プレハブの雨漏り?原因や修理方法についても解説

プレハブは工場で製作された部品を現場で組み立て設置するので、施工が短期間ですみ費用も安価であることが魅力です。しかしその反面、定期的にメンテナンスを行わなければ劣化が非常に早いという特徴もあります。

プレハブは金属でできているからこそ雨漏りが起こりやすく、それを放置しておけばプレハブ自体の寿命を縮めることにもなりかねません。そのため雨漏りの修理は、できるだけ早期に行う必要があるのです。

プレハブの雨漏りは自分で修理できる?

プレハブの雨漏り修理は自分で行うことが可能です。

例えば、雨漏りによる被害が小さく穴が目視で確認できるなど原因が特定できている場合で、なおかつプレハブ自体の損傷が少ないのであればコーキングや防水テープなどを使用して自分で修理を行うと良いでしょう。ただし修理の際は屋根の上に登って作業をする必要があるので、自分で行う際は十分に注意してください。

修理が自分でできるかどうかは、プレハブを“どのくらい使用してきたか”にも左右されます。まずはプレハブの寿命を確認しておきましょう。

プレハブの寿命について

プレハブの寿命は一般的に15年〜20年とされています。

ただしプレハブはメンテナンスの回数で寿命が大きく左右されるという特徴をもっているので、定期的なメンテナンスを続けたプレハブは40年以上の使用も可能です。

プレハブが雨漏りしている原因とは?

ここからはプレハブが雨漏りしている原因について見ていきましょう。

雨漏りが起こる理由を知っておくことで、プレハブの状況を推測することができるようになります。

ボルトやビスのサビ

雨漏りの原因のひとつに、トタンの固定に使用されるボルトやビスが錆びて腐食することによりできた隙間があげられます。

プレハブは金属という性質上、木組みのような工法を用いることはできません。そのため材同士の接続を行う際はボルトやビスを使用する必要があります。ボルトやビスといった金具は塗膜がないので錆びやすく、劣化が進むと隙間ができてしまうのです。

折板屋根の場合は固定箇所が多いので、特にこの現象が起こりやすいといわれています。原因を特定する際は、特に注意して見ておきましょう。

屋根の腐食

トタン屋根のメッキは経年劣化や小石などの物理的な要因によって徐々に剥がれていきます。メッキでコーティングされていない金属は非常に錆びやすく、一度錆びてしまうと腐食していき最終的に屋根に穴が開いた状態になります。

トタン屋根を使用しているプレハブでは、こういった屋根の腐食で雨漏りが起こるケースが多いです。

屋根の歪みによる雨漏り

トタンを2枚繋げる場合、重ね合わせることで浸水を防ぐ処置が取られますが、コーキングで隙間を埋めることはしません。

そのためトタンが太陽の熱や経年劣化で歪んでしまうと隙間が広がりそこから雨水が浸水してしまうようになるのです。

これは金属製のトタン屋根特有の現象で、一度歪んでしまったトタンは元に戻すことが困難なためこのようなプレハブを自分で修理を行うのは難しいでしょう。

屋根上の水たまり

プレハブ雨漏りの原因で一番多いのが、屋根上の水たまりです。

雨で屋根に水たまりができたりすると、その重みでトタンがたわみ雨漏りの原因になってしまいます。

たわみ難く水はけも良い折板屋根であれば、屋根の水たまりは起こりづらいですが、通常のトタン屋根はこの現象が起こり易いです。

トタン屋根のプレハブで雨漏りが起こった際は、屋根に水たまりができていないか確認してみましょう。

どのくらいの間隔でメンテナンスが必要?

