使いやすいキッチン棚にするには?リフォームにかかる費用と安くなる4つのポイント

食器や調理器具、調味料や食材など、キッチンにはたくさんの収納したいものが溢れています。今回はそんなキッチン収納に便利な棚のリフォームについてご紹介。キッチンの収納力をもっと上げたい、おしゃれなディスプレイになる棚が欲しいとお考えの方はぜひ棚のリフォームをご検討ください。

キッチンの収納棚には5種類ある

キッチン収納に便利な棚には大きく分けて5種類あります。それぞれの棚の特徴や設置する際の注意点などを見ていきましょう。

作りつけのカップボード

作りつけのカップボードとは床や壁に直接ビスなどで固定してある食器棚のこと。システムキッチンとセットになったデザインやオーダー家具などで作れるので、キッチンのトータルコーディネイトがしやすい利点があります。その他のメリット・デメリットはこちらです。

メリット・壁に固定されているので耐震性が高い
・好みに合わせたデザインや形にできる
デメリット・間取り変更や模様替えで移動ができない
・一度設置したら撤去するのが難しい

デッドスペースに設置する吊戸棚

システムキッチンの上部や食器棚の上など、天井付近のデッドスペースとされる場所に設置できるのが吊戸棚です。この吊戸棚のメリットは後付けが簡単にできるということ。

キッチンの他にも洗面所や玄関などの収納力アップに効果を発揮します。吊戸棚のメリットとデメリットはこちらです。

メリット・天井近くのデッドスペースを活用できる
・DIYで付けられる吊戸棚がある
デメリット・重量や収納する物に制限がある
・下地部分が木材でないと設置できない
・位置が低いと頭をぶつける恐れがある
・高すぎると踏み台などを使用する必要がある
・真下にキッチンがあると手元が暗くなる

一般的に使いやすい位置というのは、立った時の目の高さから15㎝ほど下を吊戸棚の下部としたもの。吊戸棚全体の高さは70㎝ほどが手を伸ばして出し入れしやすい収納になります。

DIYで取り付けられる手軽さがある一方で、圧迫感が出たり収納する物の耐荷重に制限があるのも注意したいポイントです。

背面や壁面の収納棚

キッチンの壁の床から天井までを収納とした壁面収納や、対面式キッチンの背中側の背面収納は、キッチン家電や食器などをたっぷり収納出来るのがメリットです。ちょうど手元の位置をコンセント付きのカウンターにして、電子レンジや炊飯器などよく使う家電を収納するにに便利。

メリット・大容量の収納が可能
・食器や調理家電を一緒に収納出来る
・必要なものを手元に置けるので作業効率が上がる
・選び方によってはディスプレイの要素を演出できる
デメリット・奥行がある収納は圧迫感が出る
・開き戸の場合は開閉のスペースが必要

ただし奥行きのある棚は空間に圧迫感が出て奥のものが取り出しにくくなるため、奥行きは浅めにして周囲と色やテイストを合わせると良いでしょう。またキッチンとの間が狭いと開き戸にした場合、体を横にずらさなければいけない等の使い勝手に影響します。扉の開閉方法や通路幅をよく考えて棚を選ぶようにしましょう。

カウンタータイプの収納棚

キッチンが対面式でなく壁に向いている場合、背の低いカウンターを中央に置くことで対面キッチンのように使え、収納が増やせます。カウンタータイプの収納棚の特徴はこちらです。

メリット・キッチンとダイニングの間仕切りとして使える
・既製品を探せば費用を抑えられる
・壁に面したキッチンでも対面キッチンのように使える
デメリット・高さが決まっているので収納力が劣る
・キッチンにスペースがないと設置できない

比較的取り出しやすい場所ということで、使用頻度の高いものや毎日の調理で必ず使うものなどを収納するのに便利です。

キッチン本体の収納棚

最後はキッチン本体にある収納棚です。最近のシステムキッチンは従来のものに比べて収納力が大幅にアップしています。古いキッチンをお使いの方はキッチンを新しくするだけでも格段に収納力がアップするでしょう。

メリット・最新のキッチンは収納力が高い
・開閉時に開けやすいなどの工夫がされている
デメリット・収納のスペースが限られている
・キッチンを交換すると費用がかかる

スライド式の収納は収納部分すべてを手前に引き出せるので、奥にしまった調理器具なども簡単に出し入れできます。

ただしシンクとつないである排水管の形によっては、この収納部分に干渉することがあります。キッチン自体を新しくする場合は、問題なく取付できるかを事前に業者にチェックしてもらいましょう。

