多くの家庭で普及しているI型キッチンは他のタイプのキッチンより安くリフォームができることをご存知ですか？今回はI型キッチンをより使いやすくするリフォーム術や、おすすめのレイアウト方法などをご紹介。キッチンリフォームを考えている方は、I型キッチンを採用したリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
I型キッチンのおすすめリフォーム術７選
昔からキッチンと言えば、壁に向かって一直線にシンクやコンロが並んだI型キッチンが主流です。誰しもが使い慣れているI型キッチンは、狭いキッチンでも場所を取らず省スペースで設置できるのが魅力。そんなI型キッチンをより使いやすくするリフォーム術をご紹介していきます。
使いにくさをカバーするため全長270㎝以内に
キッチンでの作業動線を考える上で、あまり長すぎるキッチンは使いにくくなります。そのため最大でも2700mm以内のキッチンを選ぶことをおすすめします。国内メーカーの一般的なI型キッチンは、横幅が1800～3000mmまであります。また奥行きは600～650mmが標準です。この横幅が長すぎると横移動の距離が長くなることから動線が悪くなってしまいます。
キッチン動線は冷蔵庫・シンク・コンロそれぞれの中心を頂点とした三角形（ワークトライアングル）の長さの合計が、360～510㎝程度が良いとされています。この距離は遠すぎても近すぎても不便に感じます。それぞれの動線の長さは下記の通りに置くようにしましょう。
- シンクとコンロの間・・・120～180㎝
- シンクと冷蔵庫の間・・・120～210㎝
- 冷蔵庫とコンロの間・・・120～270㎝
I型キッチンに限らずキッチンをリフォームする際には、ワークトライアングルやそれぞれの長さを意識して配置するようにしましょう。特に壁付け式のI型キッチンは、食器棚やごみ箱を配置する場所も考えてリフォームすることをおすすめします。
冷蔵庫→シンク→調理台→コンロの位置で作業効率アップ！
先ほどご紹介した冷蔵庫とシンク、コンロとの間の距離を意識して調理の効率を少しでもアップさせるには、冷蔵庫→シンク→調理台→コンロの順で配置すると作業がしやすくなります。食材などを冷蔵庫から出し、シンクで水洗いしてから調理台でまな板と包丁を使って下ごしらえをします。そして最後にコンロで火を通すという流れに沿って配置すれば効率良く調理ができるのでは？
I型キッチンの場合、ワークトライアングルの三角形に配置できないことがあります。その際には冷蔵庫からコンロまでの順番どおりに配置すると作業効率が上がります。これからキッチンリフォームをお考えの方はぜひこの配置を意識して、冷蔵庫の場所を考えたりキッチンを選んでみて下さい。
L型やセパレート型に比べると省スペースで設置可能
対面で使えるL型やキッチンとシンクが分かれたセパレート型と比べると、I型キッチンはより省スペースで設置ができます。冷蔵庫までを壁側に一列に配置すれば、振り向いた場所にダイニングテーブルをゆったりと置けます。
またリビングに対面するようにI型キッチンを配置したとしても、背面に食器棚などを置いて3.1畳ほどのスペースに収まります。LDKが狭くても、省スペースで設置できるのがI型キッチンのメリットです。
対面式I型キッチンで作業スペースを確保
最近では壁付け式のI型キッチンを対面にしてリフォームする方が増えてきました。このレイアウトなら、リビングにいる家族と会話を楽しみながら料理ができますね。小さい子供がいてもリビングの端まで目が届くので安心。特に対面式は解放感があり、リビングやダイニングとのつながりを考えるとおすすめです。
ただし対面式により、リビングまで水や油が飛び跳ねることへの対策も必要に。圧迫感を出さずに対策したいならガラスパネルを設置する方法があります。また腰壁やある程度の高さのカウンターをキッチン前に設けると、手元を隠して水はね対策にもなります。カウンターなどは出来上がった料理や鍋を置いておくのに便利。カウンター下に棚を付ければさらに収納力がアップしますよ。
