フローリング張り替えの種類や注意点とは?現状別リフォーム相場も教えます

「畳をフローリングにしたい」「フローリングを張り替えたい」という方に、フローリングの種類やリフォーム方法、工事費用の相場などを解説していきます。フローリングにする際の注意点などもありますので、特にマンションにお住いの方は気を付けてフローリングを選ぶようにしましょう。

フローリング張り替えの前に!種類や特徴を知ろう

板敷きの床のことを一口にフローリングと呼びますが、その製造方法や使う木材によって異なる特徴があります。フローリングを張り替える際にどんな種類を選べばいいのかの参考にしてください。

フローリングは「無垢」と「複合」の二種類

フローリングにはその製造方法によって「無垢フローリング」と「複合フローリング」の二種類に分けられます。それぞれにメリットやデメリットが異なりますので、その特徴をよく理解しましょう。

無垢フローリングの特徴や価格

無垢フローリングとは天然木の無垢材を使用したフローリングのことをいいます。JAS規格では無垢材や集成材を使用したフローリング全般と定義されていますが、天然木のあたたかさが感じられる素材感が特徴。無垢フローリングのメリットやデメリットはこちらです。

【無垢フローリングのメリット】

  • 天然木の素材感があり、肌触りに温かみを感じる
  • 調湿効果や断熱効果が期待できる
  • 脚への負担が少ない
  • アレルギーやアトピーの症状が出にくい
  • 表面が傷んでも削ることで新品同様になる

【無垢フローリングのデメリット】

  • 複合フローリングよりも価格が高い
  • 温度や湿度で反りや収縮が発生する
  • 木材の種類によっては傷が付きやすい
  • 表面の色にばらつきが多い

無垢フローリングは気の種類や木目の有無などによって価格が大きく異なります。主な無垢フローリングの㎡当たりの費用相場はこちらです。

無垢フローリングの種類費用相場(㎡当たり)
無垢フローリング(普及品)7,000円~15,000円
無垢フローリング(オーク材)13,000円~27,000円

複合フローリングの特徴や価格

複合フローリングとはベニヤを数枚重ね合わせた合板や集成材に、厚さ0.5~3mmの天然木の板(単板)を張り合わせて作ったもの。昭和40年代から普及し始め、昭和60年になると床のダニ対策として床材のメイン素材となりました。表面材は天然木の他にも特殊シートなどがあり、その種類や色や無垢フローリングよりも豊富です。

複合フローリングの特徴は以下のようになっています。

【複合フローリングのメリット】

  • 無垢フローリングより安価
  • デザインや色のバリエーションが豊富
  • 反りや収縮が少ない
  • 遮音性を持たせたり床暖房にも使用が可能
  • リフォーム工期が短い

【複合フローリングのデメリット】

  • 無垢フローリングに比べると安っぽく見える
  • 表面に傷が付くと下の合板が見えてしまう
  • 踏み心地が良くないこともある
  • シックハウス症候群の原因物質・ホルムアルデヒドが放出されることがある

もし無垢フローリングのような質感を求めるのなら、表面に貼ってある単板は3mmの厚めを選ぶのがおすすめです。複合フローリングも単板に使われる木材の種類や厚さ、仕上げ方法によって相場が異なります。

複合フローリングの種類費用相場(㎡当たり)
複合フローリング(普及品)3,000円~8,000円
複合フローリング(オーク材)7,000円~18,000円

特に単板に厚みがあり無垢材の風合いを出しているものや、傷防止のコーティング仕様のフローリングなどは価格が高めになります。

木の種類による色や材質の特徴とは

フローリングの価格は使われている木材の種類によって異なると解説してきましたが、その種類ごとの特徴や代表的な木材などを見ていきましょう。 木材の種類は「広葉樹」と「針葉樹」の2つに分けられます。

木の種類特徴代表的な木材
広葉樹傷が付きにくく収縮や膨張しにくい
複合フローリングの天板に使用されている
ウォールナット
メープル・オーク
チーク・栗・タモ
針葉樹無垢フローリングに採用され、柔らかい木質
傷が付きやすいが修復でき、肌触りが良い
パイン・ヒノキ
スギ・桐

