玄関ドアにはどんな種類が?カギ交換からドア交換までのリフォーム費用を解説!

家の顔である玄関ドアのリフォームの費用はどの位かかるのかご存知ですか?今回は玄関ドアの種類や工事費用の相場、玄関ドアの選び方までご紹介。玄関ドアをリフォームしたいと思ったら、ぜひ参考にしてください。

リフォームにおすすめの玄関ドアには「引き戸」と「開き戸」がある

玄関ドアは大きく分けて「引き戸」と「開き戸」という種類に分けられます。引き戸はふすまや障子などのように、横にスライドさせて開閉させる扉のこと。一方の開き戸は手前や奥に開閉するドアです。

和風建築にぴったりの引き戸は3種類

和風建築の住宅だけでなく、モダンな住宅にも最近取り入れられているのが引き戸です。外側に開くドアとは違い、横にスライドして開けるタイプは玄関スペースが有効に使えます。

小さい子供を抱っこしながら玄関を開けたり、雨が降っていても傘を差したまま入れるのが特徴。また開口スペースが大きく取れる引き戸は、車いすで出入りする場合もスムーズです。 このような特徴の引き戸は主に3種類あります。

引き戸の種類特徴
引き違い戸二枚扉が左右どちらからもスライドできるタイプ。
和風建築の定番引き戸だけでなく、洋風住宅に合ったデザインもある。
開閉スペースは実質1枚分で、網戸が付けやすいというメリットがある。
片引き戸1枚の戸を左右どちらかにスライドさせて開閉する。
開き戸からのリフォームがしやすく、費用を抑えられる。
玄関スペースが限られている場合におすすめで開き土よりも開口が広い。
両引き込み戸二枚の戸を左右の壁面へ引き込むタイプ。
引き違い戸2枚分の開口を確保でき、扉の前後にスペースがない場合に。
ベビーカーや車いすでも出入りしやすいが幅3.6m以上必要になる。

豊富な種類から選べる開き戸は5種類

洋風建築の扉として多くの住宅でも使われているのが開き戸です。開き戸は豊富な種類やデザインから選べ、開口の幅も玄関によって選べます。開き戸にはこのような種類があります。

開き戸の種類  特徴
片開きドア開き戸の中で最も一般的なタイプ。
種類や形が多様でドアメーカーでも幅広い価格帯を展開している。
シンプルなため、いかに建物と合う玄関ドアを選ぶかがポイント。
親子ドア片開きドアのサイドに小さな扉が付いたタイプ。
普段は片開きドアとして、車いすや大きな荷物を入れる時は
両方の扉を開けて開口を広くできる。
片袖ドア片開きドアのサイドに採光用のガラスがはめ込まれたドア。
見た目は親子ドアと似ているが開閉できず、
すっきりした印象の玄関にしたときにおすすめ。
両開きドア観音開きのドアで、店舗などで重厚感を出すときに使われる。
親子ドアよりも広い開口を確保できる。
建物や玄関サイズとのバランスを考えて設置することが望ましい。
両袖ドア片開きドアの両側に袖が付いたデザイン。
袖に採光ガラスやポストを設置できるタイプもある。

玄関ドアのリフォーム費用相場や工期を徹底解説

それでは玄関ドアのリフォーム費用について見ていきましょう。一概に玄関ドアのリフォームといっても、カギ交換からドアを枠ごと新しいものへと替える工事までさまざま。それぞれの費用相場を見て、どんな玄関リフォームをするか考えてみてください。

玄関ドアのカギ交換のみの費用は?

カギを差し込む錠ごと交換する工事は、カギの種類によって大きく費用が異なります。こちらの工事は一般的なリフォーム会社よりは、鍵屋さんと呼ばれる会社で多く取り扱っています。個人で経営している鍵屋さんから全国展開している企業まであり、そのお店によって料金設定は大きく異なります。

内訳費用相場
シリンダータイプのカギ交換10,000円~30,000円
ドアノブタイプのカギ交換10,000円~20,000円
引き違い戸のカギ交換3,000円~25,000円
プッシュプルタイプのカギ交換15,000円~70,000円
レバーハンドルタイプのカギ交換10,000円~25,000円
電子錠(カードキー)のカギ交換20,000円~100,000円

費用の内訳はカギ・錠前の価格に作業費や出張費用をプラスした金額です。防犯性の高いカギや特殊なカギを使っている場合は費用が割高になります。

防犯性をアップするにはカギ追加がおすすめ

今の玄関ドアの防犯性をアップさせるには、カギを追加で取り付ける工事があります。主に空き巣の防犯対策として推奨される「ワンドアツーロック」方式にするということ。この一つの扉に二つのカギを取り付けるには、二種類の方法があります。

