収納力抜群な壁面収納リフォームの費用相場とは?6つの注意点もしっかり解説!

家の中の収納は毎日の暮らしに欠かせないものです。その中でも特に収納力が抜群な壁面収納へリフォームしてみませんか?今回は壁面収納を作る際の注意点や費用の相場について詳しく解説していきます。

壁面収納を作るには?種類や部屋別活用法をご紹介!

壁面収納リフォームの費用相場を見る前に、壁面収納の種類やどんな部屋に適しているかを見ていきましょう。こちらを参考にして予算や部屋の大きさに合わせた壁面収納を選んでみてください。

壁面収納には3種類ある

壁面収納はその製作方法や注文方法によって3種類に分けられます。それぞれにメリットやデメリットが異なりますので、ご予算に合わせて選んでいきましょう。

家具屋に依頼するオーダー家具

オーダー家具の壁面収納は、専用の家具工場で家具職人が要望に応じて作製するもの。世界に一つだけのオリジナルのデザインにすることが可能で、部屋のサイズやテイストにもピッタリ合わせられます。

例えば床から浮かせたフロートタイプの壁面収納で部屋をスタイリッシュに見せたり、自慢のコレクションを飾れるガラスキャビネットを一角に設けたりとそのデザインはアイデア次第。

ただし材料やデザインにこだわる分、費用は高額になるでしょう。オーダー家具の製作費プラス現場での施工費が別でかかりますので、こちらも注意が必要です。また完成までの期間も1か月から数か月程度と長くなります。

とはいえ部屋にピッタリ合ったサイズで、デザインや素材も自由に選べるということから、一生ものの家具を予算にこだわらずに設置したいという方におすすめです。

大工さんが現場で施工・造作家具

造作家具とは大工さんが現場で寸法を測りながら作る家具のこと。限られた工期内でスピーディに作製できるので効率的なうえ、費用もオーダー家具に比べてかなり抑えられます。

ただし使う材質を選べなかったり、複雑な細工やデザインを注文することは難しいというの造作家具のデメリット。そのためリビングの壁面収納のように、見た目重視の家具をリフォームするにはあまり適していません。

造作家具はデザイン性のある細かい造作にはあまり向きませんが、デッドスペースを有効活用できる大容量の収納や、クローゼット内の棚造作などにはおすすめです。安く短時間で広い場所の収納を作るには、造作家具でリフォームしてみてはいかがでしょうか。

組立が楽で価格が安いユニット家具

最近特にバリエーションが豊富になっているのが、既製のボックスやパネルなどを組み合わせて設置するユニット家具です。ネット通販を始め、家具店やホームセンターなどで取り扱いがあり、素材やカラー展開、サイズなどが多彩なのが特徴。

マンション向けに開発された商品やサイズの微調整が可能な壁面収納など、ニーズに合ったアイテムを見つけられるのがユニット家具の大きなメリット。よく使われているサイズを中心に引き出しや棚などのパーツが展開されており、好みのデザインや部屋に合うサイズが見つかればオーダー家具よりも安く設置できます。

ただし壁面収納を設置したい場所が変形していると適したサイズが見つからない場合があることも覚えておきましょう。また色や材質に限りがあるため、好みにピッタリ合うものが探せないことも。もしユニット家具で適したものがない場合は、造作家具やオーダー家具のリフォームを検討する必要があります。

壁面収納はこんな部屋に便利

壁面収納は家の中の様々な部屋に作ることができます。部屋ごとに収納するものを変えて、すっきりとした室内空間を目指しましょう。

テレビ台を兼ねた壁面収納はリビングにぴったり

テレビの上部は意外なデッドスペースになっています。そこでリビングにはテレビ台を兼ねた壁面収納を設置してはいかがでしょうか?テレビとその周りを収納として活用することで、壁と一体化して部屋全体に統一感が出ます。

テレビの他にも電話やFAX、スピーカーやDVDプレーヤーなど同じ壁面収納にしまえれば、それらの配線を裏側にまとめられて毎日の掃除も簡単に。また雑誌やリモコンのような小物類の収納場所を作っておけば、部屋をスッキリとした状態に保つことができます。

さらに天板を跳ね上げられるライティングデスクを壁面収納の一角に設けておくと、パソコンを使用する時や書き物をする時にも便利です。他にも趣味のコレクションをディスプレイする方法や、LED照明を組み込んで間接照明として使うアイデアもおすすめ。

家族みんなが一番長くいるリビングは、テレビ台を兼ねた壁面収納を置いてすっきりとした空間にしましょう。

作業効率をアップさせるキッチンの壁面収納

キッチンに壁面収納を設置すると、毎日の台所仕事の作業効率が格段にアップします。キッチンには調理家電や食器、食材や調味料などといった収納すべきアイテムがたくさん。調理時にはそれらを出し入れすることも多いため、家事効率を上げるにはワンアクションで取り出せる工夫が必要です。

対面キッチンがあるお宅では振り返った壁面に設置するのがベスト。床からの高さ1mほどのところにはレンジや炊飯器といった使用頻度の高い調理家電をオープンで置きましょう。その際には使う家電の数に応じたコンセントも併せて設置すると便利です。