次に広葉樹・針葉樹ごとの代表的な木材の特徴や色目などをご紹介します。

【主な広葉樹の色や特徴】

木の種類特徴
ウォールナットクルミ科の広葉樹で落ち着いたダークブラウン色をしている。
世界三大銘木の一つとして、家具や内装材に使われている。
シックで落ち着いた部屋のフローリングにおすすめな木材。
メープル広葉樹の中でも特に硬くて摩耗にも強い丈夫な種類。
色は白っぽいナチュラルさが特徴で、明るくしたい部屋におすすめ。
木目はそれほど主張しすぎず、和室の造作にも使われる
オーク(楢)木目がはっきりとした豹斑が特徴で、床材に多く使われる。
チーク東南アジア原産の木材で、古くから船の甲板などに使用されている。
硬さがあり耐久性や耐水性にすぐれ、害虫にも強い。
色目は重厚感があり、アジアンテイストのインテリアにも合う。
栗の木硬くて耐腐食性が高い、耐久性のある木材。
くっきりとした木目で人気があるが、値段が高め。
タモ塗装性に優れており、着色しても木目が浮き出る。
色はオークに似ているが、木目はさらにはっきりしている。

【主な針葉樹の色や特徴】

木の種類特徴
パイン(松)比較的柔らかく加工しやすいのが特徴。
色は全体的に白っぽく、ナチュラルな雰囲気にぴったり。
スギ黄色かかった褐色や赤っぽい褐色が特徴で木目の節がはっきりしている。
断熱性や調湿性に優れているので、日本の住宅におすすめ。
ヒノキ油分を多く含んでいるヒノキは耐水性に優れている。
木目は主張しすぎず、和洋どちらの部屋にも合う。
日本で最高品質の木材として、独特の香りが感じられる。
比較的価格が低く、木目が薄くてうるさく感じない。
断熱性が高く調湿や防虫効果もある。

このように使う木材の種類によって色や木目の出方、優れた特徴などが異なります。お好みのインテリアやどんな機能を求めるかによって選んでみてはいかがでしょうか?

フローリング張り替えの基礎知識や手順とは?

フローリングの種類や木材の特徴が分かったところで、実際に施工する場合の方法や手順をご紹介していきます。DIYで貼り替えはできるのか?についても解説していますので、自分でフローリングを張ろうかとお考えの方は参考にしましょう。

フローリングの施工方法は二通りある

フローリングを張る方法は「張り替え工法」と「重ね張り工法」の二種類があります。それぞれのメリットや特徴はこちらです。

施工方法特徴
張り替え工法既存フローリングを剥がして新しいフローリングを張り替える工法。
下地の状態が確認でき、床の段差を解消できる。
既存フローリングの撤去や工事に手間がかかるため費用が高くなる。
和室から洋室にリフォームする時のような床材を変更する際におすすめ。
重ね張り工法既存のフローリングの上に新しいフローリング材を重ねて張る工法。
廃材の量が少ないため処分費がかからず、工事費用が安く済む。
床が二重になり頑丈になることで防音性や遮熱性が高まる。
床の高さが上がって、他の部分との段差が生じる。

ただし湿気などにより床下地が傷んでいたり凹んでいる場合は、土台や床下地の交換が必要となります。もし下地を確認したい時は張り替え工法を選択し、現状によって下地や土台の交換をするようにしましょう。

フローリング張り替えの目安は15~20年

フローリング張り替えの目安は15~20年程度です。これはフローリングの寿命と考えて、傷や汚れが目立って来たら貼り替えをおすすめします。他にもこんな症状が出たらフローリング張り替えのサインとなります。

