仏壇を収納しても問題ない?仏壇収納リフォームに関する5つのポイントを解説!

仏間がない今の住宅では、大きな仏壇の置き場所は頭を悩ませます。そこで今回は仏壇を収納するリフォームについてご紹介。「仏壇をしまってバチは当たらないの?」「仏壇を収納するのに決まりはあるの?」という疑問にもお答えしていきますので、仏壇を置くスペースがないとお悩みの方はぜひ参考にしてください。

仏壇収納リフォームとは?5つのポイントもご紹介!

仏壇を収納するリフォームでは、仏壇をしまってもご先祖様に失礼にならないのか気になる方も多いと思います。こちらでは仏壇収納リフォームについて、多くの方が疑問に思うポイントについて解説していきます。

仏壇を収納してもバチが当たらないの?

結論から言うとリフォームした押し入れやクローゼットなどに仏壇を収納しても全く問題ありません。もちろんバチが当たることもありませんのでご安心を。

ただし仏壇を置く際に、ふさわしい場所やふさわしくない場所というものがあります。そのためこれからご紹介する決まりやルールに沿った場所に仏壇を置くようにしましょう。

仏壇を収納するのにふさわしい場所や方角は?

仏壇には安置するのにふさわしい場所や方角というものがあります。そもそも仏壇のしつらえや本尊というのは仏教の宗派によって異なりますので、仏壇を置く場所も異なるという訳です。

一般的に仏壇は北向きを避けて置くようになっていますが、それ以外にも宗派によって適した方向が異なります。

宗派の種類仏壇を置くのにふさわしい方角
浄土真宗
浄土宗
天台宗
ご本尊の阿弥陀如来は西方浄土にいるとされていることから、
西に向かって拝めるように、仏壇の正面が東に向くように置く。
曹洞宗
臨済宗
お釈迦様が説法の際に南を向いていたという教えから、
仏壇の正面が南に向くように置く。
真言宗仏壇に向かって拝む延長線上に総本山があるように置く。
(真言宗の総本山:和歌山県の高野山金剛峯寺)
日蓮宗置く方角は特に決まりがないため
北向き以外であればどの方角に置いても良い。

このように宗派によって仏壇の置き方が異なりますので、家の信仰する宗派を確認してふさわしい方角に置くようにしましょう。もしご自分の宗派が分からない場合は、親や親せきに聞いたりしても良いでしょう。すでに仏壇があるという場合は、中央に安置しているご本尊やその両脇の脇侍(わきじ)を見ると宗派が分かることがありますのでご確認ください。

宗派による置く方角の違い以外にも、仏壇を置くのにふさわしい場所や高さがあることを覚えておきましょう。

  • 家の中で最も立派な床の間のある客間など
  • 家族が集まるリビングなど
  • 座ってお参りする場合…ご本尊は目線より上に安置
  • 立ってお参りする場合…ご本尊は胸の高さより上に安置

神仏習合である日本では、仏壇を置くリビングや和室に神棚もあるというケースもあるでしょう。神様がいる神棚と仏様がいる仏壇を同じ部屋に置く場合は、いくつかのポイントに気を付けて置き場所を決めてください。

ポイント理由
神棚の下に仏壇を置かない神様が仏様を踏むことになるため避ける。
二階に神棚、一階に仏壇を置く場合にも、同じ場所にならないようにする。
向い合せで置かないどちらかを拝む際にはどちらかにお尻を向けることになるため避ける。
並べる場合は神棚が部屋の中心・左側にくるようにする神様は仏様よりも上位であるため、
部屋の中心になるべく近い場所や陰陽の方角でいうと向かって左側が適している。

また仏壇というのは金箔が施されていたり、細かい彫刻があるなど木工工芸品としての側面もあります。そのような仏壇を長く変わらぬ状態で保管するためには、次のような場所に置くことは避けるようにしましょう。

