分なほどの収納力を確保できます。
ウォークインクローゼットを設置する部屋は?
ウォークインクローゼットをどの部屋の近くに置くかによっても、使い勝手や利便性が変わります。こちらは設置場所ごとのウォークインクローゼットの使い方です。生活スタイルや動線によってどの部屋に隣接させるかを決めていきましょう。
設置場所 | 詳細 |
寝室の続き間 | 起床後すぐの着替えや帰宅後すぐベッドに行く際に便利。 |
洗面所の隣 | 洗面所で化粧や身支度を整えた後に着替えができると女性に人気。 |
物干し場の近く | 乾いた洗濯物をそのままたたんで収納するのに便利。 |
廊下に面した場所 | 廊下から直接出入りできるので更衣室としても使用可能。 早朝や深夜でも他の家族に気兼ねせず使える。 |
子供部屋に作る | 成長に応じて増えたものを収納するのにぴったり。 自身で持ち物を管理するしつけにも繋がる。 |
ウォークインクローゼットリフォームの工事内容
ウォークインクローゼットをリフォームで作る場合には、大きく分けて二種類の工事内容が考えられます。既存の間取りや部屋の状況に応じた工事内容を選んで、使いやすいウォークインクローゼットを作りましょう。
既存の収納を拡張
すでにある押入れやクローゼットの広さを拡張してウォークインクローゼットにする方法があります。ただし、既存の収納スペースでは歩き回れるほどの広さを確保することが難しいため手前の部屋部分や周辺の空間にも手を加える必要が出てきます。
こちらの工事では既存の収納の建具や中棚などを撤去して空間を拡張、床材を張って壁に壁紙を貼る工事が発生します。さらに収納するためのハンガーパイプや棚などの備え付けることになります。これら備え付け設備をどの程度設置するかによって費用が変わってくることを覚えておきましょう。
隣接した部屋をリフォーム
もし隣に使用していない部屋があるなら、その部屋全体をウォークインクローゼットにリフォームする手立てがあります。独立した部屋であれば廊下から直接出入りできますし、寝室などとつなげてウォークスルークローゼットにすることも可能。
部屋をまるごと収納スペースにできますので、大きなものや大量の荷物も収納出来るでしょう。この場合は使用している部屋をいじらないため工事中のわずらわしさはありませんが、中に荷物などが入っている場合はそれらを移動させる手間が発生します。
ウォークインクローゼットリフォームの費用相場を解説!

ウォークインクローゼットリフォームには現状の間取りや家の構造に応じた様々なバリエーションがあります。そこで既存の押し入れやクローゼットをリフォームする場合から全く新しい場所へウォークインクローゼットを新設する際の費用相場までをご紹介していきます。
工事内容 | 費用相場 |
既存の押し入れやクローゼットをリフォーム | 20万~50万円 |
和室の一部をクローゼットにリフォーム | 25万~50万円 |
洋室の一部をクローゼットにリフォーム | 20万~45万円 |
ウォークインクローゼットの新設 | 30万~80万円 |
既存の押し入れなどをウォークインクローゼットにリフォームするには20万~50万円ほどかかります。和室の一部をクローゼットにリフォームするには25万~50万円前後、洋室の一部をクローゼットにリフォームする場合は20万~45万円程度が相場です。
クローゼットにするための空間を確保しただけでは、洋服を掛けたり畳んでしまうことはできません。ここではハンガーパイプや棚などの備え付け設備を追加する費用について見ていきましょう。
工事内容 | 費用相場(1か所当たり) |
ハンガーパイプ設置工事 | 2万~4万円 |
棚設置工事 | 2万~5万円 |
吊戸棚設置工事 | 5万~10万円 |
扉設置工事 | 5万~15万円 |
湿気対策工事 | 3万~10万円 |
ハンガーパイプ設置工事は一か所につき2万~4万円、棚設置工事は2万~5万円ほどかかります。吊戸棚であれば5万~10万円が相場。
このようにウォークインクローゼットリフォームにかかる費用は、その広さや備え付け設備の数、グレードなどによって変動します。詳しいリフォーム費用が知りたい方は業者に問い合わせて見積もりを取ることをおすすめします。
ウォークインクローゼットリフォームの費用を抑える秘訣は?