  • 簡易補助錠を追加する・・・賃貸物件に住んでいる方が扉に穴をあけることなくツーロックにできる。
  • カギ穴を2つ開ける・・・今ついているカギにもう一つのカギを追加する方法。扉に穴をあけて工事をするため費用は高くなる。

これらのカギ追加工事にかかる費用はこちらです。内訳にはカギ・錠前代や出張費、取付工賃などが含まれています。

内訳費用相場
簡易補助錠の取り付け14,000円~16,000円
シリンダー錠の取り付け20,000円~45,000円
引き戸錠の取り付け20,000円~45,000円
キーレス錠の取り付け40,000円~70,000円
電子錠の取り付け50,000円~80,000円

玄関ドア本体の価格相場はこちら

では実際に玄関ドア本体を交換するリフォーム工事の費用はどの位になるのでしょうか?リフォーム費用は、玄関ドアの本体価格+施工費の合計金額となります。ここでは玄関ドアの本体価格相場を見ていきましょう。

玄関ドアの種類本体価格
引き違い戸150,000円~400,000円
片引き戸100,000円~300,000円
両引き込み戸250,000円~500,000円
片開きドア100,000円~300,000円
親子ドア150,000円~350,000円
片袖ドア
250,000円~400,000円
両開きドア350,000円~600,000円
両袖ドア300,000円~450,000円

玄関ドアの施工費用は工法によって異なる

玄関ドアの施工費は、その施工法によって三種類に分類されます。

  • ドアのみ交換工法
  • カバー工法
  • はつり工法

それぞれの工法でドアを交換した際の費用相場を見ていきましょう。

ドアのみ交換工法は工事費が抑えられる

「ドアのみ交換工法」なら工事費を抑えられます。というのも玄関ドア交換工事の中で、で最も簡単な工事がこちらのドアのみ交換工法だからです。既存のドア枠はそのままで、ドア部分のみを交換する工事となります。

工事内訳費用相場
既存ドアの解体撤去5,000円~15,000円
新規ドア本体価格100,000円~600,000円
新規ドア取付工事15,000円~25,000円
   合  計120,000円~640,000円

工期は半日~1日程度ですが、同じサイズのドアを探す必要があるのが注意点です。またドア枠が劣化している場合は枠の交換も必要になるため、業者に事前に確認しておきましょう。

カバー工法は工期を短縮できる

ドア交換工事の中でも「カバー工法」なら、工期は半日程度で済みます。カバー工法とは現状の枠の上にさらに新しい枠を取り付けて、玄関ドアを交換する工事のこと。カバー工法による費用相場はこちらです。

工事内訳費用相場
ドア取り外し処分費5,000円~15,000円
新規ドア本体価格100,000円~600,000円
新規ドア枠取付・コーキング工事30,000円~40,000円
   合  計135,000円~655,000円

ドアの開口サイズが少し小さくなるほか、下枠部分に段差が生じてしまうことがあります。

はつり工法はドア枠とドアを一新

ドア枠とドアの両方を新しくする「はつり工法」は昔ながらの施工方法です。ドア開口の大きさをキープできる一方で施工範囲が広くなるため工事が大掛かりとなります。その分費用も他の二工法に比べると高くなります。

工事内訳費用相場
既存ドア・ドア枠撤去処分15,000円~20,000円
新規ドア本体価格100,000円~600,000円
ドア枠取付費用40,000円~50,000円
ドア枠廻りコーキング施工15,000円~20,000円
   合  計170,000円~690,000円

既存枠を取り外し新しいドア枠を取り付けて、ドア部分に隣接する壁や床などを補修します。工期は2日程度見ておきましょう。壁を触ることになるので、壁部分からの雨漏りなどのリスクが生じることがあります。

リフォームにおすすめな玄関ドアの選び方とは?

カタログを見るとたくさんの種類や材質、デザインがある玄関ドア。どのようにして選べば良いのでしょうか?