上段には食器やストック食品などの軽いものがおすすめ。扉を半透明にすると目隠しの役割を持たせながら、なんとなく収納している物が見えるのでむやみに開け閉めする必要がありません。

また一角に作業台として使えるカウンターがあると、パソコンやアイロンもそこで使えます。跳ね上げ式の天板で中を収納にしておけば、使わない時はすっきりとしまえます。

収納扉の色や壁面収納全体のデザインをフローリングやドアと合わせれば、キッチンのインテリアにも統一感が生まれます。とにかく物が多いキッチンでは機能性や動線を考えながら、料理やそのほかの家事をやりやすい空間にすることが大切になります。

大家族でも安心!玄関の壁面収納

玄関のスペースに余裕があるお宅には、家族の靴がすべて納まる壁面収納がおすすめ。下駄箱として使えるだけでなく傘やコート、スポーツ用具や靴磨きセットなど、玄関にあると便利なアイテムをスッキリ収納してくれます。

棚も子供用のスニーカーやサンダル、革靴やブーツまで入れられるように、棚の高さを考えて設計するか、可動式の棚を採用しましょう。天井までの壁面収納の扉面には鏡を取りつけることも可能なので、出かける前の身だしなみや玄関を広く見せるのにも役立ちます。

パソコンコーナーにもなる寝室の壁面収納

プライベートな空間である寝室には、ゆったりとくつろげるような壁面収納を設置しましょう。壁面収納の大きなメリットは、収納以外の機能をプラスできるということ。 読書に便利な本棚や折り畳み式のデスク、照明器具を一体にすることで、パソコンコーナーや読書スペース、家事机にもなります。

寝室内に壁一面を本棚にしたいという要望も多く、6畳ほどの寝室の壁に壁面収納を採用するケースもあります。その際には地震対策を忘れずに、安全に使えるリフォームにしましょう。

自分が寝室で必要な物が全ておさめられるような壁面収納へリフォームできれば、必要なものにすぐに手が届く利便性と機能性を兼ね備えた壁面収納へ仕上がるでしょう。

壁面収納リフォームにかかる費用相場とは?

では壁面収納へリフォームする際の費用相場について見ていきます。壁面収納の種類ごとにご紹介していきますので、選ぶ際の参考にしてください。

オーダー家具の場合

壁面収納をオーダー家具でリフォームする場合、使う材質やデザインによって費用が大幅に変わります。また扉や引き出しの数や可動棚の有無、壁の下地補強によっても異なりますので、自分の希望する壁面収納の相場が知りたい場合は業者へ見積もりを取ることをおすすめします。

工事内容費用相場
オーダー家具による壁面収納リフォーム40万~100万円

オーダー家具による壁面収納の費用相場は40万~100万円前後です。もちろんデザインや材質にこだわれば上記の金額よりも高くなりますし、シンプルなオープン棚であれば安くなります。

造作家具の場合

大工さんが現場で製作する造作家具の壁面収納リフォームの費用は、3種類の壁面収納の中で一番安く済む場合があります。

工事内容費用相場
造作家具による壁面収納リフォーム30万~50万円

費用相場は30万~50万円前後。予算が少ないという方やすぐに現場で作ってほしいという方におすすめのリフォーム方法です。

ユニット家具の場合

ユニット家具を使った壁面収納リフォームの相場は、設置する面積によって異なります。特に広い部屋に設置する壁面収納を特注でオーダーした場合は、相場の金額よりも高くなる傾向があります。こちらもあらかじめ業者に見積もりを出してもらうか、自分で総額を計算してから注文するようにしましょう。

工事内容費用相場
ユニット家具による壁面収納リフォーム20万~80万円

ユニット家具による壁面収納リフォームの費用は20万~80万円が相場です。ただし完成品のユニット家具を購入して自分で設置する場合は10万円台からリフォームが可能です。

壁面収納をリフォームする場合の6つの注意点

部屋のものを収納するのに便利な壁面収納ですが、選び方や収納方法を間違うと思うようなメリットが得られない場合があります。これからご紹介する注意点を参考に、壁面収納リフォームをぜひ成功させてください。

収納したい物の重さやサイズを確認

壁面収納リフォームで一番大事なポイントは、収納したい物のサイズや重さを確認して選ぶこと。この確認作業が不十分だと、棚の高さや奥行きが不十分で目当てのものが収納できないという事態に陥ることがあります。

また重い物を収納したい場合には、壁の下地補強を追加して収納全体の耐荷重量をアップさせないと、壁ごと壊れてしまう恐れがあります。特に最近の住宅で採用されている石こうボードには、壁面収納を固定するためのビスが刺さらない場合が。石こうボードにも固定できるビスを使ったり、下地を補強して取り付ける方法を用いなければならないため注意が必要です。

キッチンなどの狭い場所に壁面収納を設置する際には、扉を開けると中の棚がスライドして手に取りやすい位置まで下がる吊戸棚が便利。背の低い方でも簡単に出し入れができますし、扉を閉めれば場所を取らない作りになっているのでおすすめです。

オープン収納かクローズド収納か?