小規模なリフォームであれば数万円程度で可能なウォークインクローゼットリフォームですが、大規模な工事になると50万円以上の予算が必要になることも。そこで少しでも工事費用を抑えるためにいくつかの秘訣をご紹介していきます。
入口ドアを付けずにリフォーム
ウォークインクローゼットの出入口にドアを設置しないだけでもリフォーム費用を節約できます。寝室内にあるクローゼットやお客さんの目に触れにくい場所にあるクローゼットでは、出入り口にドアなどを付けなくても特に問題ありません。
ドアなどの建具を取りつける工事では、ドア本体のグレードにもよりますが5万~10万円ほどの費用がかかります。その費用を抑えるためにもドアを設置せずオープンにしておく方法がおすすめです。
既存の部屋や収納スペースを生かす
使っていない部屋や納戸、物置などがある場合はそちらをウォークインクローゼットにリフォームする方法がおすすめです。すでに部屋として作られている場所に棚やハンガーパイプを設置するだけでウォークインクローゼットにリフォーム出来るケースもありますので、かなりの費用を節約できることも。
しかしながら衣類を管理する部屋として作られていないため、窓がある場合には遮光カーテンをする、湿気対策を施すなどの対策が必要となります。
広さは省スペースを心掛ける
ウォークインクローゼットが最も使いやすいのは3畳以上のスペースと言われています。しかしリフォームに掛けられる費用に限りのある方や、余分なスペースがない家では省スペースで設置することも可能です。
ただしそのような狭いスペースに洋服を詰め込み過ぎると、湿気が発生してカビや結露の原因になることも。狭いスペースのクローゼットであっても湿気対策として通気性を良くするなどの対策を考えることをおすすめします。
ウォークインクローゼットリフォームをする場合の注意点

ウォークインクローゼットのリフォーム工事では、使いやすくするために様々な注意点があります。これからご紹介するポイントに気を付けて、ウォークインクローゼットを作るようにしましょう。
動線を考えた入口を設ける
使い勝手の良いウォークインクローゼットにするには、廊下やリビングなど人が頻繁に出入りする場所の近くに設置することがポイントになります。また寝室にあるンクローゼットでも廊下側からも出入りできるような扉を作っておくと、寝室を通らずにクローゼットに直行できたり、一緒に寝てる人を起こさずに着替えて寝室から出ることもできます。
ウォークインクローゼットに必要な間口は、大人ですと180㎝前後。開き戸だとドアが開くスペースに物が置けなくなるので、もし出入口に扉を設置したいなら、開閉にスペースを必要としない引き戸がおすすめです。
通路幅は最低でも60cm必要
ウォークインクローゼット内部の通路は最低でも60㎝の幅を確保するようにしましょう。これは棚やハンガーパイプなどの備え付け設備の部分を除く、人が歩いて通るためのスペースのことを指します。
大人の肩幅は男性で46㎝、女性で40㎝前後あります。ハンガーパイプに掛けた洋服が体に当たらないギリギリの幅が60㎝と考えて、ウォークインクローゼットの広さやレイアウトを検討しましょう。
ウォークインクローゼットの中で着替えたり身支度を整えたいのであれば、80㎝ほどあると比較的ゆったりとできます。
結露対策やカビ対策をしっかり
ウォークインクローゼットの内部には窓などの開口部を作らないため、空気がこもりやすく洋服についている水分が原因でカビが生えてしまうことも。特に北側にあるクローゼットでは、壁に結露が発生する場合もありますので、これらの対策が必要になります。
- 住宅の断熱性能をアップさせる
- こまめに換気をする
- 換気扇や窓を付ける
- 調湿機能付きの壁紙を貼る
- 除湿剤を置く
ハンガーパイプの強度を確認
ウォークインクローゼットに洋服を掛けるためのハンガーパイプを設置する際は、その強度や耐荷重をしっかり確認してください。ハンガーパイプの強度は設置する壁や天井の耐荷重によって変わってきます。補強工事をして下地を入れていないと、洋服の重さに耐えきれずにハンガーパイプごと落下したり壁が壊れてしまうことも。
さらにハンガーパイプ自体の強度を高めることも必要です。材質であればステンレス製が強度が高くサビにくいのでおすすめ。またあまり細すぎるパイプだと耐荷重がよわくなるため、直径3㎝以上のものを使うようにしましょう。