キッチンの棚をリフォームする際の費用相場をご紹介

ここでキッチンの棚を新設したりリフォームする場合の費用相場を解説していきます。キッチンの収納力をアップさせたいとお考えの方は参考にして下さい。

カップボードを新設する

作りつけのカップボードを新設する場合は、家具職人がサイズや材質をオーダーで作るオーダー家具と既製の家具やユニット家具を設置する方法の二種類があります。ここではオーダーで作る場合の相場をご紹介していきます。

工事内容費用相場
カップボード新設工事200,000円~500,000円

カップボードを新設する工事の費用は20万~50万円が相場となっています。高さや形、材質や作り方によって費用は変動します。既製の家具やユニット家具ではもっと手軽に設置できますので、予算に応じて選んでみてはいかがでしょうか。

吊戸棚を設置

吊戸棚は本体の価格と設置費用とで分けてご説明していきます。というのも吊戸棚はDIYで設置することもできるため、本体のみを購入すれば費用を掛けずに取り付けられます。

工事内容費用相場
吊戸棚(ガラスなし)本体価格30,000円~50,000円
吊戸棚(ガラスあり)本体価格50,000円~80,000円
上記設置費用20,000円~50,000円

ガラスがない吊戸棚では3万~5万円が相場、ガラス付の吊戸棚は5万~8万円が相場となっています。設置も業者に依頼する場合は本体価格にプラスして2万~5万円ほど追加でかかります。

また背の低い方でも届きやすい昇降機能付きの吊戸棚の場合、手動式で昇降するタイプで4万円前後、電動タイプで約10万円が追加費用としてかかります。さらに重い物を吊戸棚に収納したいとお考えの方は、5万~10万円ほどの補強工事が必要となります。

背面収納棚を増設

背面収納や壁面収納の棚を新たに設置する場合は、本体の価格によって相場が左右されます。そのため棚にどんな材質を使うか?デザインや仕様は?オーダーにするか?によっても価格が異なります。

工事内容費用相場
背面収納棚設置工事200,000円~500,000円

実際のキッチンの大きさや通路に取れる幅などを考えながら、使いやすいサイズの壁面収納を選びましょう。

カウンタータイプの棚を設置

カウンタータイプの収納棚は家具店やホームセンター、ネット通販などでも手軽に手に入ります。しかし既製の家具ではシステムキッチンとの調和が取れなかったり、ちょうどよいサイズがないという場合も。そこで業者にオーダーした場合の設置費用をご紹介していきます。

工事内容費用相場
カウンター設置工事40,000円~100,000円

カウンターの設置費用は4万~10万円前後を見てください。天板に耐熱性の高い素材を使用したり、お持ちのレンジがすっぽり入る大きさにするなどの応用が利くのもオーダー家具の利点です。

キッチンに棚を増設する場合の注意点とは?

ではキッチンに収納棚を増設する場合の注意点について見ていきましょう。キッチン収納を成功させる秘訣にも繋がっていますので、片付けに自信がない方はぜひこれからご紹介するポイントを取り入れてみて下さい。

調理家電の場所に応じて電気工事が必要

棚の増設リフォームでキッチン家電を収納したいとお考えなら、家電の数や収納場所に応じてコンセントを増設することをおすすめします。また電源の容量を増やして分配できるようにすることもポイント。

最近では調理家電の種類が増えてきて、何台もお持ちの方がたくさんいるのではないでしょうか?コンセントの数が足りなくなったり、危険なたこ足配線をしないためにもお持ちの調理家電に応じた電気工事を同時に行ってください。

棚は奥行がない方が使いやすい

キッチンの背面収納やカップボードは、比較的使用頻度が高いものをしまうことが多いと思います。その場合、手前から何列にもなるような奥行きは必要ありません。出し入れするのに手数が多いと、次第に取り出すのが面倒になり使わなくなる恐れがあるためです。

背面収納は大皿がちょうどしまえるぐらいの奥行に抑え、なるべくすべての食器がワンアクションで取り出せるように工夫して収納しましょう。また引き出しの中で使うトレイや小分けのかごなども、本当に必要かをもう一度検討する必要があります。