  • 直射日光が当たる場所
  • 湿気が多い場所
  • 電子レンジなど熱を持つ電化製品の近く
  • オーディオなど音による振動が出る家電の近く

このように仏壇というのは家の宗派や様々な状況からふさわしい置き場所が決まります。これまでご紹介してきたことを基にして、適切な場所に仏壇を収納するようにしましょう。

仏壇を収納するメリットとは

それでは仏壇を収納するのにどんなメリットがあるのでしょうか? 昔ながらの仏間がないお宅では、和室やリビングに仏壇を置くことになるでしょう。とはいえマンションなどの限られたスペースに置く場合、奥行きのある仏壇は場所を取ってしまいます。

そこで今まで押し入れやクローゼットがある場所をリフォームして仏壇を収納すれば、部屋のスペースを狭めることなく仏壇を置けるという訳です。一間の間口がある押入れなら、仏壇の横に半間のクローゼットを作ることも可能です。

また収納した場所に扉を設置すれば、リビングに置いてもインテリアを統一できます。扉は洋風のクローゼット風や和風の襖など、どちらにも対応可能ですので部屋のイメージやインテリアのテイストに合わせて決めましょう。

仏壇を収納した場所に扉を設置すれば、お供えをする時や拝みたい時は扉を開けて、それ以外の時は扉を閉めるという暮らし方も可能になります。お部屋のインテリアも統一できますので、おすすめのリフォームです。

仏壇収納リフォームの方法をご紹介

仏壇収納リフォームにはどんな方法があるのでしょうか?ここでは仏壇収納リフォームに多く取り入れられているものをご紹介していきます。

押入れを仏壇収納スペースにリフォーム

和室やリビングに押入れがある場合は、中棚を取り外して壁や床を補強、クロスや床板を貼って仏壇を収納するリフォームはいかがでしょうか。押入れや仏壇のサイズによっては、隣に物入れを作れることも。お盆用の提灯や仏具、ろうそくやお線香のストックなどをしまうのにも重宝しそうです。

押入れの中棚を撤去すると強度が心配になる方もいるかもしれませんが、箱形の仏壇を中に収納することで逆に押入れの強度は高まります。扉を閉めてしまえば万が一の地震の際にも、中の仏具が飛び出る恐れもありません。

扉を付けてクローゼットにリフォーム

伝統的な仏壇というのは宗派によっては金箔が施されていたり、精密な彫刻があったりと好みのインテリアには合わないと感じる方も多いのではないでしょうか。そこで仏壇を収納した場所に扉を付けてクローゼット風にリフォームする方法が有効。

扉を閉じれば仏壇とは分からないようになるので、洋室のリビングや寝室に置いても違和感がありません。出入口ドアや他の扉とテイストを合わせれば、一部分だけ浮くこともないでしょう。ぜひ置き場所に合わせた扉を選んでみてください。

仏壇に供養は必要?

仏壇を他の場所に収納した場合、供養は必要なのでしょうか?基本的に仏壇というのはむやみに移動させない方が良いとされています。

とはいえリフォームなどでやむを得ず移動しなければいけない場合が出てきますが、家の中だけの移動であれば新たに供養する必要はありません。

供養が必要になるのは仏壇を一度家の外に出さなければいけない場合です。引っ越しや家の新築で仏壇を外から運び入れる際などは、菩提寺の住職にお願いして「閉眼供養」をしてもらいましょう。これは仏壇に入っているご先祖様の魂をいったん抜くという儀式です。

移動先で再設置した場合は、魂を入れ直す「開眼供養」を行います。閉眼供養と開眼供養をセットで行うことで、新しい場所に置いた仏壇にご先祖様が入ってもらうことになります。

ご紹介した通り家の中だけの移動では住職による供養は必要ありませんが、仏壇はなるべく丁寧に取り扱うようにしましょう。また移動させる前には「これから仏壇を移動させていただきます」と仏様に線香をあげて挨拶してください。移動後には再度線香をあげて無事に完了したことを忘れずに報告しましょう。