  • 歩くと軋みや床なりが発生する
  • 水廻りのフローリングに凹みがある
  • 白アリ被害がある
  • フローリングを張ってから15年以上経っている

特に歩くと嫌な音がする場合は床下地自体が傷んでいる可能性があります。また水廻りのフローリングは湿気がたまりやすく、部材が傷んでいることも。

このような床下部分の傷み具合は素人では判断が難しいため、上記のような症状が出たら必ず専門家に調査してもらいましょう。なるべく痛みが軽微なうちに修理した方が費用も安く済みます。面倒だからと後回しにせず、定期的なメンテナンスがおすすめです。

フローリング張り替えの手順とは

フローリング張り替えの手順を簡単にご説明していきます。こちらは張り替え工法によるフローリングのリフォームです。

  1. 既存の床材をノミやマイナスドライバーで剥がす
  2. 下地の汚れを取り除き、カビは消毒用エタノールを散布する
  3. 断熱材を敷き詰めて、ベニヤ板を張る
  4. フローリング材を切断し、部屋のサイズに合わせて端から張る

業者に依頼した場合は、上記のような手順で進んでいきます。

フローリング張り替えはDIYでもできる?

手順だけ見ると簡単そうに見えるフローリングの張り替えですが、素人がDIYで出来るものなのでしょうか?実はフローリング張り替え工事には、このような注意点があります。

  • 床下の構造を確認してそれに合った工法を採用する
  • フローリング材の特徴を踏まえて適切な種類を選ぶ
  • 材料を無駄なく使用するために張る向きを考える
  • 既存の床面との段差ができないように調整する

上でご説明した通り、フローリング張り替え工事は熟練の技術や知恵が必要となります。また実際に下地を確認して痛みが激しい場合は、下地の補修もしなければなりません。

道具を一から準備して床材を剥がし、適切な下地補修をしてからフローリングを張るという手間を考えると、はじめからプロに依頼するというのも一つの方法です。もし途中で失敗してやり直し…などということが起きかねませんので、ここは業者にお任せすることをおすすめします。

どうしても自分で張りたいという方は、やり直しが簡単にできて賃貸物件にも使えるフローリングタイルなどを使ってみてはいかがでしょうか?畳の上から敷いていくだけなので、女性でも手軽にリフォームできます。無垢材を使用したフローリングタイルもあるので、無垢フローリングのような質感を楽しむこともできます。

フローリング張り替えの費用相場や日数を解説!

では実際に業者にフローリング張り替えリフォームを依頼した場合の費用相場は工事日数を見ていきましょう。工事日数は6畳の部屋でしたら半日~1日程度で完成します。

クッションフロア→フローリングの場合

キッチンなど、今までクッションフロアを張っていた場所をフローリングにする場合の費用相場はこちらです。特にマンションでは防音仕様のフローリングを使うという管理規約があるところも多いため、防音ありと防音なしの相場を記載しています。

フローリングの種類 費用相場
4.5畳6畳  8畳  
複合フローリング(防音なし)72,000円~
 89,000円
82,000円~
 105,000円
95,000円~
 125,000円
複合フローリング(防音あり)105,000円~
 125,000円
125,000円~
 152,000円
155,000円~
 190,000円
無垢フローリング(防音なし)75,000円~
 100,000円
88,000円~
 120,000円
105,000円~
 145,000円
無垢フローリング(防音あり)110,000円~
 138,000円
130,000円~
 170,000円
160,000円~
 210,000円

畳→フローリングの場合

和室の畳をフローリングにする場合は、床の下地材を張り替えなければならないため工事費用が高くなり、一畳あたり3万~5万円程となります。また同時に巾木の交換なども発生することもありますので、追加費用として考えておきましょう。

フローリングの種類費用相場
4.5畳6畳8畳
複合フローリング(防音なし)125,000円~
 143,000円
155,000円~
 175,000円
190,000円~
 220,000円
複合フローリング(防音あり)158,000円~
 178,000円
198,000円~
 225,000円
250,000円~
 285,000円
無垢フローリング(防音なし)130,000円~
 155,000円
160,000円~
 193,000円
200,000円~
 240,000円
無垢フローリング(防音あり)163,000円~
 190,000ね
204,000円~
 240,000円
255,000円~
 308,000円

