作業効率抜群!L型キッチンのレイアウト術7選&リフォーム費用を抑える方法

I型やアイランド型など様々なキッチンの形がある中で、一番作業がしやすいのはL型キッチンだということをご存知ですか?今回は作業効率抜群なL型キッチンについて、使いやすいレイアウト術やリフォーム費用を安くする方法をご紹介。「L型キッチンへリフォームしようかな?」とお考えの方は必見です!

家事動線が良いのがL型キッチンの特徴

L型キッチンというのは文字通りアルファベットの「L」の形をしたキッチンのことです。直角につながったコーナー部分を中心に、作業スペースが左右に設けられています。実はこのレイアウトは家事効率を上げる上でとても大切だとご存知でしたか?L型キッチンはシンクとコンロがそれぞれに振り分けられて配置しているため、体を90度回転させるだけで両方の作業ができるのが大きな理由です。一般的なI型キッチンはシンクやコンロが一直線に並んでいるため、それぞれの作業をするには横に移動しなければなりませんが、L型キッチンならわざわざ端から端まで移動しなくても作業が可能に。

また作業スペースが広く取れるのもL型キッチンの大きな特徴です。シンク側とコンロ側の両方に調理台があるので一方の調理台でまな板を使い、もう一方で出来上がった料理の盛り付けをできます。また子供と一緒に料理する際や、ホームパーティなど複数人でキッチンに立つ場面でもこのスペースはありがたいですね。そしてL型キッチンにはキッチンの大きさに合わせて様々なサイズが展開されています。

  • シンク側の長い辺(mm)・・・1800・1950・2100・2250・2400・2550・2700
  • コンロ側の短い辺(mm)・・・1680・1800

L型キッチンのもう一つの特徴は直角のコーナー部分が生じるということ。キッチンには約65㎝の奥行が必要になります。したがってこのコーナー部分も奥に広くなってしまい、結果としてデッドスペースが生まれてしまう原因にも。このコーナー部分を上手に活用できれば、収納をより増やせたりキッチンを華やかに見せられますよ。

L型キッチンを設置する方法としては主に2つのレイアウトが考えられます。それはキッチンの両方を壁に付ける「壁付け式」と、キッチンの片方だけを壁に付けてもう一方をリビング側に向ける「対面式」です。部屋の大きさやどんなキッチンにしたいかによってレイアウトを選べるのも、L型キッチンのメリットとなりますね。

L型キッチンのレイアウト術7選

それではL型キッチンを最大限に使いこなすために、おすすめのレイアウト方法をご紹介していきます。どんなライフスタイルを目指すのか想像しながら、L型キッチンのレイアウトを考えていきましょう。

対面式レイアウトなら家族と会話しながら料理できる

L型の一方をリビング側に向けると、主婦に人気の対面型キッチンになります。この対面型キッチンの大きなメリットは、ダイニングやリビングにいる家族とコミュニケーションを取りながら作業ができるという点です。小さい子供や高齢者、ペットなどの見守りが必要な家族がいても安心。またリビングにあるテレビを見ながら洗い物をすることもできるので、億劫な作業も楽しくできそうですね。

ただしリビング側にシンクを設けると水が周囲に飛びやすいというデメリットがあります。それには仕切りや段差を付けることでデメリットが解消できます。さらにリビング側に開く収納棚を取り付けることで、吊戸棚がない分の収納スペースも確保できます。また調理に集中したい方や、対面にコンロがあると心配という方は壁に面した部分にコンロにすればOK。このように作業スタイルや好みによってレイアウトが選べるのもL型キッチンのメリットです。

壁付け式レイアウトは狭いキッチンでもOK

キッチンの二面とも壁に付けるレイアウトは、キッチンのスペースが比較的狭くても大丈夫。また吊戸棚などの壁面収納スペースが設置しやすいのも、こちらの壁付け式レイアウト。大きな鍋を使って調理する場合や、シンクで洗いものする際の水はねも気にする心配がありません。

ただしL型キッチンを二面とも壁付けにすると食器棚や冷蔵庫、分別したゴミ箱の行き場がなくなってしまう恐れも。そのため壁付け式レイアウトにする場合は、あらかじめこれらの置き場所を考えておきましょう。

壁付け式+アイランドレイアウトで作業スペースを確保

L型キッチンは作業スペースが広いことがメリットですが、壁付けに設置したL型キッチンから振り返った中央のスペースにアイランドタイプの作業カウンターを置くことで、より広い作業スペースを確保できます。これによりパンの生地作りやお菓子作りも便利になるだけでなく、数人で調理や盛り付けをしてもゆったりと使えますね。もしキッチンスペースに余裕があるなら、このような作業スペースを増設することもおすすめです。

デッドスペースになりがちなコーナー部分は工夫次第!