コの字型に腰壁を囲めばアイランドキッチン風に
「アイランドキッチンに憧れがあるけど、高くて手が出ない…」という方には、アイランドキッチンよりも安いI型キッチンを使ったレイアウトをおすすめします。I型キッチンをコの字に囲むように腰壁を付ければ、アイランドキッチン風に早変わり。腰壁が手元を隠してくれ、水や油のはねをガードしてくれるので一石二鳥です。キッチンスペースに余裕があり、費用を掛けずにアイランドキッチンにしたい方は検討してみて下さい。
キッチンを隠すには対面式で腰壁は高めに
キッチンを隠してスッキリ見せたいならI型キッチンを対面式にして、腰壁を高めにすると手元が隠れておすすめです。壁付け式のI型キッチンだと、どうしてもダイニングやリビングからキッチンの様子が丸見えになってしまいます。調理器具や調味料を並べたキッチンは使い勝手がいいのですが、リビングから見た印象はゴチャゴチャしたものに。
そこでリビングとの境に腰壁を設けてカウンターを設置すれば、その高さで目隠しになります。食材や調理器具が散乱していても隠せるので、整理整頓が苦手な方にもおすすめです。
I型キッチンの価格相場は50～150万円
I型キッチンの価格相場は50万から150万円が相場です。既存のI型キッチンから新しいものに変えるだけなら、もっと安く抑えられることも。逆に壁付けのI型キッチンを対面にするなど、キッチンの位置の変更が発生する工事では工事費用が100万円を超える場合もあります。
I型キッチンを対面にした際の工事内訳
キッチンリフォーム工事の価格相場は、キッチンの本体価格＋既存キッチンの解体工事や移動に伴う付帯工事費用によって算出されます。主な工事の内訳は下記の通りです。
- 既存キッチンの撤去・解体工事・・・3万円～
- 給排水設備工事・・・5～10万円
- クロス張り替え工事・・・3万円～
- 電気設備工事・・・5万円～
- 仮設工事及びクリーニング・・・1万円～
- 諸経費・・・リフォーム総額の数％
キッチン位置を変更した際には排水管やガスの元栓を延長する工事の他に、換気口の移設工事も発生します。またキッチンを外した部分の床板が予想を超えて傷んでいる場合は補修が必要となり、追加料金が発生することも。 そのため付随工事の合計で20万円～40万円程かかる場合もあります 。
I型キッチン本体価格相場は20万円～100万円
I型キッチンは最も普及しているタイプになるので商品の数が豊富な中から選べます。予算や好みに応じたキッチンが選べるのもI型キッチンのメリット。I型キッチンの一般的な価格相場はこのようになっています。
- 格安キッチン・・・15万円～
- スタンダードタイプ・・・70万円～
- ハイグレードタイプ・・・100万円～
I型キッチンの特徴として、低価格帯の品ぞろえが豊富でインターネットやホームセンターなどでも格安のキッチンが購入できます。特にI型キッチンのリフォーム工事はキッチン本体の価格によって大きく変動することを覚えておきましょう。
またキッチンのリフォーム工事日数は、キッチン交換だけなら2～3日程度。壁付け式から対面式への変更や、大幅な間取り変更が生じる場合は1か月以上かかることもあります。工事日数が知りたい方は、事前にリフォーム会社へお伺い下さい。
I型キッチンのリフォーム費用を抑えるポイント！
キッチン本体価格が比較的安いI型キッチンですが、さらにリフォーム工事費用を抑えるにはどのようなポイントがあるのでしょうか。5つのポイントを順に見ていきましょう。
キッチン交換だけならリフォーム費用を抑えられる
先ほどもご説明しましたが、I型キッチン交換だけならリフォーム費用を安くできます。壁付け式から対面式にするレイアウトや、キッチンそのものの場所を変更するリフォームではどうしても工事費用が高くなります。なるべくキッチンのリフォーム工事費用を抑えたいなら、キッチン交換のみにとどめておくのが賢明です。