フローリング→フローリングの場合

フローリングからフローリングへ張り替える際には、重ね張りか張り替えかによって費用が大きく変動します。既存のフローリングをそのままに重ね張りする場合、処分代などがかからないため張り替えに比べて安く工事ができます。

【重ね張り工法】

フローリングの種類費用相場
4.5畳6畳8畳
複合フローリング(防音なし)85,000円~
 102,000円
100,000円~
 122,000円
120,000円~
 150,000円
複合フローリング(防音あり)95,000円~
 115,000円
112,000円~
 140,000円
135,000円~
 170,000円
無垢フローリング(防音なし)90,000円~
 115,000円
105,000円~
 140,000円
130,000円~
 170,000円
無垢フローリング(防音あり)125,000円~
 145,000円
155,000円~
 180,000円
190,000円~
 228,000円

一方の張り替え工法は、既存のフローリングを剥がして処分する費用がかかるため3万~5万円程度高くなります。

【張り替え工法】

フローリングの種類費用相場
4.5畳6畳8畳
複合フローリング(防音なし)98,000円~
 128,000円
118,000円~
 155,000円
143,000円~
 193,000円
複合フローリング(防音あり)118,000円~
 135,000円
143,000円~
 165,000円
178,000円~
 205,000円
無垢フローリング(防音なし)128,000円~
 145,000円
150,000円~
 180,000円
185,000円~
 228,000円
無垢フローリング(防音あり)130,000円~
 158,000円
160,000円~
 198,000円
200,000円~
 250,000円

フローリング張り替えをする際の注意点

フローリングを張り替える時には、注意すべきいくつかのポイントがあります。リフォームを成功させるためにも、これらの注意点に気を付けて工事をしましょう。

メンテナンスのしやすさやキズの付きにくさで選ぼう

材質によって様々な特徴があるフローリングですが、後々のことを考えてメンテナンスのしやすい種類を選びましょう。特にスギやパイン材などは柔らかい素材のため、爪で少しひっかいただけでも跡が付いてしまいます。

特に小さな子供がいるお宅や、室内でペットを飼っている場合はキズが付きにくくメンテナンスしやすい素材がおすすめ。またあえて表面が加工してある複合フローリングも候補に入れておきましょう。

施工方法によるメリット・デメリットを考えて選択

フローリングのリフォームには重ね張りと張り替えの二つの工法があることをご説明してきましたが、それぞれのメリットやデメリットを良く理解して施工方法を決めましょう。

特に重ね張り工法の場合、費用は抑えられますが既存のフローリングの上から施工するため5~14mmほど床の高さが上がってしまいます。高齢者や足腰が弱い方がいる家では、つまずいて転倒してしまうことも考えられますので張り替え工法を選ぶことをおすすめします。

マンションでの施工は騒音に注意して管理規約を守る

マンション床の張り替え工事では、管理規約を確認してから工事をするようにしましょう。お住いの場所によって異なりますが、床材を貼り替える際には防音性のあるフローリングを使うなどの規約が定められている場合があります。

フローリングでは種類や厚みによって「遮音等級」が分かれています。工事を始める前にお住いのマンションの管理規約に決められているフローリングの遮音等級を業者と確認して、それに基づいた工事をしてもらいましょう。

また工事中は騒音が出て、隣近所に迷惑がかかることも考えられます。講じ前に業者と一緒にあいさつ回りをすることでトラブルを回避できることもありますのでご注意ください。

フローリング張り替えは内装工事が得意な専門業者へ

フローリング張り替え工事を依頼するには内装工事が得意な専門業者や地元の工務店がおすすめです。内装工事を専門にしている業者は自社で職人さんを抱えていることも多く、下請けに発注する中間マージンがかかりません。

また営業の社員がいないような地元の工務店なら余分な人件費や広告費が上乗せされない分、工事費用も抑えられるはずです。さらに地元だということで、工事後のトラブルやメンテナンスでもすぐに対応してくれるでしょう。

このように値段の安さだけでなく、工事後のフォローもしっかりしてくれる業者を選べばフローリング張り替え工事の満足度もアップするはずです。