L型キッチンの最大のデメリットになるのがコーナー部分の使い方です。奥行があるということで、手が届きにくいのも難点です。それぞれのキッチンメーカーでは無駄なスペースを作らないようにと、独自の収納棚などをオプションで販売しています。それらを使って収納を増やすことももちろんおすすめですが、様々なアイデアでコーナー部分を活用すれば、より自分らしいキッチンと生まれ変わります。今回はデッドスペースになりがちなコーナーの活用方法をいくつかご紹介していきます。無駄なスペースでどう活用したらいいか分からないという方は参考にして下さいね。

  • 季節のアイテムや植物を飾るディスプレイスペースに
  • 食材や調味料ストック置き場として
  • コーナー部分にコンロやシンクを設置
  • 卓上用食洗器やキッチン家電を置く
  • レシピスタンドを置いてレシピ本の定位置にする
  • ラジオやポータブルテレビを置く

今回紹介した以外にも、工夫次第でいろいろな使い方ができそうですね。ぜひオリジナリティあふれるアレンジ方法を見つけてください。

冷蔵庫の位置はシンク側で作業効率もアップ!

キッチンでの作業効率を良くするには、冷蔵庫の位置が重要になります。特に冷蔵庫やシンク、コンロへの移動が多いキッチンでは、置き場所によって作業効率が良くも悪くもなることを覚えておきましょう。使いやすいキッチンのレイアウトとしては、コンロ・シンク・冷蔵庫を次のような三角形で置くようにしましょう。

  • コンロとシンクは120~180㎝
  • コンロと冷蔵庫は120~270㎝
  • シンクと冷蔵庫は120~210㎝
  • 以上の三角形の合計が510㎝程度

L型キッチンではこの動線が三角形になるため、作業効率が良いとされています。その際のLDKの広さは最低でも16畳程度が好ましい広さです。ただし壁付け式のL型キッチンでは、冷蔵庫やごみ箱などのスペースが取りにくいということがデメリットとして挙げられます。そのためキッチンのレイアウトを考える段階で、それらの設置場所を決めておくことが重要に。同時に冷蔵庫を買い替えた際のことも考えて、冷蔵庫が出し入れできる通路幅も確保しておきましょう。

I型キッチン→L型キッチンの変更はバランスを考えて

壁付け式のI型キッチンからL型キッチンに変更する場合は、キッチン全体のバランスを考えてレイアウトしましょう。L型キッチンは他の形のキッチンに比べて、より広いスペースが必要になります。ともするとリビングやダイニングが狭くなってしまう恐れもあるため、十分にプランニングしなければなりません。

たとえキッチンスペースに余裕があっても床下の配管設備や換気ダクトの位置を変更する工事が必要になることも。さらに現状のキッチンのすぐ横にインターホンや勝手口がある場合は、それらを有効に使えなくなる可能性もあります。現状のキッチンの間取りや広さをよく考えてL型キッチンにリフォームすることをおすすめします。

キッチンの中央にテーブルを置くことで料理をすぐに提供

壁付け式のL型キッチンの中央にダイニングテーブルを置けば、出来立ての料理をすぐに食卓に提供できますね。L型キッチンは床面積が広いので、複数人で料理がしやすいのもメリットです。大勢でワイワイ作った料理をすぐにテーブルに出せ、料理する人との距離も近いので、ホームパーティをする方や家族が多い方などにぴったりです。

L型キッチンにリフォーム相場は80~180万円

L型キッチンのレイアウト術や置き方が分かったところで、リフォームにかかる費用について見ていきましょう。L型キッチンの場合、キッチン本体の価格が60~130万円前後、解体取り付け費用や付随工事で20~50万程度になります。つまりリフォーム工事全体では80~180万円程かかるということです。

キッチン本体価格の相場は60~130万円

キッチン工事に関しては、工事費用のほとんどはシステムキッチンにかかる金額が占めます。ちなみに各キッチンメーカーのグレードごとの価格帯は以下のようになります。

  • シンプルタイプ・・・60~90万円
  • スタンダードタイプ・・・70~100万円
  • ハイクラス・・・80~130万円

I型キッチンと比べると2本のカウンターをつなぎ合わせているため、本体価格は高くなりがちです。 さらに食器洗い洗浄機やIHクッキングヒーターなどのオプションを追加すると、金額がさらにプラスされます。

  • 食洗器取付工事・・・15万円~
  • レンジフード交換・・・5~10万円
  • ガスからIHへ・・・15~30万円

取付工事や付帯工事の内訳はこちら

次に工事の内訳について見ていきましょう。キッチンのリフォーム工事では、既存のキッチンの解体工事と新しいキッチンの取付工事が必ず必要となります。それにプラスして電気工事や給排水工事などが発生してきます。

