屋根裏のデッドスペースを有効活用!屋根裏収納リフォームの基礎知識&費用相場

収納場所が足りないとお困りの方はいませんか?デッドスペースである屋根裏をリフォームして、収納場所を増やすという方法があります。屋根裏収納を作る際の対策や費用相場なども解説していきますのでご参考にしてください。

屋根裏収納を作るには?リフォームの基礎知識をご紹介

部屋の天井と屋根の間にある屋根裏は、住宅最大のデッドスペースです。そこをリフォームするだけで大容量の収納空間に早変わりします。屋根裏収納を作る際の注意点や屋根裏のデメリットを改修する方法を見ていきましょう。

屋根裏収納とは?ロフトとどう違う?

屋根裏とは二階建ての住宅の場合は二階の、平屋のお宅では一階の天井板と屋根との間にある空間のこと。屋根の面積の分だけ屋根裏があることになります。

屋根裏と似た意味の言葉で「ロフト」というものがあります。ロフトはワンルームの賃貸物件などによくあるのですが、天井が高い部屋の上部に床を造作して設けた部屋のことを指します。

屋根裏が独立した空間なのに対して、ロフトは開放的でつながりのある空間と言えます。どちらも収納するのには適していますが、新しく収納スペースを増やすという意味では屋根裏の方が広く使えそうです。

屋根裏収納を作る際の手順

屋根裏収納を作る際には次のような手順で工事が進められます。

  1. 天井板を開口する
  2. 屋根裏に登るはしごを設置する
  3. 屋根裏の床補強工事
  4. 壁や屋根の断熱工事
  5. 床張り工事
  6. 出入りのための階段やウインチを設置する
  7. その他換気扇や照明などを設置する

屋根裏収納の基本工事は天井を開口してはしごを設置、床を補強して床材を張るまでの工事を指します。断熱工事や換気扇、照明やコンセント設置工事はオプションとなります。

基本工事で使用するはしごは、天井にあるフックを専用金具で引っ張ると梯子がおりてくるユニットタイプのものがほとんどです。もしはしごでの昇り降りが心配だという方は、条件に応じて固定階段にしたり開口部に手すりを取り付けることをおすすめします。

屋根裏収納を作れない場合もある

実は屋根裏の広さや屋根の形状によっては屋根裏を作れない場合があります。屋根裏の空間が極端に狭い家では、屋根裏部屋を作るスペースが取れなかったり梯子を設置する場所が確保できないことがあります。また屋根の形が寄棟屋根の家では思うような高さが出せないことが考えられます。

さらに屋根裏収納や屋根裏部屋というのは、建築基準法で天井高が1.4m以下でなければいけないという決まりがあります。屋根裏の高さが1.4mを超える高さで収納を作ってしまうと、屋根裏部屋ではなく3階(平屋の場合は2階)とみなされてしまい、固定資産税が増額されたり建築確認の申請が必要となってしまいます。

屋根裏を使うには法律で定められている

上の項でも少し説明しましたが、屋根裏を使うには法律によって様々な制限が設けられています。特に注意すべきなのは固定資産税の計算方法が変わってしまうということ。固定資産税は建物の床面積に応じて算出されますので、天井高が1.4mをオーバーすると新たな階として床面積に含めなければなりません。

建築基準法では屋根裏収納や屋根裏部屋として認める条件として、以下のように規定しています。

  • 天井高が最大で1.4m以下であること
  • 屋根裏収納の床面積は直下階の床面積の1/2未満であること

さらにお住いの自治体によっては屋根裏収納に固定階段を取り付けることを禁止しているところがあります。天井に収納可能なはしごや取り外し式のはしごを設置することになりますので注意が必要です。

もし固定資産税が高くなるか心配という方、屋根裏収納にどうしても固定階段を付けたいという方はリフォームを依頼する業者やお住いの自治体の建築指導係までお問い合わせください。

屋根裏収納のデメリットを解消する方法とは

屋根裏収納には屋根裏ならではのデメリットがあります。そのデメリットを解消することで屋根裏収納がより使いやすくなります。

夏場の高温は断熱工事やエアコン設置がおすすめ

屋根裏の夏場の高温には、断熱工事やエアコン設置がおすすめです。屋根裏とはもともと屋根と天井との間に空気の層を作ることで外気温の影響や音の伝わりを抑える役割があります。

そこに収納を作るわけですから、夏場は直射日光にさらされた屋根に近いため60度近い気温になり、冬は積雪の影響で氷点下になることがあります。さらに窓や開口がないため熱や湿気がこもりやすく、とても居心地のいい空間とは言えないのです。

それらを解消するには、屋根に断熱塗料を塗布したり、屋根の裏や壁面に断熱材を追加する工事がおすすめです。またエアコンや換気扇を設置するのも有効です。特に屋根裏に置く荷物を保護する意味でも、熱や湿気を排出する換気扇は最低限でも付けるようにしましょう。

重い荷物の出し入れにはウインチを取り付ける

屋根裏収納へ重い荷物を出し入れする際には、便利なウインチを取り付けることをおすすめします。ウインチとは滑車を使って手動で荷物を吊り上げたり、電動のモーターで荷物を移動させる機械のこと。重い荷物を担いで不安定なはしごを上り下りするのはとても大変なので、屋根裏収納をリフォームする際には一緒にウインチを取り付けるようにしましょう。

また荷物の出し入れが楽になるように開口部を広く取ったり、はしごを降りた先に十分なスペースを設けるようにすることも重要。万が一屋根裏からの落下を防ぐには、開口部分を囲むように手すりを付けると安心です。

屋根裏収納リフォームはDIYでもできる?