その際にはコンロの熱源もなるべくなら以前と同じものにするのがおすすめ。今までガスコンロだったなら、新しいキッチンもガスコンロを選ぶと工事費用が掛かりません。逆にガスからIHなどに変更すると、設備工事が15万～30万円と跳ね上がります。リフォーム費用を安く抑えたいなら使い勝手や予算と相談しながら、キッチンの位置や熱源を選ぶようにしましょう。
特売品や展示品を安く手に入れる
さらにI型キッチンのリフォーム工事費用を抑えたいなら、特売品や展示品で安くなっているキッチンを選ぶことをおすすめします。システムキッチンにもアウトレット商品があり、展示品や旧型モデルを安く購入できます。もちろん最新の型よりも一つ前の型の方が値引き率も高く、割安になります。ただしアウトレットのキッチンは保証期間が短いものもあるのでご注意ください。
オプション機能やデザインは必要最小限に
システムキッチンのオプションや機能は必要最小限にして、仕様や部材のグレードを落とすと本体価格が安くなります。キッチンのオプションには次のような種類があります。
- 食器洗い洗浄機
- HIクッキングヒーター
- 魚焼きグリルのグレード（片面焼き・両面焼き・汁うけなし）
- 水受けラック・まな板ラック
- ダストボックス付き
- カトラリートレイ
- ライスボックス
本当に必要なオプションかどうかをよく考えて、不必要なものを追加しないようにしましょう。またキッチンのグレードは部材の材料によっても変わってきます。ハイグレードなキッチンのワークトップには人工大理石や高性能ステンレスなどを使用。ステンレスやメラミンは比較的安価なうえ、耐久性も高いのでおすすめです。
リフォーム業者は複数から選ぶ
キッチンリフォームを安くしたいなら、施工する業者選びも大切。その際には複数の業者から選ぶようにしましょう。特に水廻りのリフォームが得意な業者を選ぶと、結果的にお得に工事を進められます。というのも得意分野のあるリフォーム業者は部材や住設機器の仕入れも一括で大量に行うため、仕入れ価格が安くできるという理由からです。また自社で職人を確保しているリフォーム会社なら、下請けに発注する余計なコストがかからないため低価格でのリフォームも可能です。
さらに自社でショールームを持っていない会社や、施工エリアが地元のみという業者も余分なコストがかからないので、リフォーム価格を抑えられる傾向があります。 そのような会社を何社かピックアップしたら、相見積もりを取りましょう。システムキッチンの仕様やグレードを統一すれば、工事内容や工事費用を適切に比較できますよ。
施主支給でリフォーム費用を抑える
施主支給でリフォーム費用を抑えるという方法もあります。施主支給とは、リフォーム工事で使用するキッチンなどを施主（お客様）自らが手配して、施工のみを業者に依頼する依頼方法。今はインターネットやホームセンターなどでかなり安くシステムキッチンを購入できます。自分で好きなキッチンを探して使えるため、安いキッチンを探せばリフォーム工事全体の費用を抑えられます。
ただし施主支給には注意点もあります。リフォーム業者によっては施主支給による工事を請け負っていない業者があります。そのため施主支給で工事をしてくれる業者を自分で見つけなければいけません。また業者を見つれられたとしても、万が一のリスクは自ら負うということを覚えておきましょう。ただし安くキッチンが購入できて、施工してくれる業者が見つかれば格安でキッチンリフォームができることは間違いありませんね。
まとめ
広く普及しているI型キッチンへのリフォーム工事は、他のキッチンに比べて安く工事ができます。とはいえキッチンの向きを変えたり、大幅な間取り変更をする場合は、ある程度の工事費用が掛かることを覚えておきましょう。そのためにも安く丁寧な工事をしてくれる業者選びは大切。また工事後のトラブルにも対応してくれるリフォーム会社を選べば、さらに安心ですね。