  • 既存キッチンの解体工事・・・5~10万円
  • キッチン取付工事・・・12万円~
  • 給排水設備工事・・・3万円~
  • 電気設備工事・・・3万円~

壁付けから対面へキッチンを移動させたりキッチンの向きを変えると、床や壁の下地が露出するため、その部分のリフォームも必要に。また給排水管やガス管の延長工事が発生することもあるため、キッチン移動にかかる付帯工事はこのような費用となります。

  • 壁クロス張り替え・・・5万円~
  • 給排水管延長工事・・・3万円~
  • ガス管延長工事・・・4万円~
  • 排気ダクト移設工事・・・10万円~

つまりL型キッチンをどのように配置するかで、工事費用も変わってくるということです。キッチン本体の価格を130万円とすると、レイアウト方法によって工事費用相場はこのようになります。

  • 壁付け式L型キッチンへリフォーム・・・150万円~
  • 対面式L型キッチンへリフォーム・・・180万円~

このようにキッチンをリビング側へ移動することが必要な対面式では、付帯工事がプラスでかかることを覚えておきましょう。I型キッチンからI型キッチンへのリフォーム工事と比べると、約100万以上の予算を上乗せして考えることをおすすめします。

ちなみにL型キッチンへのリフォームにかかる日数は、その工事内容によって大きく変動します。既存のキッチンから新しいものへ取り換えるだけなら1~2日程度で終わりますが、レイアウト変更や建物の構造によっては一か月程度かかる場合があります。詳しくは現場調査してもらった際に、リフォーム会社の担当の方へお尋ねください。

L型キッチンのリフォーム費用を抑える方法

I型キッチンへのリフォームと比べると費用が掛かってしまうL型キッチンへのリフォームですが、その費用を抑える方法があります。少しでもリフォーム費用を安くしたい方は参考にして下さいね。

必要最低限の機能に抑える

L型キッチンのリフォーム工事費用を安く抑えるには、キッチンの機能を必要最低限にすることをおすすめします。前項でもご紹介した通り、リフォーム工事全体の費用がキッチン本体の価格に左右されるキッチンリフォームでは、キッチンの価格を抑えるのが安くする一番の方法です。キッチンのオプションには次のような項目があります。

  • 食器洗い洗浄機を設置・・・8~20万円
  • IHクッキングヒーターに変更・・・15~30万円
  • レンジフード交換・・・4~10万円

キッチンのメーカーやグレードにこだわらないという方はリフォーム会社へお任せすると、思いがけず掘り出し物やお買い得なL型キッチンを見つけてもらえるかも知れませんよ。

扉の部材やグレードにこだわらない

もし扉の色やグレードにこだわらないなら、キッチンの価格を安く抑えられます。扉や天板部分の部材によっても、キッチンの金額は変わります。キッチンは扉や天板部分の面積が広いため、この部材を安く抑えることで全体の金額を下げられます。例えば人工大理石の天板をホーローやガラストップにするだけでも安くできます。

またキッチン自体のグレードを落とせばさらに安くなります。キッチン上部の吊戸棚ありと吊戸棚なしでは後者の方が安くなりますし、オープンタイプのフラットな調理カウンターと腰壁にくっつけるタイプでは、腰壁に付けるキッチンの方が費用を抑えられます。化粧板を張る面積が少なくて済むので、結果的に安くなる訳です。

複数の業者へ見積もりを依頼する

最後にL型キッチンへのリフォームを安くするには、複数の業者へ見積もりを出してもらうことも費用を安くする秘訣になります。一口にリフォーム会社と言っても様々な業種からリフォーム業界に参入していることをご存知ですか?

  • ハウスメーカー系
  • 設計事務所や建築家
  • 家電量販店
  • ホームセンター
  • 電気・水道・ガス会社
  • 住宅設備メーカー
  • 工務店
  • リフォーム専門会社

それぞれに得意なリフォームや実績が異なります。その中でも特にキッチンリフォームが得意なリフォーム会社に見積もりを依頼しましょう。キッチン本体のグレードや仕様を同じもにして見積もりを取ると、価格や工事内容の差がはっきりと分かります。できれば近くの会社なら、いざという時にすぐ修理をしてもらえたり、アフターサービスも受けやすいのでおすすめです。

まとめ

L型キッチンはその形から作業効率が良く、様々なレイアウトができるということが分かりました。I型キッチンと比べてリフォーム費用相場は高いですが、その分キッチン本体の部材や機能を最低限にすることで安くすることができます。またキッチンリフォームに強い会社を選んで、相見積もりを取ることも大切。リフォーム会社を上手に選んで、使い勝手の良いL型キッチンへリフォームしましょう。