屋根裏収納を新しく作るには、DIYでもできるのでしょうか?屋根裏という場所は一見すると無駄な空間のように見えますが、住宅の構造や機能の面で実はとても大切なところです。これからご紹介する二つの理由から、屋根裏をDIYで作るのはあまりおすすめできません。

一つ目の理由として屋根裏は物を置いたり人が歩くことを想定していないため、これらを支える強度がないことが挙げられます。プロのリフォームでは屋根裏の強度を高めるために補強工事を行ってから床材を張ります。素人ではこの補強工事を十分に行うことが難しくなります。

補強工事が不十分なまま屋根裏収納として使うと、屋根裏を歩いている時に天井もろとも落ちることが考えられますし、荷物が上から落下してくる危険もあります。屋根裏の老朽箇所によっては収納として使えない場合もありますので、プロの目でチェックし、安全に使えるよう適切な工事をしてもらってください。

もう一つの理由としては、DIYでの作業中に誤って屋根を破損してしまうと雨漏りが発生して、家全体の防水機能が落ちることが考えられます。屋根には建物内に雨水が侵入しないよう細心の注意により施工がされています。壊してはいけない部分を撤去したり、手元が狂って屋根部分に傷をつける恐れのあるDIYでのリフォームは後で余分な修繕費が発生してしまう原因にもなります。

屋根裏収納リフォームの費用相場・日数を解説

屋根裏収納を新しく作ったり、スペースを拡張する場合の費用相場を解説していきます。工事日数も併せてご紹介していきますので、リフォームの予定を組む目安にしてください。

屋根裏収納新設工事

住宅の屋根裏に新しく屋根裏収納を作る場合は、基本のはしごを設置して、床の補強工事をした後に壁や天井はボードか構造用合板を張り、換気扇と照明器具を取り付けた工事になります。

工事内容費用相場
屋根裏収納新設工事(6畳)30万~50万円

6畳のスペースを屋根裏収納にする際の費用相場は30万~50万円が相場です。ただし床にフローリングを張ったり棚を造作する場合は費用が高くなります。

既存の屋根裏収納を拡張する

すでに屋根裏収納がある住宅では、そのスペースを拡張することで収納力をアップできます。すでに天井に開口があり、はしごなどは設置済みですので床や壁を張る工事のみになります。

工事内容費用相場
屋根裏収納拡張工事(3畳)12万~15万円
屋根裏収納拡張工事(6畳)18万~20万円

屋根裏収納拡張工事は3畳で12万~15万円、6畳だと18万~20万円ほどです。ただし床の強度が不足している際には床の補強工事が追加で必要となることがあります。

断熱工事・開口部手すり等オプション費用

屋根裏収納をより快適に安全に使うには、断熱工事や開口部周りに手すりの設置工事が必要となります。そこで屋根裏収納をより便利にするオプション工事の費用について見てきましょう。

工事内容費用相場
断熱工事40万~60万円
固定階段設置35万~55万円
開口部手すり取付け3万~5万円
照明・コンセント設置2万~3万円
窓取付け4万~6万円
24時間換気システム設置8万~10万円
手動ウインチ設置10万~20万円
電動ウインチ設置30万~40万円

屋根裏の暑さ寒さを和らげる断熱工事は40万~60万円が相場です。また昇り降りに便利な固定階段は35万~55万円ほどで設置できます。他にも6万円以下で取り付けられる手すりやコンセント、窓などもおすすめ。

ウインチは手動のものが10万~20万円ほど、電動だと30万~40万円かかります。このようなオプション工事は必ずいるというものではありませんが、荷物の出し入れを安全にしたり中に入れている物の劣化を防ぐ目的で有効です。

ゆくゆくは屋根裏収納を屋根裏部屋として使いたいという方は特に快適に過ごせるよう、上記のようなオプションを追加してみてはいかがでしょうか。

屋根裏収納リフォームにかかる工事日数

屋根裏収納のリフォーム工事にかかる日数は、屋根裏の広さや状態によって異なりますがおおむね下記のような日数となります。これは断熱工事を行わない場合の工事日数となります。

工事内容工事期間
屋根裏収納新設工事2~4日
屋根裏収納拡張工事1~2日

屋根裏収納新設工事で2~4日、拡張工事で1~2日ほどかかります。人が長時間居られる屋根裏部屋にするには1週間程度必要になることがあります。

必要な対策をして屋根裏収納リフォームを成功させよう

屋根裏は普段全く使われていない場所のため、収納スペースを増やすのにはとても適した場所です。ただし屋根に近く密閉された空間ということで夏の熱さや湿気には気を付けて必要な対策を取ることが重要になります。

また重い荷物を上げ下げするのに便利なウインチや固定階段、落下防止の手すりなどもあると安心です。どうせ作るなら使いやすい屋根裏収納を目指してリフォームしてみてはいかがでしょうか。