棚の高さを変えられると便利

背面収納やカウンタータイプの収納棚は、調理家電から食材までさまざまなものをしまえるように棚の高さを変えられるタイプを採用しましょう。食器や保存食材を収納する時は棚を低めにセットして、調理家電や背の高いものをしまう時には棚を高くするなど。

棚の高さを自由に変えられると、無駄なスペースが生まれず効率的に収納できます。スライドタイプの収納は奥行きがあっても取り出しやすいのですが、棚の場合は奥行き次第で使い勝手が悪くなることも。目線の高さ以上の棚はなるべく奥行がないものを選ぶのがポイントです。

いざという時に隠せるようにする

対面キッチンの背面に設置した収納棚はダイニングやリビングから丸見えになってしまため、お客さんが来た時などにさっと隠せる工夫が必要です。はじめからオープン部分を少なくして、すりガラスや扉などで中に入っている物が見えないようにするアイデアの他にも、カーテンや建具で隠してしまう方法があります。

スペースを取らない引き戸がおすすめ

キッチンに置く棚の扉は開閉に場所を取らない引き戸タイプがおすすめです。システムキッチンとの間にスペースがあまりない場合やキッチン自体が狭い場合は、観音開きの扉が開けずらかったり、扉を開けた状態で人が通れないなどのデメリットがあります。

キッチンの通路幅は一人で使う場合で90㎝、二人では120㎝ほど必要です。背面収納の幅を60~65㎝とすると、対面キッチンから壁までの通路幅が150㎝以上あれば問題なく設置できます。

とはいえ油汚れや水撥ねが心配なキッチンでは、中のものを保護する意味でも扉は付いていた方が望ましいです。そこで収納棚の扉を引き戸にすることで、開けっ放しで作業していても邪魔にならず、人が通ってもぶつかることがなく使用できます。

キッチンの棚リフォーム費用を安くするポイント

キッチン棚リフォームの費用は高いものだと50万円以上かかる場合があります。少しでもその費用を抑えるためにはいくつかのポイントをおさえましょう。

扉がないオープンタイプにする

キッチン棚のリフォーム費用を安くするには、扉のないオープンタイプにする方法があります。扉の分の価格を抑えられますので、自分でカーテンを付けて目隠しをするという方におすすめ。

また炊飯器やトースターなどの調理家電を置く目的という方には、扉がない方がかえって使いやすくなるでしょう。

リフォームの目的を明らかにする

自分はどんなリフォームがしたいのか?どんなものを収納したいのか?という目的を明らかにすることも費用を抑えるためには重要です。リフォームの目的を明らかにすることで余分な機能を抑え、結果として費用を減らすことができるためです。

収納を増やす目的のキッチン棚のリフォームであれば、予算はどの程度かけられるか、何を収納したいかを明白にすれば最低限度のリフォームで済むことになります。

DIYで棚を自作する

もし腕に自信があるなら、DIYで棚を作るのも費用を抑える一つの方法です。5段ほどの収納棚であれば、道具と材料を揃えても1万円以内でおつりが来ます。もし自作で棚を作り上げる自信がなければ、既製の吊戸棚を購入してDIYで取り付ければ簡単に収納を増やせます。

複数の業者へ見積もりを依頼する

キッチン棚のリフォームを業者に依頼する場合、2~3社から同じ条件で見積もりを取りましょう。どの工事にどれだけかかるかも業者によって異なりますし、自分の希望するリフォームの費用相場が分かります。

出来れば内装工事やキッチンリフォームが得意な業者なら、様々な工夫を凝らして使いやすくリフォームしてくれるはず。業者のホームページを確認すると過去の施工事例などが掲載されていますので、業者を選定する際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

キッチンの棚をリフォームして収納力をアップさせよう!

キッチンをスッキリと使いやすくするには、収納力のある棚をリフォームするのが一番。背面収納やカウンタータイプ、作りつけのカップボードなど様々な種類がありますので、お宅のキッチンや収納したい物に合わせて選んでみて下さい。

またなるべく費用を掛けたくないという方は自作で棚を作ったり、DIYで吊戸棚を設置する方法があります。いずれの場合も棚の強度や収納する物の重量に注意して、キッチンの収納力アップを目指しましょう。