仏壇収納リフォームにかかる費用相場を解説

それでは実際に仏壇収納リフォームをするには、どの位の費用がかかるのでしょうか?上でご紹介した二種類の方法ごとに相場を見ていきます。

押入れを仏壇収納にリフォームする場合

一間(約1.82m)の押し入れの半分に仏壇を収納するスペースを作る場合の費用相場はこちらです。

作業内容は木工事で押入れの上下を仕切っている中棚を撤去して、床や壁に補強工事を行います。仕上げには壁と天井に壁紙を貼り床をフローリング敷きにするのが一般的です。また床に框(かまち)を造作する場合もあり、木の素材感を生かした作りにすることもあります。

工事内容費用相場
押入れを仏壇収納にリフォーム約10万~15万円

押入れをリフォームする場合は約10万~15万円ほどの費用がかかります。工事期間は5日から一週間程度です。

扉を設けるリフォームの場合

仏壇を収納した場所に扉を設置するリフォームの場合、扉の種類やグレードによって価格が異なります。洋風のクローゼット風や和風の襖など、予算や部屋のテイストに合わせた扉を選ぶようにしましょう。

工事内容費用相場
仏壇を収納し扉を設置15万~30万円

め仏壇を収納するリフォームにプラスして扉を設置する場合は、5万~15万円ほどの費用がかかります。リフォーム費用の総額では15万~30万円ほど見ると良いでしょう。

仏壇収納リフォームをする際の注意点とは

仏壇収納リフォームをする際にはいくつかの注意点があります。仏壇を適切に収納するためにこれからご紹介する注意点に気を付けてリフォームをしましょう。

仏壇の扉サイズも事前に計測

押入れやクローゼットに仏壇を収納する際には、仏壇の高さや奥行きなどのサイズはもちろん測ると思いますが、仏壇についている扉を開けた時のサイズも忘れずに測っておきましょう。

仏壇の扉というのは折れ戸のように中央で折り曲げられ、仏壇の両脇にしまえるようになっています。扉を開けた状態ではその扉の分、仏壇の幅が広くなります。その扉の分を含めて収納スペースを作らないと、扉がすっきりと収納できなくなる場合も。

また仏壇を置く予定の場所のすぐ脇が壁になっている場合も、仏壇の扉の開け閉めが十分にできるよう、余裕のある開閉スペースを取る必要があります。仏壇のサイズを測る時には、仏壇の扉を閉めた状態だけでなく扉を開ける動作や扉の収納に支障がないかもチェックしましょう。

電気工事も忘れずに

元々が押入れだった場所をリフォームするので、電気工事も忘れずに行いましょう。仏壇には電気で灯る照明が付いています。またお盆の提灯などでも電気が必要になります。

コンセントが近くにないと、延長コードを引っ張ってくる必要があり見栄えが良くありません。そこで床下や壁を通して電気の配線を伸ばし、仏壇が入る内側の壁にコンセントを設置することをおすすめします。これなら扉を新設しても問題なく扉を閉められるでしょう。

仏壇収納リフォームは経験が豊富な信頼できる業者に依頼しよう!

仏壇を収納するには、既存の押し入れやクローゼットをリフォームする方法や扉を新設して部屋のインテリアに馴染ませる方法などがあります。また仏壇は宗派によって置く向きが異なり、神棚と同じ部屋に置く場合にはその配置に注意しなければなりません。

これらの理由から仏壇収納リフォームをお願いするのは、仏壇の扱いになれている経験豊富な業者を選ぶようにしましょう。実際に現場調査の際には、仏壇を置くのにふさわしい場所や方角をアドバイスしてくれることもあります。仏様に失礼にならないよう、住んでいる私たちが快適になるような仏壇収納リフォームを形にしてくれる業者を探すことが、リフォームを成功させる近道になります。