上記でも触れましたが、プレハブの寿命は15年〜最長で40年以上と幅があります。

寿命にここまでの開きがあるのは、プレハブが金属製であることが要因。プレハブに使用されているトタンは、内部の金属を守るためメッキが塗布されていますが、これが剥がれることで錆びが発生してしまいます。発生した錆びはじわじわと金属を腐食させ、プレハブ本体を急激に劣化させてしまうのです。

経年劣化で錆びが起きやすいプレハブは最低でも半年に1回はチェックを行い、錆びを見つけたらその度にメンテナンスをすることがプレハブの寿命を延ばす秘訣と言えるでしょう。

自分でできる修理方法

自分でできるプレハブの雨漏り修理は、あまり多くはありません。しかしプレハブの損傷が激しくなければ有効な手段ではあるので、状況によって行うと良いでしょう。

どの方法も屋根の上に登って施工するので、作業は細心の注意を払って行なってください。

アルミテープでの補修

雨漏りの原因である穴が大体の憶測でしかわからない場合は、アルミテープでの補修がおすすめ。コーキングを広範囲な場所に使うのは難しいですが、テープであれば手軽にふさぐことができます。

テープは施工も簡単で、起伏がある屋根でも使用できることもメリットです。

ただし長期間はもたないので、定期的にテープを交換する必要があります。

コーキング

ホームセンターなどで販売されている屋外用のコーキング剤を使用して穴を埋める方法です。雨漏りの原因となっている穴が特定できている場合に有効な方法で、テープよりもちが良いのも魅力。

見栄えはあまり良くありませんが、作業自体はそこまで難しくはないですし安価に修理を行うことができます。

業者に依頼するべき修理と料金相場

腐食範囲が広い場合や、トタンの歪みが原因の雨漏りは自己修理が難しいので、業者に依頼する必要があります。特に屋根自体の損傷が激しいので張り替えたいという方は、自分で行うのは不可能です。

想定していたより費用がかかってしまったと後悔しないためにも、まずは雨漏り修理を業者に依頼した場合の相場について知っておきましょう。現在のプレハブの状態によっても選択するべき工法が違うので、そちらも合わせて説明します。

またカバー工法や屋根の張替えの際は足場を組む必要があるので、下記の相場に足場の費用が加わることが多いです。

部分修理

部分修理は屋根の傷んでいる箇所のみ新しいトタンで修復する修理方法です。相場は約1万円〜6万円(1平米あたり4,000円)。

費用が抑えられるため、屋根の損傷箇所が少ない場合はこちらを選択すると良いでしょう。

カバー工法

カバー工法は、既存の屋根を取り外さず上から新しい屋根を重ねる施工方法のことです。相場は1㎡あたり、4,000円ほど。ただしカバー工法は足場を組むこともあるので、その場合は足場の費用(1㎡あたり1,000円)が別途必要です。

新しい屋根になるので雨漏りを食い止めることができ、屋根の張替えよりも安価で工期も短いというメリットがあります。

屋根の損傷がひどいけれど、できるだけ早く費用を抑えて修理したいという場合はカバー工法がおすすめです。

トタン屋根の張替え

プレハブの雨漏り修理にはトタン屋根を張り替える方法もあります。既存の屋根を剥がし、新しいものに交換するので損傷がひどい場合におすすめ。

相場は1㎡あたり5,000円ほどですが、さらに足場や古い屋根材を処分する費用がかかるので総合的な負担は大きくなります。

しかし屋根を剥がして張り替えるので下地ごと取り替えることができ、傷んでいる箇所を見落とすことなくすべて修理することが可能です。修理後もプレハブを長期にわたって使用する方は屋根の張替えを検討すると良いでしょう。

修理を行うかプレハブ自体買い換えるべきかの見極めは?

買い換えるか修理するかの選択をするには、プレハブを使用した期間と現在の状態を見合わせて「あとどのくらいで寿命を迎えるか」を考える必要があります。

プレハブの損傷が大きく、錆びも広範囲に見られる場合は修理しながら使用を続けるより、買い替えを検討した方が良いかもしれません。

金属の錆びを食い止めることは難しく、内部まで侵食した錆びはプレハブ全体を蝕みます。劣化がひどい場合は新調する方が長い目で見ると安心といえます。買い換えにはそれなりの費用がかかりますから、プレハブの状態を見てどちらが良いか決めてください。

プレハブの状態について自分で確認してもよくわからないという場合は、キコー企業企画が丁寧にご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。