壁面収納に係わらず物を収納する際には扉のないオープンにするか、扉付きのクローズド収納にするかの選択が重要。扉のないオープン収納は出し入れが楽で、目線の高さに合わせると奥行きが感じられます。飾り棚のように使え、扉を付けない分費用を抑えられるのがメリットです。

ただしホコリが溜まりやすく掃除に手間がかかったり、ディスプレイや収納方法によってはごちゃついて見えるというデメリットも。オープン収納を取り入れる場合は、物の周囲に十分な空間を確保して、色やテイストなどを統一するとスッキリ見えます。

クローズド収納とは扉や戸を設置して中にしまったものが見えなくする収納方法のこと。扉などで覆われているため、すっきりと見えるのが最大のメリットです。ただし扉を付けた分だけ費用が高くなり、頻繁に使うものだと出し入れが面倒になることもあります。

このようにオープン収納とクローズド収納にはそれぞれメリットとデメリットがあります。それぞれのデメリットを打ち消す方法として、オープン収納とクローズド収納を組み合わせるのが有効。また見た目をスッキリさせながら、使い勝手が良い壁面収納にするには、扉にガラスや鏡を採用することもおすすめです。

棚は可動式・固定棚からチョイス

壁面収納リフォームを成功させるには、棚を可動式や固定式から適切に選ぶのがポイントになります。もし収納する物がすでに決まっていて、今後もずっと変わらないという場合は固定式の棚にしてもOKですが、収納する物が変わる可能性があるなら可動式の棚を選ぶことをおすすめします。

棚を可動式にする最大のメリットは、中に入れる物によって高さを変えられて余分なデッドスペースを生まないこと。例えばキッチンの壁面収納では、食器を入れる棚を低くして、調理家電を入れる場所の棚を高く設定すれば、限られた収納スペースを有効活用できます。

棚を可動式にするには、側面の板に棚ダボを入れる穴を複数開けたり、ダボレールなどを設置する必要があります。部品や加工の手間がかかるため費用は若干高くなりますが、市販のユニット家具などでリフォームするとその費用を抑えられる場合があるので上手に取り入れてみてください。

設置する場所や物に応じて奥行を考える

棚の高さと同じように、壁面収納の奥行も考えてリフォームしましょう。特に物の出し入れが多い場所の壁面収納は奥行きを取りすぎると、取り出す際にアクション数が多くなってしまいます。結果として収納が面倒になって使わなくなるパターンが考えられますので、入れるものや使う場所に合った奥行きを選びましょう。

壁面収納は10㎝単位で奥行きを設定することが可能。天井までの高さがある壁面収納は圧迫感を与えることもあるため、物が効率的に収納できるだけでなく、圧迫感を与えない奥行にリフォームすることも重要です。

扉選びは慎重に

壁面収納ではクローズド収納で用いる扉の選び方がポイントになります。例えば狭い部屋に濃い色の扉や木目調の扉を全面に設置すると、圧迫感が出て部屋が狭く感じてしまいます。狭い部屋に壁面収納を設置したい場合は、次のようなことを注意しながら扉を選ぶと圧迫感を感じにくくなります。

  • 壁の色と同系色にする
  • 無地の扉を選ぶ
  • ツヤ感のある材質

逆に壁面収納を部屋のアクセントにしたい場合は、扉の一部の色を変えたり、同系色で色を変えるなどの工夫が必要です。

また扉の開き方も設置場所に応じて選びましょう。狭いキッチンで観音開きの扉にすると、体をのけぞらないと扉を開けられなかったり、人が通るのに邪魔になることがあります。狭い場所に壁面収納を作る場合は、開閉に場所を取らない引き戸がおすすめ。

他にも扉を全開にしてもそれほど場所を取らない折れ戸タイプなどもあります。このように壁面収納を設置する場所や仲に入れるものに応じた扉を選ぶようにしましょう。

マンションでは管理規約を確認

マンションで壁面収納リフォームをする場合は、管理規約を確認することをおすすめします。マンションには室内であっても、壊したりビスを打ち込むことができないコンクリート製の壁があります。このようなマンション全体の構造に関わる壁や天井は「共用部分」とみなされていることが多いため。

この共用部分に関わるリフォームの際には、事前に管理規約を確認したり管理組合に届け出をすることが求められます。お住いのマンションによっては、ビス留め程度なら許可される場合もありますが、壁に穴を開けることが禁止されているマンションでは壁面収納の設置が不可能な場合も。

それでもどうしても壁面収納を設置したいなら、天井と床で突っ張って固定するタイプの収納棚やリビングボードを選ぶようにしましょう。

設置する部屋や収納する物に応じて適切な壁面収納にしよう!

壁面収納は収納としてもインテリアアイテムとしても優秀なリフォーム法。設置する部屋や収納する物に応じて、扉を変えたり棚を可動式にする工夫をしましょう。

リフォーム費用は設置する壁面収納の種類やサイズによって変わりますが、部屋の顔として長く使うことを考えれば、費用よりも使い勝手やデザイン重視で選んでみてはいかがでしょうか。