家の顔である玄関にピッタリのデザインで選ぶ

玄関ドアは家全体のイメージを印象付けるため、全体のバランスを考えたデザインにしましょう。玄関は施工範囲が狭いため、比較的コストを掛けずにオリジナリティがある玄関を作れます。そこでタイルやアイアンを使うなどの一工夫で、グッとおしゃれな印象に。

また木製やアルミ製などの材質も選べますので、カタログなどを取り寄せたりショールームで実物を見ながら気に入った玄関ドアを探してみましょう。玄関ドアをあえてシンプルにすることで、全体のバランスを統一したり見栄えを良くするなどの効果もあります。毎日使う部分なので、妥協せず選んでくださいね。

費用を抑えたいなら既存ドアのサイズで選ぶ

前項でご説明した通り玄関ドア交換の費用を抑えたいなら、ドアのみ交換工法をおすすめします。枠ごと取り換えるはつり工法や新しい枠を上から設置するカバー工法は費用がかさみ、工期が長くなる傾向があります。費用をできるだけ抑えたい場合は、業者にあらかじめ相談して同じサイズのドアを見つけてもらいましょう。

寒い地域には断熱性や気密性で選ぶ

寒い地域で屋内を効率的に温めるには、断熱性や気密性の高い玄関ドアを選びましょう。開口部分の大きい玄関ドアは、家全体の断熱性にも大きく左右します。玄関ドアは窓と同じくらい屋内の暖かさに関係する場所です。

断熱性が高いのは引き戸よりも開き戸と言われています。ドア自体の厚みを変えられることから、断熱性や気密性も高められます。寒い空気が家の中に入ったり、家の中の暖かい空気が逃げていかないように、玄関ドアは断熱性や気密性の高いものを選ぶことをおすすめします。

防犯性で選ぶならカギの種類にも配慮

玄関ドアの防犯性を高めるにはカギの種類が大きく左右します。玄関ドアにとってデザインや断熱性の次に重要なのが防犯性。ピッキングされにくいカギにしたり、簡単に壊されないカギに交換することも重要です。

防犯性の高いカギの種類はこのようになっています。

カギの種類特徴
ロータリーシリンダー錠回転タンブラーとロッキングバー方式のシリンダー錠。
ピッキングしにくい構造で防犯性を高める。
ディンブルシリンダー錠ピンの数や配列数が様々で、ピッキングされにくい。
合いカギ作成が難しくリバーシブルタイプは使い勝手が良い。
暗証番号錠電気式と機械式の二種類があり、暗証番号で開錠する。
暗証番号を入れない限りドアが開かないので防犯性が高い。
指紋認証錠スマホのロックのように、指紋認証して開錠する。
カギの紛失や盗難の恐れがないのがメリット。
カードキーホテルに採用されているタイプで、カードをかざすと開錠。
持ち運びしやすく、カギの複製やピッキングがしにくい。
電子認証キーリモコンを持った状態でボタンを押すだけで施錠や開錠が可。
カギを複製されにくく、取り出さなくても使えるのが便利。

採光性や通風性などの機能で選ぶ

玄関ドアには採光性や通風性に優れた機能を持つものもあります。玄関に窓がない住宅ではドア上部にガラス製のランマが付いたドアや、片袖・両袖に採光窓が付いた玄関ドアを選ぶようにしましょう。

また通風性を高めるために玄関ドアの他に網戸を付けられるタイプもあります。さらに玄関のカギを閉めた状態でも室内に風を入れられる「通風ドア」もおすすめ。玄関を明るく風通しの良いスペースにするには、このような玄関ドアを選んでみては?

玄関ドアのメーカーやブランドで選ぶ

玄関ドアのメーカーやブランドで選ぶということも考えられます。日本国内にある玄関ドアメーカーの主な特徴やブランドは以下の通りです。

メーカー名特徴
LIXIL   住設機器の代表的メーカーで断熱パネルや複層ガラスを使っている。
ショールームが全国にあり、見て触って選べるのが特徴。
主なブランド:リシェントⅡ
YKKAP   玄関ドアやアルミサッシ、エクステリアを得意とするメーカー。
グッドデザイン賞を受賞したこともありデザイン性には定評がある。
特に防犯性能が高くピッキングしにくいことでも有名。
主なブランド:ドアリモ
三協アルミ  デザインが特徴的でハンドル部分に木目調を使うなどの工夫がされている。
重厚感のあるドアや個性的なドアを探している方におすすめ。
主なブランド:ノバリス

それぞれのメーカーによっておすすめポイントが違ってきますので、自宅に付けるのにふさわしい玄関ドアを見つけてくださいね。

玄関ドアのリフォームは種類や施工方法によって費用が変わる

玄関ドアの交換リフォームは、玄関ドア本体の種類や施工方法によって大きく異なります。また防犯性の高いカギに変えたり、断熱性や通風性のあるドアにすることでも費用が変わります。
家の顔でもある玄関ドアを上手に選んで、あなたのお宅の玄関リフォームを成功させましょう。